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   <title>むらさき</title>
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   <title>天皇杯 5回戦 vs川崎完勝だぜ</title>
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   <published>2008-11-15T15:00:00Z</published>
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   <summary>広島の完勝だったことは、自信を持って言える。 2-0いうスコアもさることながら、...</summary>
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      広島の完勝だったことは、自信を持って言える。
2-0いうスコアもさることながら、内容も広島が完全に上回っていた。
得点シーンも美しいの一言だ。
特に1点目は、後方からのポゼッションで川崎のプレスを交わすと、陽介のサイドチェンジが攻撃を加速させ、服部のクロスに4人がゴール前に飛び込んで奪い取った。
今季積み上げてきたサッカーの集大成ともいえる形だ。選手たちのイメージがシンクロし、確かな技術が加わった『これが広島のサッカー』言わんばかりのゴールだった。


川崎の前線はさすがに脅威だった。
20分のシーンがその象徴だ。森脇が攻め上がったがボールを奪われ、一瞬でジュニーニョがストヤノフを置いていった。
広島のミスから始まったが、あの速さと精度は間違いなくJ1トップレベルのものだ。
ただ、昭大のビックセーブがゴールを許さなかった。この20分のシーンがまず最初の勝敗を分けたポイントだと思う。
もしここで失点を食らっていれば優勢に進めていた試合の流れは大きく変わり、昨季のように「美しく散った」可能性は大いにあった。


そして次のポイントは後半の頭だ。
前半の広島は1点では足りない数のチャンスを迎えていたにもかかわらず、1点で終えてしまっていた。
後半はその代償を払うことになる。そして川崎もがむしゃらに点をとりにくるだろう。
後半の立ち上がりはとにかく重要だった。
しかし、選手たちも十分注意していたはずだが、1分もたたないうちにレナチーニョに決定的なシュートを浴びてしまう。
だが、ここでも昭大のビックセーブが飛び出した。もしここで同点に追いつかれていれば、川崎に畳みかけられていた可能性は大きい。昭大のセーブは本当に大きかった。
その後10分間で10本のシュートを浴びる猛攻にあったが、しのぎ切れたのはチームの成長の証。チーム全員でこの10分間を我慢できたことが、浩司の2点目につながったのは言うまでもない。


押し込まれてしまった時間帯もあったし、判断のミスもあった。まだまだ課題はあるし、運があったことも間違いない。
だが、広島はいつものサッカーで川崎を下した。このことに大きな価値がある。
運動量で圧倒し流麗な攻撃で相手を翻弄する広島のサッカーは、川崎を相手にもすべてを出せたし、出すことができれば凌駕できることも示せた。
中村憲剛の不在は川崎に大きなアドバンテージを背負わせただろう。そして、川島と寺田の不在も大きく響いていたことは、あの連携不足を見れば明らかだ。
だがこの勝利は、そんなものでくすまない輝きを放っていた。
希望に満ちた、素晴らしい勝利だった。


もう、「J2のチーム」と見られることないだろう。
「元旦を目指す」と言っても誰も笑いはしないだろう。
準々決勝の相手は柏になったが、まったく恐れることはない。
今年はカップを掲げようじゃないか―。
今年もまた、長い一年になりそうだ。
      
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   <title>J2 42節 vs仙台川崎戦に必要なこと</title>
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   <published>2008-11-09T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-11-10T07:57:01Z</updated>
   
   <summary>仙台の闘志は素晴らしかった。 昇格に向け邁進しているチームにふさわしいテンション...</summary>
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      仙台の闘志は素晴らしかった。
昇格に向け邁進しているチームにふさわしいテンションで試合に臨み、広島から何としても勝ち点を奪おうと、手段を選ばずに一体となってしゃにむにファイトしていた仙台は、勝ち点を得るに値する戦いをしたと思う。
広島にはもう縁のないシーズン終盤のヒリヒリを、敵ながら感じさせてくれただけでも、僕はありがたかった。
仙台は、残り3試合もこの一体感とこの闘志で臨めば、いい結果が得られるのではないだろうか。
結局仙台には一度も勝てなかったが、それは今後の楽しみにとっておくことにしよう。


