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2008年02月 アーカイブ

2008年02月04日

セリエA 21節 vsフィオレンティーナ
『この強さこそミラン』

4位を争う直接のライバル、フィオレンティーナ戦。
アルテミオ・フランキのナイトゲームには、オレの望むべく姿、120%のミランが登場した。
選手それぞれがいつもより2割り増しの気合の入れようで、このゲームに立ち向かっていた。
カカとピルロにいたっては3割り増しと言ってもいい。この切り替えがうまいところがミランの良さでもある。
ただ、それでも非常に厳しいゲームだった。
フィオレンティーナは効率性と個人技に優れた攻撃でミランを圧倒し、ミランは苦しい時間を多く強いられ、耐え続けた。
フィオレンティーナは、本当に強かった。


アンチェロッティは、ジラルディーノの1トップを選択。戦列を離れたガットゥーゾの代わりにブロッキを起用した。
パトをベンチに座らせ2トップを選択せず、水曜日に好プレーを見せたらしいエメルソンもベンチ。少しでもリスクを回避する彼らしい選択だ。
ただ、それはプランデッリも同じ。ドナデルやリベラーニではなくヨルゲンセンを起用して、戦える選手を並べた。勝ち点の重みを両指揮官はすごく感じていたのだろう。
アンチェロッティの采配。このゲームに関しては(という前置きはつくが)、オレは手放しで賞賛したい。
オレでもジラの1トップを選択しただろう。パトを投入するタイミングは少し遅かったとは思うが、パトがベンチにいることは心強かった。
そして、オレの予想をも上回った、セードルフの交代だ。まさかあそこで2トップに変更できる男だとは。
ミランは追いかける立場である。勝たなければならない。アンチェロッティの決断は素晴らしかった。
そして、エメルソンとファバッリの投入で、フィオレンティーナの恐ろしい攻撃を抑え込んだ。
一発勝負の修羅場の経験値で、プランデッリよりアンチェロッティの方が一日の長があった。
プランデッリはヴィエリ投入の遅れを悔やんでいるだろう。


前半、ミランはジラがシュートチャンスを迎えたがゴールには至らず、フィオレンティーナの圧力の前に押し込まれた。
パッツィーニはキレ味抜群でネスタに襲い掛かり、サンターナはマルディーニをもろともせずクロスを供給する。
そのクロスに対してオッドは無意味な存在で、ムトゥは何度もカラッチを強襲した。
ガードを固め目だけを光らせて、なんとか前半を0で折り返したが、後半はもっとひどくなる。
クロスを跳ね返しても、セカンドボールをことごとく拾われ波状攻撃を受けた。
しかし、攻められるのは計算済みでもある。120%のミランなら耐え切れるんだ。
カウンターで数々の勝利を導いてきたカカがいる。そしてパトという切り札もある。
ミランは強者に対する必勝パターンに持ち込むことに成功した。
このゲーム、アンチェロッティミランの強さが最大限発揮されたゲームだったといえるだろう。
その強さは、CLをも制する強さだ。ミランの勝ちは必然だった、とオレは思う。


チームの勝利であったことは言うまでもないが、パトに触れないわけにはいくまい。
7番を背負って66分にピッチに送り出された青年は、冷静にチャンスをモノにしてミランを勝利に導いた。
ロナウジーニョのような圧倒的なスキルで周囲を魅了するわけでもない。メッシのように圧倒的な敗北感を味あわせる、恐怖に満ちた選手ではない。
だがパトは、ゴールを奪い、結果を残す。
カカからダイレクトでパスがやってきた時、パトはトラップミスをした。そして、おそらくシュートも想いどおりにヒットしてはいないだろう。
パトは2つのミスを犯したにもかかわらず、ゴールネットを揺らし、ミランに貴重な勝ち点3をもたらしたんだ。
これは、”運がいい”ではもう説明がつかない。
パトは、そういう星の下に生まれ、そういう能力を持った選手なのだ。結果を残す能力とでも言おうか。
この能力はどこまで通じるのだろうか。
インテルやユーヴェとの一戦、CLでも発揮されるのか。
そんじょそこらの能力ではない。非常に楽しみだ。


さてさて、ではジラルディーノについても触れておこう。
オレがセリエAでジラをスタメンから見たのは、12月1日のユーヴェ戦までさかのぼる。
今年に入ってからの好調は、文字情報、ダイジェストでしか見ることができなかった。
だから非常に楽しみにしていた。
だが、ジラはゴールを奪うことはできなかった。
守備での貢献度は高く、クロスに飛び込むタイミングとポジションは、ゴールの予感を匂わせはしたが、シュートシーンでの硬さは相変わらずで、落胆を感じさせられたのも事実だ。
なにかまだ重いものを背負っている。焦っている。サッカーを楽しめていない。
まだまだ、ジラがゴールを量産する日は遠いかもしれない。
ピッポの復帰も待ち遠しい。だが、ジラの覚醒ほどオレを喜ばせるものはないのだが。


