アンチェロッティのプラン
今シーズン、これまでになく積極的に採用しているターンオーバーは、公式戦6連勝を飾った原因とも言えるかもしれないが、週に2ゲームをこなさなければいけない現状で、年齢の高い選手が多く、W杯とCL予備予選の影響で十分な休暇もとれなかった選手も多い中で、いたしかたなくターンオーバーを採用するしかない、という現実もあった。
だが、ここまではインザーギの好調もあって、勝利を積み重ねてきたことで、サイクルがうまく回り始め、アスコリ戦でも苦戦を強いられたが、勝ち点3を持ち帰ることができ、ポジティブな空気をチームに持ち込むことができはじめていた。
勝ち点は極力落としたくない、というのがアンチェロッティの本音だ。-8ポイントからスタートしたミランは、早々にこのハンデを取り返して、上位に顔を出さなければいけない。選手のモチベーションやクラブの雰囲気を考えても、スクデットを視野に入れてシーズンを戦わなければ、燃え上がる闘志はわいてこなくなってしまう。ミランというクラブの宿命であり、避けられない現実だ。
チームをまとめる最高の手段は、勝ち続けることで、ゲーム内容は、その後についてくるものだと思っているはずだ。
アンチェロッティは、結果を出すために、それも続けて出すために、最善の策をとらなくてはいけない。それが、ターンオーバーだった。
選手層
カカとピルロ。この2人は、今のミランのサッカーをする上ではどうしても代えが利かない選手だ。そして、インザーギとカフーとガットゥーゾも欠かせない。
ターンオーバーを採用するにしても、彼らがピッチに立っていればミランのサッカーはできる、が、そうもいかない。
彼らに代わって他の選手を起用した場合、ミランのリズムは極端に生まれにくくなる。
このゲームはそれが顕著だった。ボールを配給するピルロ、サイドを何度も駆け上がれるカフーを欠き、ミランの攻撃は中央ばかり集中し、サイド攻撃は皆無になる。
アンブロジーニ、ボネーラにそれを期待するのは酷だ。
脱・シェバ
悪いときのミランの登場だ。インザーギのスペースは完全につぶされ、カカのシュートは枠を外れていくばかり。セードルフは中央で一か八かのパスばかりを狙い、攻撃に停滞感が漂ってくる。次第にボールの奪われ方も悪くなり、カウンターをあびせられる。
今まで、こんな嫌な雰囲気を打破してくれていたのは、やっぱりシェバだった。言いたくはないが、彼の個の力によるところは、大きかった。
その7番を背負ったオリベイラは、このゲームではさっぱり存在感を見せていない。ほとんどの時間ゲームから消えていた。スペースを完全に封じられた中で、工夫も足りなかったし、一瞬の隙を狙う動きもなかった。相手に与える恐怖感という面でもかなりの差がある。
オリベイラの評価を下すのは、もう少し先にしたいとは思うけど・・・
解決法
0-0で終わってよかった、負けなくてよかった、というゲームだった。リボルノの健闘も称えるべきだが、それ以上にミランの攻撃の単調さが目に付いた。
マルディーニの怪我でケチがつきはじめ、うまく隠していた課題が、ついにあらわれてしまった。
この課題は、今シーズン中は付きまとっていく問題だと思う。簡単に解消できるものではなく、アンチェロッティがどうにかできる問題でもないと思う。
だから、いかにこの課題を表に出さないかが、重要だ。
セットプレーで点をとる。個人の力でゴールをこじ開ける。この2つが必要不可欠であり、、解決法といえるだろう。
そして、それを背負うのは、カカ、ということになってくる。
個人で黙らせる。それができるのは、その期待を背負わなければいけないのは、やはりカカしかいない。このゲームでも、カカがシュートを決めていれば・・・ ということだ。
カカのできが、今シーズンのミランの順位を、直接あらわすことになると思う。