それにしても、清水はいいものを持っていると思う。
出場時間は10分しかなかったのに、最後に見せ場を作った。
楽山もいいボールを蹴ったし、槙野もいいおとりになったが、あの時間にあの決定打を放てる清水には、とても魅力を感じる。
もちろん決めてほしかったし、今の状況だから決めなくてもこうやって賛辞を送れるわけだ。
ただ、次回も存分に期待できるものを清水は残した。なかなかできることじゃないと思うし、今の姿勢を忘れず次はぜひ決めてもらいたい。


試合だが、この試合は翌週の川崎戦に向けてよきスパーリングパートナーになったのではないだろうか。
システムは1トップとも3トップともいえる布陣で、川崎の前線の形と似ていたし、個人能力は雲泥の差があるが、前線から激しいプレッシャーを続けた前半の仙台は、攻守においてかなり高いレベルだったと思う。
その時間帯に、広島はアタフタした時間もあったし、リズムを作り出せなかった。
川崎戦はあのプレシャーの中で90分を戦わなくてはいけない。
できた部分もあったしできない部分もあったこの試合をよく振り返って、翌週に向けて準備してもらいたい。


また、決めるところで決めないと勝てない、課題を再確認させられた。1得点ではあまりに不十分なほどチャンスはたくさんあった。
どんな形でもゴールを奪ってスコアを動かさないと、自ら首を絞めることになるのは、いまさら言うことでもない。いいリズムの時間帯ならばなおさらだ。
川崎はこれほどチャンスを与えてくれないだろうし、広島の攻撃陣だからチャンスは絶対できると思うが、決められなければ大きなしっぺ返しを食らう。
再チャレンジを許してもらえるほど甘い相手でもない。「これを決めなければ後がない」くらいの集中力をゴール前で発揮し、とにかくネットを揺らしてもらいたい。


綺麗な形でなくてもいいし、ファインゴールでなくてもいい。チーム全体としても個人としても、純粋にボールをゴールに入れることをもっと強く意識する必要があると思う。
清水に新鮮な魅力を感じるのは、彼がまずゴールに向かってプレーしているからではないだろうか。一瞬に全力を注ぎこんでいるからではないだろうか。
川崎戦では、J2絶対王者の華美な広島ではなく、J1への挑戦者として泥臭く立ち向かう広島の姿を見せてもらいたいと思う。


川崎戦は、寿人が出場できないのは何とも残念だが、非常に楽しみだ。
新しい可能性を垣間見ることができればと、期待している。
      
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   <title>J2 41節 vs鳥栖広島祭りで鳥栖に引導を渡す</title>
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   <published>2008-10-25T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-10-27T08:04:09Z</updated>
   
   <summary>鳥栖にとっては非常につらい試合になった。 「今の力はスコア通り」と試合後に話した...</summary>
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      鳥栖にとっては非常につらい試合になった。
「今の力はスコア通り」と試合後に話した岸野監督の言葉は、偽らざる本音だろう。
後半の祭りは、昇格を目指す鳥栖に厳しい現実を突きつけた。


一誠をボランチに、森脇を右サイドに配した前半の広島は、あまり良くなかった。
全体的に運動量が少ないためテンポよくパスがつながらず、鳥栖にポゼッションを許す時間も多く、「いつもの広島」とは程遠い出来だった。
だが後半、一誠と陽介が退き青山と楽山が入ったことで、広島はいつもの姿に戻る。
ペトロヴィッチ監督が「3人分の運動量がある」と称える青山がピッチに立ったことで、前半とは見違えるチームになったのだ。
一誠には残酷だが、青山との差が如実に表れたとしかいうしかない。


55分に森脇が復活を高らかに宣言する先制点をCKからもぎ取ると、浩司が立て続けに得点を奪い、あっという間に試合を決めた。
鳥栖は、ペースを握っていた前半に先制できなかったことが大きく響き、先制されると立ち向かう術をなくしてしまい、砕け散った。
その後は、67分にルーキー清水がピッチに立つと、4分後に寿人のワンツーから鮮烈なデビュー戦ゴールを飾り、寿人がとりを務めてゴールショーは幕を降ろした。
広島の強さがこのゲームでもしっかりと証明された試合だった。


この敗戦で、鳥栖の昇格は風前の灯となった。残酷な点差と内容であったことも、その印象を強める。
だが、これでよかったのだと思う。
広島は来季J1を戦う。J1の力を今しっかりと感じることができ、完膚なきまでに打ちのめされたのだから、鳥栖にはまだJ1ははやいということを示しているのではないか。
この悔しさを糧に、来季こそ頑張ってもらいたい。