このフィオレンティーナ戦、MVPを選出するならネスタだ。
パトもその候補だし、カカももちろんだ。終了間際にチームを救ったカラッチが、もしかしたら一番ふさわしいのかもしれない。
だが、ネスタがいなければ何も始まっていない。このアンチェロッティの戦術も成り立たない。
ミスからムトゥに抜け出され警告を受けるプレーもあったが、ネスタがどれだけ攻撃を跳ね返し続けただろう。
ネスタは世界一のCBだ。オレだけでなく、誰もにそう言わせるプレーを見せてくれたと思う。
たのもしいかぎりだ。
CLも始まる。苦しいゲームが続いていくだろう。
だが、そのすべてをネスタなら跳ね返してくれるはずだ。
今カルチョで、古き良きイタリアの守備文化を体現しているのは、ネスタだけではないだろうか。


さあ、これでミランは今季初の3連勝だ。フィオレンティーナは完全に捕まえ、ユーヴェの背中も見えてきた。
「このところの我々は最高の試合をしているわけではないが」とアンチェロッティが言うように、まだまだ昨季の最高の状態に入ったわけではないが、そこに向かって歩みだしていることは確かだ。
パトが負傷したし、ガットゥーゾもいない。けが人が出てきた中で、これから1ヶ月は本当に踏ん張りどころになる。
ただ、エメルソンが使えるようになったし、ピルロを一列上げる変化は効果的だ。昨季にはないプラス要素もある。
次節は、ジラが出場停止で、おそらくパトもダメ。
ロナウドの出番になるだろう。ここで結果を出さなくて、いつ出す。
最後のワンピースはロナウドの完全復調ではないだろうか。
次週、そのピースがきれいに埋まることを、あまり期待はせずに祈ってみようかと思う。

2008年02月11日

セリエA 22節 vsシエナ
『18歳が救った』

パトがセンセーショナルなデビューを飾ったのが1ヶ月前だった。
そして今度は、パロスキが勝るとも劣らないデビューを飾った。まったく、驚いた。
まだ高校3年生の若者がピッチに登場すると18秒でゴールを奪ったのだ。
セードルフからの裏へのボールへ抜け出すと、ダイレクトでボールの落ちぎわを叩き、ジャストミートしたシュートは、左サイドネットに突き刺さった。
パロスキは、高いシュート技術、PA内での落ち着き。ストライカーに必要な能力を18才にしてきっちりと備えていた。
そして、デビュー戦でゴールを決め、それが決勝点になる幸運。大物の予感をぷんぷん漂わせてくれた。


「今日のパロスキがやったことは、誰にでもできることじゃない。デビュー戦でピッチに出て18秒後にゴールなんて、信じられないよ。彼のことはとても幸せに思っている。運命のようなものだったんだよ。彼は非常に素晴らしい決定力を持っている。選手たちはベンチでも試合の緊張感を感じているし、正しいスピリットで試合に出て、ゲームの流れを変えてくるんだ」
とアンチェロッティは惜しみない評価を送り、チームメイトもそれに続いている。
だが、「本当にすごい感動でまだ現実のこととは思えないよ」とパロスキが振り返るこの日を、本当の意味で現実のものにするためには、これからこそが大事。
目標と話すインザーギのストイックな姿勢を見習って、どんどんステップを上がっていてほしい。
彼にとっては、忘れられない一戦になっただろう。
だが、オレにとって忘れられない一戦になるかといえば、今後のパロスキ次第ということになる。
7才からミランでプレーしてきたこの男をずっと応援できることになれば、そんな素晴らしいことはない。


さて、18才の若者にミランは救われたわけだが、戦前の予想通り苦戦した。
カカとパトが負傷で戦線を離れ、ジラルディーノは出場停止。ピッポとロナウドが戻ってきてくれて一応形にはなったが、コンディション面の不安は拭えない。相手のシエナは、前節ローマを3-0で勝利し昇り調子だ。
簡単に苦戦の予想が立てられる。
ヤンクロフスキ、セルジーニョが久しぶりに出場し、カフーもスタメン。
アンチェロッティは中盤の4枚をフラットに並べる布陣で、この難を乗り切ろうとした。


