セリエA 17節 ミラノダービー『これが現実』 (rossonero)

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セリエA 17節 ミラノダービー
『これが現実』

また負けた。この敗戦でダービー3連敗となり、インテルとの勝ち点差は25となった。
25の差。オレには経験のない数字だ。
せめてダービーに勝って優越感に浸りたかったが、それは叶わなかった。
まいった。これが現実なんだろう。やりきれない。


クラブW杯を制し世界王者となったミランをインテルの面々が迎えるにくい演出で幕があいた今回のミラノダービー。
どんな付加価値さえも必要のないダービーに、セリエA王者であり現首位独走中のインテル対、世界王者となったミランという図式は、よりいっそうこの一戦の重みを高めてくれた。
インテルにとっては、セリエA王者となってもライバルミランに負けての栄冠では価値が薄れる。
ミランにとっては、世界王者といえど日々の生活の場で、その力を見せ付けなければならない。カンピオナートに僅かでも希望を抱くためにも、巻き返しのきっかけにするためにも、インテルに勝つことの意味はとてつもなく大きいものだった。


ミランはベストメンバー。
マルディーニとピッポを選択したアンチェロッティには、クラブW杯の勢いを大事にしようという意図が見て取れた。
インテルはベストとはいえない布陣。ケガ人が少なからずいる。
だが、見劣りするようなメンバーではなく、チームの屋台骨となっているズラタン、カンビアッソ、サネッティ、コルドバは充実している。
マンチーニは自信をもってこの日の11人を送り出しただろう。


試合が始まった。
ミランはインテルの強い圧力に根負けして、ポゼッションを上げられず、インテルに押し込まれてしまう。
しかし、これはアンチェロッティには計算の範囲内だっただろう。
守る時間は多くなりながらも、カカという武器と、ピッポの一発で攻撃の活路を見出そうとしていたはずだ。
インテルも予想通りの展開に持ち込めただろう。
選手のテンションは勝手に上がるし、マンチーニはこのゲームに向けて準備は難しくなかったはず。
なかなかゴールを割らせてはくれないだろうが、我慢して戦いしっかりとカウンターには対処するプランは、誰もが共有していた。
慎重に負けることを嫌う、ダービーらしい妥当な立ち上がりだった。


均衡は、今季珍しく少なくないミランのセットプレーが破った。
ピッポがコルドバから奪ったゴール正面のFKを、ピルロが突き刺した。
最初の我慢比べにインテルが負け、ミランにとって絵に描いたようなゲーム展開になる。
これでカウンターもより威力を発揮する。アンチェロティをはじめミラン全員がクラブの勢いと今巡ってきている運を感じただろう。
だが、今のインテルには自信がみなぎっている。
さらに圧力を強めてミランをいたぶり続けた。36分、ズラタンにネスタとカラーゼが引き付けられ、クルスに左足を振り抜かれてしまう。
僅かな隙間だった。だが、これが首位の勢いでもあるのだろう、ジーダの手をかすめネットに突き刺さった。
ミランは18分間しかリードを守れなかった。


アンチェロッティは後半頭からジラとエメルソンを投入する。
オレはこの采配は間違っていたと思う。
ジラは、身体が動けていた。ピッポではなくジラをスタメンで起用すべきだっただろう。
ポゼッションを少しでも上げるためピルロの負担を減らしたかったのだろうが、エメルソンはまったく存在感がなかった。
今季の補強は、パトを見てから判断を下せと言われるだろうが、エメルソンを見ていると、失敗だったというしかない。
後半もインテルのハイプレッシャーはとどまることなく、ピルロはダーティーに、厳しくチェックを受け続け、時間をまったく与えられなかった。
アンチェロッティは、セルジーニョを投入して、攻撃はカウンター1本に望みを託す。


だが、勝ち越しゴールはインテルに訪れた。
ジーダのミスであることは否定できない。あれは止められる。
だが、中盤でピルロがファウルまがいでボールを奪われ、そのまま決められた。
一度跳ね返したが、セルジーニョのチェックが甘く、カンビアッソに思いっきりシュートを打たせたのだからチームとして入れられた点という印象の方が大きい。
アンチェロッティの采配は悪い方向に出て、チームとしての勢いももろに出たカンビアッソの得点だった。
チーム力をまざまざと痛感させられた。


ゲームは、リードしたインテルが守る位置を下げたことでミランが攻撃する時間が多くなり、ようやくミランらしいサッカーになる。
だが、インテルの壁は厚かった。相手の手の上で転がされている気持ちにさせられた。
タイムアップ。ミランはインテルとの圧倒的な力の差を見せ付けられて、敗北した。
ミランは、3ゲーム消化が少ないといえ、12位にまで落ちてしまった。
インテルは、2位のローマに勝ち点7の差をつけて、快調に首位で2007年を終えた。
CLとクラブW杯の2つの輝かしいタイトルを取ったという実績は、「どんな敗北であっても、この幸せと笑みを消し去ることはできない」とアンチェロッティは言う。
幸福は増幅しなかったが、失われることがないのは確かだ。
だが、よわっちいボカをやっつけたところで、本物の強さを持つインテルには完膚なきまでにやられた。
このゲームで受けた衝撃は、夢から強制的に覚めさされるびんたをくらったようなものだ。


今季前半戦本格的な総括は次回に譲るとして、少しだけ。
チームには、大きな刺激が必要だろう。
「目標はリーグ戦再開から2月20日まで、できる限りの勝ち点を稼ぐこと」(アンチェロッティ)は、とっても重要で、簡単なことではない。
ロナウドは、オレの予想通りまったく仕事をしなかった。今までも期待していなかったが、この先も期待することはない。
パトには期待したい。だが、パトに望みを託せというのは無理な話だ。
「刺激=補強」アンチェロティを首にしないなら、必ず必要だろう。
ガリアーニは夏に手を抜いたせいで、また忙しい冬がやってきた。いまさらながら、あまり賢くないヤツだ。
誰でもいいとは言わないが、誰かは絶対連れて来い。


2007年もこれで終わり。この一年は不思議な年だった。
ロナウド到来に心を躍らされ、スーパーなゲームを繰り広げビックイヤーまで手にした。
スーパーカップでセビージャを下し、クラブW杯も掲げ、カカもバロンドールを受賞した。
こんなにトロフィーがミランにやってくるのも珍しい。
だが、ぜんぜん腑に落ちない。夢と現実のギャップがあまりにも大きい一年だった。
ジェットコースターに乗らされて、キャーキャー言わされ続けたような気がする。
嫌いじゃないけど、たまにだから面白い。

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