広島にとって今節は収穫の多い一戦だった。
ルーキー清水が奪ったデビュー戦ゴールは、今後さらなる飛躍へと導いてくれるだろう。
また若き才能が広島に台頭してきた。これからが非常に楽しみだ。
森脇良太の復活もとても大きい。
指揮官は常々森脇の負傷離脱を悔やんでいた。ディフェンダーとしてのプレーぶりはもちろん、森脇の積極的な姿勢やパーソナリティをペトロヴィッチ監督は非常に高く評価していたのだ。
その森脇が復活してくれたことは、次週に控える天皇杯、そして来季への大きなプラス材料になる。
苦しい時期を乗り越えて祭りの主役となった森脇と清水には、「おめでとう」といいたい。


4試合を残して勝ち点は90の大台に乗り、勝ち点100も現実的な数字として見えてきた。得点100も可能性のない数字ではない。
最後までしっかりと戦い抜き、勲章を1つでも多く携えてJ1に殴りこみたいところだ。
過去を振り返る時に、J2最強のチームは広島であったと言われるのは、気持ちの悪いことではない。


さて、次週は天皇杯だ。久しぶりのJ1との対戦はとても興味をそそられる。
相手となる東京Vは残留争いの真っ只中におり、どんなモチベーションで戦ってくるかはわからないが、そんなことを有無も言わせないほど叩きのめしてもらいたい。
今のこの強さがフロックではない確証が、どうしてもほしいと思っているのは僕だけではないはずだ。
東京Vを叩けないようでは、来季は苦しいということでもある。
必ず勝って、元旦へ駒を1つ進めてもらいたい。
2年連続であそこへ行くのも悪くないよ。
今年はさまざまなところをドサ回りしてきたのだから、最後にひのき舞台に上がるご褒美があってもいいだろう？
      
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   <title>J2 39節 vs湘南来季が楽しみだ</title>
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   <published>2008-10-04T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-10-05T10:35:06Z</updated>
   
   <summary>この日広島に訪れた挑戦者は、昇格争い渦中の2位、湘南だった。 広島も試合後に優勝...</summary>
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      この日広島に訪れた挑戦者は、昇格争い渦中の2位、湘南だった。
広島も試合後に優勝セレモニーを控えており勝たなければならない一戦ではあったが、湘南は「生きるか死ぬか」の境遇にいる。どう考えても向かってくるだろう。
そう思っていた。僕は勝ちにくる湘南を期待していた。
2位であることに敬意を払い、湘南の闘志に広島は気合負けしないだろうかと、そんな危惧を抱えて僕はこの一戦を迎えた。


だが、なんだったのだろう、あの湘南の姿は。
レギュラーボランチ2人がおらずトゥットらけが人が出ている台所事情は察するが、あまりにも腰の引いた戦いをしてくれた。
まさか専守防衛を掲げて勝点3を放棄して臨んでくるとは、信じられなかった。
拍子抜けというか、ガッカリだ。勝利に向けて戦っていたのは、間違いなく優勝を決めた広島だったろう。


試合は広島のポゼッションサッカーがピッチを支配し、湘南が亀のように自軍に閉じこもった展開が繰り広げられる。
「広島はせこい」とプラカードを掲げてストライキでも起こさんばかりに、湘南は立て籠もった。
2位のチームが、昇格争いをしているチームが、やるべき戦い方だっただろうか。
「1トップは広島に対してどのチームもやっていること。15人いればはめられた」と、とんちんかんなことを話した菅野監督には、失望した。


そんな試合を捨てているチームを、広島がきっちり叩いてくれたことがうれしい。
我慢の展開にはなったが、だからこそチームの成長をしっかりと感じることができた。
66分の得点は、ほんと広島が見事だったと言うしかない。
サイドを大きく揺さぶり、ダイレクトパスを中央で4本もつなげてゴールをこじ開けた。リベロのイリヤンが絡み、シンが素晴らしい動きをしたのだから、湘南に非はない。
美しかった。ペトロヴィッチサッカーの真骨頂ともいえるゴールだろう。
そして、3分後には浩司のミドルがネットを揺らし、試合の幕を下ろした。
同じリーグにいるのが信じられないくらい、格の違った試合だった。
広島は、強者だった。