前半はうまくいっていたと言っていいだろう。
ピッポが不安を吹き飛ばしてくれる”らしさ”を見せてくれて、6分にいきなり決定機を迎えると、ディフェンスラインと駆け引きを繰り返し続け、攻撃をリードしてくれた。
オフサイドの判定に異議を唱えるピッポの姿を見ることができるのはうれしい。
左サイドのヤンクロフスキとセルジーニョは、なかなかのコンビネーションを見せて、いつもとは違う攻撃の形を披露してくれた。
そして、ピルロのパスの好手であるカフーとピッポがいることで、ピルロのパスにアイデアがあった。
ディフェンスラインも、カラーゼは休みとなったが、ネスタがいれば問題ない。マルディーニが中央でプレーするのを見るのも楽しいもんだ。
いつもとはちょっと違い、それでもなかなかに機能しているミランを見ているのは楽しかった。
だが、ゴールは少し遠かった。
ロナウドの動きが重く、ボールに触る回数が少なすぎる。らしさは見せるものの、コンディション不良は明らかで、まだ話にならないプレー振りだった。


アンチェロッティは後半、ロナウドに代えてセードルフ。ネスタに代えてボネーラを投入する。
ネスタには休みが必要だし、ロナウドには期待できない。まあ、理解できる采配だった。
だが、セードルフが入ったことでピッポが孤立し、ボネーラを徹底的に狙われてミランはリズムを失った。
ピッポ、セルジーニョ、ヤンクロフスキは、90分戦う身体がまだできていなかった。
そこで63分にパロスキの投入された。そして、ミランが先制した。
苦しかった時間、先行きが怪しくなったこのゲームを、若者の一撃が救ってくれた。
そしてミランは、試合巧者らしく、カラッチのスパーセーブもあり、見事に逃げ切った。
スタメン出場した選手の意地と連勝している勢いが、運を引き寄せてくれたのだろう。
貴重な勝ち点をものにした。


これで4連勝。カカがいなくても勝った。
若手の活躍を見るのは気分のいいもんだし、なおかつ勝った。言うことはない。
そして、カラッチだ。
「終了直前のセーブで今日も2ポイント、フィオレンティーナ戦でも2ポイントを我々にプレゼントしてくれた。彼に感謝しなければならない」(ガリアーニ)。
カラッチにはオレも感謝感謝。カラッチに対する信頼感も膨らんできたし、これでジーダも奮起しないわけにはいくまい。
ゴールの番人がいいパフォーマンスを披露してくれると、やっぱり勝ち点に大きく影響してくる。
つくづく重要なポジションだと思う。
最終ラインが安定し、前線はカカではないヒーローが生まれている。
ようやく、ミランはいいサイクルに入ることができた。
フィオレンティーナも引き分けたし、流れが徐々にミランに傾きかけている。
これを続けて、強大な流れにしたいところだ。


水曜日には最後の延期ゲームが行われる。
リボルノに勝てば、目標の4位にたどり着ける。
ジラも復帰するだろう。おそらくやってくれるだろう。
勝利を続けて、戻ってくるカカとパトとガットゥーゾを迎えて、アーセナル戦を迎えたい。
これからはシーズン収穫の一番大事な時期に入る。
ケガ人も復帰し始めたし、昇り調子でこの時期を迎えられるのはいいことだ。
昨季のように、たくさん収穫してやろうじゃないか。

2008年02月18日

セリエA 23節 vsパルマ
『さあ、アーセナル戦だ』

ロナウドの負傷に見舞われた水曜日のリボルノ戦。
ドローに終わりフィオレンティーナを追い抜くチャンスを逸した以上に、チームへのショックは大きかっただろう。
オレも少なからず衝撃を受けたし、インテル時代の負傷を見たときと同じショックを受けた。
ロナウドのチームの貢献度やオレの愛情は大きくなかったが、やはり一流選手の大怪我を目の当たりにするのは気分のいいものではない。
ロナウドの復帰を、ただただ願うばかりだ。
どんなに身体が衰えようとも、決してさび付かない能力を持っている。ヤツはゴールを奪うことはできるだろう。
ここで踏ん張って立ち上がり、憧れだと話すパトやカカ、全サッカーファンの為に、必死にリハビリに取り組んでほしいものだ。
もう一度、王様ロナウドを見てみたい。


このロナウドの負傷は、ミランの戦力にも大きく影響してくる。
ストライカーへの不安は、より大きくなってしまった。
今節はカカが戻ってきたが、パトはアーセナル戦に間に合うかどうかも不明。ジラの調子は上がらず、ピッポのゴール嗅覚が確変に入るのを祈るしかない状態だ。
カカが踏ん張ってゴールを量産してくれればいいが、ちゃんと回復したのか、心配は尽きない。
ミランの前線は、少し希望が射し込むと、すぐに闇が襲ってくる。
そろそろ真夏の太陽のようなぎらぎらと輝く光が射し込んできてほしいもんだ。


