セリエA第10節ユヴェントス戦に次ぐ、今期ベストゲームといえる内容ではなかったか。
サンシーロにバイエルンを迎えての2nd.legは、ゲーム開始からバイエルンを圧倒し、4-1で勝利を収め、ベスト8へと勝ち上がった。
先制点は今絶好調のインザーギによってもたらされた。8分、セルジーニョの完璧なクロスを、冷静に頭で逆サイドへ流し込み、最高の雰囲気をサンシーロに作り出して、このゲームを迎えたミラニスタに、早くも歓喜がおとずれる。その後も完全にミランが主導権を握り、バイエルンのゴール前に何度となく迫り続ける。
PKを外してしまったシェフチェンコが、追加点を奪い2-0。かなり有利な状況に立ったと思ったが、35分、シュバインシュタイガーの撃ったFKは、強烈かつ変化して、ジーダのファンブルを誘い、イスマエルが押し込み1点を返す。2-2にされるとアウェーゴールでバイエルンの勝ち上がりとなるため、ミランの選手、ベンチ共に緊張感が走る。
昨シーズンの悪夢を思い出したかもしれない。
しかし、後半が始まって2分、インザーギがこの日2点目となるゴ-ルをバイエルンから奪い、ミランはまた2点差をつける。このゴールが大きかった。バイエルンはリスクを負ってでも点を取りに行くしかなくなり、リザラスに変えてゼ・ロベルトを投入して、攻撃的な布陣にするが、ミランディフェンスを前に効果的な攻撃を仕掛けることができない。
59分、シェフチェンコのパスからカカが抜け出し、カーンをぶち破る豪快なシュートを突き刺し、決定的な4点目を奪い、勝負を決めた。
バイエルンの攻撃に対し、ミランディフェンスはミドルシュートとセットプレーさえ注意すればよく、ジーダ、ネスタを中心に、最後まで集中力を切らさず、危なげなく守りきった。
完璧なゲーム運びだった。相手のミスもあったが、効果的に得点を上げ、要注意プレーヤーバラックには、ほとんど仕事をさせなかった。
このゲームでは、まず中盤のディフェンスが素晴らしかったと思う。ピルロ、セードルフ、フォーゲルは、激しく、しつこいプレスを掛け続け、相手に自由を与えず、ミスを誘ってボールを奪い、早い攻撃を仕掛けることによって、完全にミランのペースでゲームが進んだ。
最終ラインのネスタとカラーゼも、バイエルンのFWが裏を狙ってこなかったので、前で守備をすることができ、クロスに対して競り負けず、ミドルシュートにも体を張ってコースを切り、決定的な場面を作られることはなく、安定して守りきった。
インザーギの2ゴールをアシストしたセルジーニョは、左サイドをスピードを生かして突破し、クロスをピンポイントで合わせて、勝利に大きく貢献した。
前線のシェフチェンコ、インザーギ、カカのトライアングルは揃ってゴールを上げる活躍。なかでもインザーギは、ゴール前で最も危険なプレーヤーで、僅かなスキも見逃さずゴールへと結び付けてくれる。バイエルンのディフェンダーは彼を抑えることはできなかった。今のインザーギを90分間押さえ込むのは、どのチームでも無理かもしれない。
ビックイヤー獲得に向け、大きな壁を乗り越えベスト8に勝ち上がったミラン。バイエルンを倒したシーズンはビックイヤーを獲得しているというジンクスも手に入れた。
ゲーム内容も素晴らしく、今後の戦いに大きな希望を持たせるものとなった。パリまで勝ち上がり、昨シーズンの雪辱を晴らして、ビックイヤーを掲げることができるのか。10日に行なわれるドロ-はとても楽しみだ。バルセロナとイタリア勢だけは避けたい。