それにしても、来季がとても楽しみだ。
ペトロヴィッチサッカーは細部まで浸透し、成熟度をどんどん増している。
シンや一誠も今節は活躍したし、陽介やアオや洋次郎やマキたちが、どんな対決を来季J1で繰り広げてくれるだろうかと思うと、はやく来季が来てほしいと思う。
J1の舞台こそ、彼らの本当の勝負になる。
いろんなことがあるだろうが、今は期待が膨らむばかりだ。
残り5試合は、来季に向けてさらに膨らませてもらいたいと思う。
勝点100や得点100も達成してほしいし、こうなれば勲章を1つでも多く携えてJ1に殴りこみたい。
そして、相手の姿勢もこの日とは違ったものであることを期待したい。
      
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   <title>J2 38節 vsC大阪圧勝を勝ち取った指揮官</title>
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   <published>2008-09-28T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-09-30T06:43:22Z</updated>
   
   <summary>『優勝』いい響きだ。 J2という文字が付いてくるわけだが、それは無視すればいい。...</summary>
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      『優勝』いい響きだ。
J2という文字が付いてくるわけだが、それは無視すればいい。
ゼロックスと合わせて2冠となった今季は、パーフェクトなシーズンだった。
今後は天皇杯をじっくりと楽しみたいと思う。


優勝後にペトロヴィッチ監督は、「この結果を見れば、選手たちを褒めるしかない。我々がやり遂げたことは奇跡のような結果だ」と誇った。
おっしゃるとおりだと思う。
選手ももちろんだが、ペトロヴィッチ監督はこの一年間、素晴らしい仕事をした。


今だからあかせることだが、僕は宮崎キャンプを見て「ペトロヴィッチ監督を一刻も早くやめさせなければ」と思っていた。キャンプはそれほどボロボロに映った。
だが、ゼロックス優勝でその流れは180度変わった。今でもゼロックスのトロフィーがなければ、このシーズンはどうなっていただろうと思う。
大きな大きな転機だった。
そういう意味では、今季久保が果たした役割はでかい。


その後、ペトロヴィッチ監督はとにかく我慢強く、結果にこだわって戦った。
攻撃的な姿勢を打ち出して指針を示し、対話により選手たちの心をつかんで、時にははっぱをかけ、苦しい時だからこそ団結することの大事さをしつこいほど説き、一度も立ち止まることなく乱れることなくシーズンを駆け抜けた。


昨年と比較して、ペトロヴィッチ監督は柔軟になったと思う。
システムにはこだわるし、久保の起用法など難癖をつけたくなる時も多々あるが、選択理由が勝利最優先であったことは間違いない。
選手のモチベーションをうまく保ち、練習から全選手に高いレベルで取り組むことを求めて、選手層を拡大していった。
監督の求める要求の高さに、選手も切磋琢磨してたくましくなっていった。結城や楽山の獲得など、フロントの迅速な動きも効果的だった。
選手起用が柔軟になったのも、選手層が拡大し選択肢が広がったからだと思う。
今年は、去年のように12~13人のグループで戦うのではなく、常に18~20人のグループで戦えた。そして、チームが勝つためにみんなが戦っていた。
ペトロヴィッチ監督は、とてもいいグループを作って歩んでいったと思う。


ペトロヴィッチ監督の個性も、非常に光った。
かなり我慢強い人だ。僕は基本的に我慢強くない人間だから、ちょっと理解できないくらい我慢強い。
そして、オレ流はまげない。
ただ、この我慢強さと信念が究極の絶品を生み出した。
いま、破壊力とエンターテイメント性を兼ね備えてJ2を席巻している1トップ2シャドーは、ペトロヴィッチ監督だからこそ生み出せた一品ではないかと思う。


いつも読んでくれている方ならわかると思うが、僕は「ゴールを奪う本職のFWを起用せよ」と、これでもかと書いてきた。
ただ、ペトロヴィッチ監督は、これでもかと起用しなかった。
龍一や久保を起用していたら、もっと楽に勝てたゲームは少なからずあったと思う。
ただペトロヴィッチ監督は、シュートが入らない、もしくは打たない、洋次郎たちを起用し続けた。
練習でつねにゴールを強く意識させ、シュートが入るようになる日まで、我慢したのだ。


その結果が今に表れている。素晴らしいとしか言いようがない。
ペトロヴィッチ監督の我慢がなければ、洋次郎はここまで台頭していなかっただろう（13点も奪うなんて考えていた人はいるのだろうか）。陽介も、監督の我慢がなければコンディションは上がってこなかったのではないだろうか。
その裏には浩司やカズのチームプレー精神があるのだが、その精神を説いたのも監督なのだ。
ペトロヴィッチ監督が手塩にかけて作り上げた1トップ2シャドーに、僕は魅了されてしまっている。