さて、パルマ戦だが映像を見れてないのでなんとも言えない。
心配していたとおり得点を奪えずスコアレスドローに終わっている。
やれやれだ。せっかく4位の座に手をかけていたのに自ら手放してしまった。
まあ、フィオレンティーナとの4位争いはシーズン最後まで続くだろう。
たやすい相手ではない。ミランはスクデットを争う心もちで最後まで戦わないといけない。
オレも、あきらめずにめげずに最後まで4位争いを戦い、4位でゴールした日には盛大に祝おうと思う。


パルマ戦をコメントから想像すると
「前半は非常に恐れながら試合をしてしまった。しかし、フィジカル・コンディションの問題ではない。後半はいい熱意を持って力を見せたし、コンディションも良かったからね。プレーの大半を支配したし、終盤でも全体的に良いコンディションであることを見せるなど、力が落ちることがなかった」アンチェロッティ。
「あんな感じだった前半と違って、後半は素晴らしい試合ができた。唯一足りなかったのはゴールだった」エメルソン。
「僕らはまたフィオレンティーナを上回るチャンスを無駄にしてしまったんだ。無駄というのは特に、後半は前半よりも非常に良いプレーをしたからだよ」ネスタ。
「結果は残念だ。何度かチャンスを作れたことを考えれば、昨夜は3ポイントを持ち帰ることができたはずだからね」ジラルディーノ。


おそらく、ピルロが入った後半にはペースを取り戻し、いいサッカーができたのだろう。
だが、ゴールが決められなかったと。まあ、今シーズン多々あったゲームの1つということだ。
マルディーニの1000ゲーム出場を勝利で祝い、アーセナル戦へと弾みをつけたかったところではあるが、ロナウドの負傷のショックや、過密日程、前線の駒不足、カカの負傷あけ、様々なエクスキューズを考えると、良しとしよう。
なんと言っても重要なゲームはアーセナル戦なのだ。
ミラン得意の切り替えを発揮して、心身共にCL試用のチームへと変貌してもらわなければ。
パルマ戦は、言い方は悪いがその助走だったはず。
アーセナル戦で高く飛び立ってくれればなにも言うことはない。


さあ、アーセナル戦だ。
アーセナルはプレミアシップを首位独走中。固いディフェンス、華麗なパスワーク、アデバイヨールの得点力を武器に、今欧州の中でも旬のチームの1つだろう。
セスクを中心とした若手がのびのびと楽しそうにプレーしている姿は、見ているものを引き込むだけの魅力あるサッカーを展開している。
ベスト16で当たる相手としては、とてもハードルが高い相手だ。
だが、ディフェンディングチャンピオンとしての臨むミランは、臆する必要はまったくない。
経験値、一発勝負の強さ、そしてカカというジョーカーを持っていることは、ミランにとっての最大の強みだ。
正々堂々と正面からぶつかり、若いアーセナルに勝負の難しさの洗礼を浴びせてやればいい。
ただやはり一発勝負は怖いものだ。あのぞくぞく感がまた始まるかと思うと、背筋に一本線が走る。
それが楽しくて、酒がとても旨くなるわけだが。


面白くしようとしているのか、恐怖感をあおるようなニュースも入ってきている。
カラッチが17日の練習中に負傷し、ジーダはパルマ戦に出場していないが、ベンチで背中に痛みを感じたらしい。
フィオーリかよ。ようやくカラッチにも信頼がおけるようになったのに、GK問題は今シーズン最大のピンチを迎えることになった。
パトもセードルフも戻ってこれるかはわからない。
こんな状況を考えれば、アウェイでもあるし、1stレグはドローでも良しとするしかあるまい。
昨シーズンのユナイテッド戦1stレグのように、カカのカウンター頼みの展開になるだろう。
しっかり守ること。これがまず重要だ。
ネスタ、カラーゼ、ガットゥーゾ。この3人の活躍なしには好結果は期待できない。
特にガットゥーゾ。今シーズンは大人しすぎる。大暴れしてもらいたい。


アーセナル戦、ここを突破すれば一気にチーム力が高まる可能性がある。
昨シーズンはバイエルン戦を乗り越えたことで、チームがガラッと変わり、アテネまで登りつめた。
アーセナル戦は、今シーズン最大の山場となる決戦だ。なんとかここは乗り越えてもらいたい。
ベスト16敗退は許せない。”ぞくぞく”を2ゲームで終わらせたら承知しないよ。
カカ様、ピッポ様、お願いしますよ。

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日程・結果

6節 vsカリアリ(A) 0-0


7節 10/19 vsサンプドリア(H)

8節 10/26 vsアタランタ(A)

9節 10/29 vsシエナ(H)

10節 11/2 vsナポリ(H)

11節 11/9 vsレッチェ(A)