あー、負けちまったよ。
ただ、両チームともいいサッカーをしていたと思う。ゲームとして楽しかった。
トッティがいたらもっと楽しかったんだろう。皮肉ではなく少し残念だ。
確かに、ミランは勝たなきゃいけない試合で負けた。
納得なんて全然できないし、がっかりだ。
ただ、ゲームが終わって、僅かだが満たされた気がするというか、楽しめた、という部分で、気分は悪くはならなかった。
ミランが勝っていればもちろん最高だったんだが、勝利では満たされないものを得れた気がする。
トッティのいないローマ、本当にまったく別のチームだ。
「しっかり守って速く攻める」がローマのコンセプトだとは思うんだけど、トッティがいたら、「しっかり守って、トッティのファンタジーで攻める」になる。
戦術だれだれ、という言い方をよくするが、まさにローマは、戦術トッティ。
こんなに変わるということは、トッティの偉大さを証明していると思う。
守る、に関しては、メクセスとデ・ロッシの存在と、チームにある高い守備意識で、かなりのハイレベルだ。
この基盤の上に、トッティとその仲間たちが魅力的な攻撃をするローマは、本当にいいチーム、面白いチームだ。
ローマはトッティを欠いて、どう攻めてくるのか。タッディもいない。
マンシーニ1人ではどうにもならんし、ペロッタはトッティがいてこその選手。
スパレッティは、ピサロにボールを集め、シシーニョで攻めてきた。
シシーニョは、本当にいい選手だ。あの攻撃的精神は、カフーの後継者を名乗るにふさわしいよ。
カフーとの対決という見方をすれば、シシーニョの勝利だった。
なぜミランはシシーニョを取らなかったのか。オッドという妥協案で解決策を見い出したガリアーニのミスだろうね。
これは、今後数シーズン悔やむことになるだろう。癒すには、ダニエウ・アウヴェスを取るしかない。
話が脱線した。
この日のミランは、強いミランだった。やっぱり相手に攻めてもらえると、ミランはいいゲームをする。
殴られながらも、相手は得意の不意打ちパンチがないので、決定打にはならなかったし、ミランも全体の動きとしては悪くない。決定打は打ち込めないまでも、互角以上の展開を繰り広げることは出来た。
何より、ジラが完全復調したことで、攻撃に閉鎖間が生まれなくなり、フィニッシュまで行けるようになった。
確かにノーゴールだったし、ジラのシュートが1本入っていればミランは勝っただろう。
だが、PA内での強さをジラは完全に取り戻した。とても頼もしい姿が、このゲームでは見ることができたと思う。
ジラのプレーがオレを満たしてくれた要因の1つなのは間違いない。
だが、この日はセードルフとアンブロジーニが、低調だった。
カカは相変わらず高いパフォーマンスを披露してくれていたが、この2人と、やっぱりヤンクロフスキの離脱による左サイドの槍がなくなったことはつらい。
マルディーニでは、精度は期待できるが回数はさすがに期待できない。
その分カフーが頑張ってはいたけど、こちらは精度が期待できない。
両サイドが効果的に機能しなかったことで、セードルフとアンブロジーニが、不調という形で目立ったのかもしれない。
後半は完全にミランペースになっていただけに、この2人がゴール前で仕事をしてくれると本当に助かったのが。
72分、ヴチニッチに先制弾を叩き込まれた。
ジーダはそれまでまですごい気合のこもったプレーを見せていたし、大きな破綻をDF陣はきたしていなかっただけに、中にヴチニッチ1人しかいない状況で、ネスタが競り負けたのは、痛恨だった。
一瞬の隙をつかれ、ローマにはこの形しかないという形でやられた。
あそこを守り切っていれば、アンチェロッティはピッポを投入して勝負をかけていたはず。
これが今のミランのリズムということなんだろう。
そして、PK、退場。サンシーロでの1勝はどんどんハードルが高くなっている。
しかし、デ・ロッシがトッティのまねをしてPKを外した(お前には100年早い)。
こっからミランは火がついたし、かなり気持ちの入った攻勢を見せてくれた。これがオレを満たした最大の要因だ。
アンチェロッティの采配には納得がいかなかったが、(ああいう空気になったときこそピッポが必要だったはずだ)ミランの勝ちたいという強い気持ちが、おそらく今シーズン初だろう、見れたのがうれしかった。
しかし、ゴールは遠かった。ローマがよく守ったと言うべきかもしれない。
1点を奪い、勝ち点1を奪えれば、勝ったようにこのゲームを終われたのだが、そうはさせてくれなかった。
あの闘志を、ゲーム開始から見せて戦うことが出来れば。
ラスト10分でできただけに悔いが残る。
悪くはなかったし、開始から全快でいくのが難しいことはよくわかるが、今のチームのリズムと状況を考えると、そんなことは言ってられない。
やるしかないし、やらなければ勝てない。
闘え、だ。
もう勝つためには、それだけしかないだろう。
インテルとは11ポイント離され、13位だ。
とても残念な位置にいるが、シーズンはまだ長い。
まだ何かが起こるかわからないし、あきらめる必要はない。前を向かないといけない。
もう勝ち点は落とせない。そのためには、闘うしかない。
もうここからはすべてが重要なビックゲームだ。闘って、勝つ。それを続けるしかない。