また、指揮官として「勝負勘」がペトロヴィッチ監督に欠けているところだと、今でも僕は思う。
そして、勝負勘こそがプロの監督に最も必要なものだと思っている。
ただ、他にもさまざまな能力が必要なのだと、ペトロヴィッチ監督が持っている我慢だったり人望だったり、信念へのこだわりや理想が、とても重要な能力なのだと、教えてもらった。
勝負勘に優れた指揮官ならば、目先の1勝を拾ってくれるだろう。ただ、ここまでのサッカーを作り上げることはできなかったと思うし、ここまでの圧勝もなかったのではないか。
正直、「こだわり」という言葉が僕は嫌いで、必要ないものだと、現実を直視してなんぼだと、思っていた。だが、少し変わったような気がする。
今は、ペトロヴィッチ監督の作り上げたチームが、J1でどれだけ通用するのか楽しみでしょうがない。


ペトロヴィッチ監督には、まずお疲れさまと言いたい。
勝たなければ、戻らなければならない、すごい重圧で過ごした難しいシーズンだった。
それをペトロヴィッチ監督は、オレ流を貫き成し遂げた。
本当にすごいことだ。
ただ、願わくばペトロヴィッチ監督には、来季こそもっともっと楽しませてほしい。
来年は今書いたことが嘘のように不満が噴出してくるかもしれない。
でも、ペトロヴィッチ監督の信念は間違っておらず、貫き通す我慢があるのだとわかった。そして、それを信じていったら楽しませてくれるのではないかという期待を、今は持てるようになった。


来年が、ほんと楽しみでしょうがない。
      
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   <title>J2 37節 vs愛媛広島はJ1だ</title>
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   <published>2008-09-23T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-09-25T14:08:53Z</updated>
   
   <summary>試合前日から、僕の気分はいつもと違った。 取材を終えビッグアーチを後にしようとし...</summary>
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      試合前日から、僕の気分はいつもと違った。
取材を終えビッグアーチを後にしようとした時、12月8日の記憶が自然と浮かんできた。
槙野のシュートがポストをかすめる。
タイムアップの笛と同時に、あまりにも残酷な現実が襲ってくる。
選手の、寿人の流す涙。
久保社長（現会長）とサポーターの怒号。
怒りと悲しみがあいまったあの日は、決して忘れることはできない。


降格が決定してから9月23日までの290日間は、いろいろあった。
ペトロヴィッチ監督の残留。天皇杯決勝。本谷社長の就任。駒野の移籍と久保の復帰。ゼロックス優勝。
そして開幕してからは、ピリピリとした重圧に包まれるなか、浮き沈みはあったものの勝利を積み上げていった。一度も首位を譲らず、圧倒的に勝ち進んだ。
良いことと悪いことを比較するならば、圧倒的に良いことの方が多かったような気がする。
だが、そのすべてがどこかむなしかった。
「勝って当たり前」心から勝利を喜び、爆発させることができなかった。
負けても、怒りが沸点に来ず笑っていられる自分がいた。
「J2」の現実が、どんな出来事に対しても、素直にさせてくれなかった。


この日、昇格は決まるだろうと思っていた。どんどんビッグアーチに詰めかけてくる人たち見て、気持ちがさらに高まった。
ピークに達したのは選手入場の時だ。すごかった。
まさにむらさき一色に埋め尽くされたスタンドを見て、「これは決まる」確信に変わった。
キックオフ。硬さも見えた広島だが徐々にエンジンがかかり始める。
寿人が昇格への扉を開くと、公太がとんでもなく美しいゴールを突き刺した。
あとはもう時間を待つだけ。広島のゴールを見届け、祭りを楽しむだけだった。
浩司がインターセプトから独走し3点目を奪う。4点目はアオが決めた。


歓喜のホイッスルが鳴る。
花火が打ち上がり、スタンドから紙テープが投げ入れられる。ビッグアーチは喜びを爆発させた。
選手それぞれが喜びを体いっぱいに表現する。
12月8日。あの日の涙は、笑顔に変わった。


降格からの290日間は、あっという間だったのではないだろうか。
【ALL FOR J1】と掲げられたスローガンの下、「勝たなければ、戻らなければ」クラブも選手もサポーターも、それだけを頭に走り続けた。
結果を見れば圧巻の成績だが、1つ1つの試合が重圧のかかった勝負だったと思う。
プレッシャーのなか戦った選手たちは、J2なのに今まで以上の人数とパワーで支えたサポーターの力と共に、たくましく、うるおしく、そして楽しく、勝利を重ねていった。


正直、こんなに昇格決定を喜べるとは思っていなかった。
だが、握手握手を繰り返すたび、喜びが体の底からこみあげてきた。
J2の呪縛がとりはらうことができた。それが何よりうれしい。
これからはなににも卑屈になることはない。広島はJ1だ。声を高らかに叫びたい。
ふさわしい場所に帰る。またトップレベルで競い合うことができる。
いや競うだけではなく、もっと上を目指すことができる。上は、限りない。


まだここは到達点でもゴールでも何でもない。
選手たちはみな「スタート」と言っていた。その通りだと思う。
ここで歩みを止めず、どんどん登っていきたい。いや、登らなければならない。


12月8日の悔しさは、まだ誰も忘れていないはずだ。
本当に忘れることができるのは、まだ先のことだろう。
「J2に降格してよかった」なんてことを言えるのは、まだまだ上に到達してからだ。
そして、この日の歓喜もみんな忘れることはないだろう。
こんなにうれしいことはない。ぜひまた味わいたい。
そのためにも、広島はまだまだ走り続けなければならない。


この結果を勝ち取り、歓喜を迎えることができたのは、みんなの力が結晶したからだと思う。
監督が示したサッカーを、選手は団結してやり遂げた。
寿人や森崎兄弟を中心に一度もまとまりを欠くことなく、誰もが勝利のために、時には自分を押し殺して戦った。
フロントも迅速に的確に動いた。
ユキッチとダバツの外国人補強は失敗に終わったが、結城の加入は大きかったし、ペトロヴィッチ監督の続投は、大正解に終わった。
サポーターも、常に精一杯の声援を送った。
僕が特に忘れられないのは4節の水戸戦だ。ロスタイムの森脇の同点ゴールは、絶対サポーターが呼び寄せたものだと思う。
みんなが一体となり1つの目標に向かって戦ったからこそ、9月23日の歓喜が訪れたのだ。


みんなで歩けば怖くない ―
みんなで共に、上まで歩いていきたい。
      
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   <title>J2 36節 vs横浜FC祭りのあと</title>
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   <published>2008-09-20T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-09-22T13:02:33Z</updated>
   
   <summary>4試合続けて大量点を重ねて見事なラストスパートを見せていた広島だが、5試合目でつ...</summary>
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      4試合続けて大量点を重ねて見事なラストスパートを見せていた広島だが、5試合目でつまづいてしまった。
昇格を目の前にしながら、勢いを削ぐような「祭りのあと」がやってきてしまったのは、残念でならない。
相手も確かによかったとは思うが、何でこんなゲームをしてしまったんだろうか。


やっぱり気の緩みは少なからずあったと思う。
いや、気の緩みもだろうが、むしろ昇格へのプレッシャーが大きかったのかもしれない。
運動量、とくにシャドーの動きが少なく、横浜FCのまぁそこそこのプレスにリズムを狂わされてしまった。
運動量がなければ広島のサッカーが機能不全に陥ることは、監督はもちろん、選手も十分理解している。
だが、それが足りなかった。
疲労の蓄積など体の問題もあるだろうが、走れなかった理由は「気持ち」の問題の方が大きかったと思う。


ただ緩んでいたのは、選手たち現場だけではなく、クラブを取り巻く全員がそうだったと思う。
舐めていたところもあったと思うし、誰もが緊張感に欠けていた。
（僕も間違いなく勝つだろうと、完全に緊張感を失っていた）
そのしっぺ返しが来たのだろう。サッカーはそんなに甘いもんじゃない。
ただ、もう一度みんなが目を覚ます機会になればいい。
昇格は手の中にある。あとはつかみ取るだけだ。
次節愛媛戦での昇格の可能性は残ったわけだし、負けたわけでない。
まず勝つことに集中して全力を傾け、歓喜を待とうではないか。


それにしても、広島の悪いところがこんなに出た試合は、久しぶりだった。
シュートを15本も打たれているとは、正直驚いてしまった。
忘れがちになっていた欠点やウィークポイントを、横浜FCは思い出させてくれたのではないか。


とくに気になったことを挙げてみようと思う。
やはり、サイドで数的不利を作られると厳しい展開になってしまうことだ。
この日、ハンジェの右サイドは完全に横浜FCに主導権を奪われた。
大きく崩されてはいないが、クロスを放り込まれてしまうことで最終ラインが下がってしまい、セカンドボールを相手に拾われて押し込まれる、悪循環の時間帯が長くなってしまった。


3バックの横、サイドMFの後ろのスペースは、このシステムの泣き所でもある。
わかっていたことではあるが、そこを突かれるとどうしても厳しい展開が待ち受けるのだ。
個の技術で上回っても、どうしようもないところでもある。
31節・甲府戦もここを徹底的に突かれ、バランスをズタズタに崩れてしまった。
相手のサイドに強烈な選手がいないから、またはハンジェや公太が攻撃で先手を取っていたから、この問題は表面化してこなかったが、やはり弱点である。
このウィークポイントをどうするのか、来年以降はきっちり答えを出して修正しておかないと、浅くはない傷を負うことになるだろう。


とはいえ、この問題は現状のリーグで、次節の相手愛媛と戦うのには、大きな問題にはならない。
次節の勝敗の分かれ目は、ゴールだろう。
昇格が決まる試合は、やはり1点が重くなる。先制点はもちろん、2点目を奪うにはいつも以上の圧力がかかる。
横浜でも、寿人は1点しか取れなかったし、自信に満ちていた陽介と浩司は仕事をしていないのだ。
この一戦でこそ、ゴールをバンバン叩きこんで、力を存分に証明してもらいたい。


2007年12月8日、入れ替え戦で敗れてから2008年9月23日まで、広島は屈辱の290日間を過ごしてきた。
天皇杯決勝。ゼロックス獲得。J2独走。素晴らしい出来事が霞んで見えた。
ようやく靄を消すことができる日が来たんだ。
もちろん、あの悔しさはJ1復帰なんかで埋まるものではない。
ただ、23日は喜びを爆発させたいと思う。
相手次第でもあるから叶わないかもしれない。大阪で決まることになるかもしれない。
それは仕方ない。
ただ、いやだからこそ、23日は絶対にいいゲームをして勝たないといけない試合だ。
祭りにしないと、絶対にいけない。
      
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   <title>J2 35節 vs山形おめでとう、ありがとう、寿人</title>
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   <published>2008-09-14T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-09-15T15:14:19Z</updated>
   
   <summary>強い。 広島は今節も4ゴールを奪い、格の違いを見せつけた。 こんなに大量点が続く...</summary>
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      強い。
広島は今節も4ゴールを奪い、格の違いを見せつけた。
こんなに大量点が続くことは、どんなにレベルの違いがあってもそう起こることではないだが、それほど「強い」というしかないね。
相手のストロングポイントと今の広島を照らし合わせ、どうにか試合の見どころを探り、危ない個所を煽ろうと躍起になっても、今の広島には無駄な作業のようだ。
山形の特徴は、まず堅守。そして長谷川と豊田を擁する強烈な前線。あとは、（特に左サイドの）サイド攻撃の上手さだった。
だがそんなもの、見事に蹴散らした。


山形にとってのこの試合は、ミスから先制点を許し、狙い通りの同点のチャンスをビックセーブで止められ、その直後にセットプレーで突き放された、非常に悔いの残るゲームだと思う。
「もし」や「たら」や「れば」を、限りなく言いたくなるゲームだろう。
だが、僕はそこに広島の強さがあるのだろうと思う。


試合の勝敗を分けるのは、「なんだかんだいってゴール前」これが僕の持論だ。
何10回のチャンスも、ピンチも、サッカーでは時にまったく無意味。
逆に、チャンスは相手を奮い立たせ、ピンチは味方の栄養になることもある。
中盤の選手が走り回って試合を有利に進めても、サイドの選手が主導権を取り局面で勝っても、ゴールが、ゴール前がもたらす試合への影響力は、追随を許すものはないんだ。


この試合、寿人はチームの流れがよくないなかで、ワンチャンスをゴールに結びつけた。GK清水はボールに触れはしたものの、枠の外にははじき出すことはできなかった。
逆に山形のストライカー長谷川は、チームが作り出した絶好のチャンスを、昭大に阻まれ、決められなかった。
些細な差と言えばそうだろう。運不運と言ってしまえばそれまでだ。
だが、勝負はここで決まってしまうんだよね。
山形が広島より優れている部分は少なからずあったと思う。
だが、ゴール前の役者が明らかに違った。
この違いが、広島の持つ圧倒的強さの一番理由だと、僕は強く感じた。


佐藤寿人は、やっぱり特別。スペシャルなんだよ。
今節のゴールでJ1・J2通算100得点を達成。
この記録は、J2で奪ったゴールが41と多いのを本人は気にしていたけど、それにしても胸を張っていいすごい数字だと思う。まだ26歳なんだから。
カズ、ゴン、城、森島（C大阪）、藤田（名古屋）の5人しか日本人では達成しておらず、外国人も5人しか達成していない。胸を張ってもらいたい。


寿人は、まだこれからどんどんゴールを積み上げていってくれるはずだ。
広島では67得点。現在トップの久保の70得点も（なんだか抜いてほしくない気もするが）寿人が追い抜きトップに立つ日は遠くないだろう。
寿人がむらさきのユニフォームを着てゴールを奪っていく。それが記録として残っていく。その1つ1つを、広島のサポーターはともに喜ぶことができるんだ。これは広島のサポーターにとって素晴らしいことではないだろうか。
俺らには寿人がいる。なんとも誇らしい。
「おめでとう」寿人。そして、広島にいてくれて「ありがとう」。


もうJ1復帰はすぐそこだ。
負ける気がまったくしないから、C大阪戦では絶対決まるし、湘南や山形につまづいてもらって、ホーム・愛媛戦で決められたら最高だ。
みんな、どうやって喜ぶかをそろそろ本気で考えておこう。
あの悔しさを、晴らす時が来るんだ。
      
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   <title>J2 34節 vs岐阜“スナイパー”洋次郎</title>
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   <published>2008-09-07T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-09-09T14:02:48Z</updated>
   
   <summary>洋次郎の独壇場だった。 いつもとは違う最前列に位置し、決して得意ではないポストプ...</summary>
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      洋次郎の独壇場だった。
いつもとは違う最前列に位置し、決して得意ではないポストプレーを洋次郎は難なくこなし、すぐに寿人不在の不安を吹き飛ばしてくれた。
そして、2得点2アシストだ。
まずフランサのようなラストパスで浩司のゴールを演出すると、インザーギのようなゴール前の嗅覚を見せ、陽介のシュートの方向を変えて3点目を奪う。
さらには、好きな選手だというリケルメのような見ている人をドキッとさせるパスを送り、ハンジェのゴールをアシスト。しまいには、クロスに飛び込んで4点目を奪った。
7点のうち広島の力で奪った4点は、すべて洋次郎が絡んでいた。


このゲームに限らず、今季の洋次郎は大車輪の活躍を見せてくれている。眠っていたポテンシャルが、ついに、やっと、爆発した。
今の広島のサッカーは面白い。それは洋次郎の演出によるところがかなり大きい。
いまや欠かせない選手になった「高萩洋次郎」とは、いったいどういう選手なのだろう。


身長は182cm。体重は66kg。ひょろっとした体格をしている。
だが、その身体はずば抜けた持久力を持ち、少し身体の線は細いがフィジカルで劣ることはない。
そしてボールを扱わせれば、高い技術を駆使して、広い視野から創造性豊かなパスを繰り出す。
MFとしてのすべての能力を平均点以上兼ね備えた、パサータイプに分類される選手だろう。


パサーにもいろいろなタイプがある。
たとえば、G大阪の遠藤や名波浩らのような受け手にやさしいパスを送り、ラストパスの一歩手前で試合を組み立てるパサーがいる。
そしてもっとゴールに近い位置で、中村俊輔のような高精度のラストパスを届けるパサーや、中田英寿のような敵の間隙つくパサーがいる。
洋次郎は、中田英寿タイプに近いパサーだと思う。
中田英寿よりもゴールまで遠回りすることを好むが、プレーしている時の頭の中は似ているのではないだろうか。
相手と駆け引きをしながら、生じる隙を見逃さないよう目を光らせて、敵を欺き、虚を突く。
洋次郎は「スナイパー」のように神経を尖らせ、一発のパスで局面をがらっと変えてしまうのだ。


ただ、スナイパーとはいってもじっと好機を待っているわけではない。とにかくよく走る。
それもやみくもに走るのではなく、相手が嫌がるスペースを作るフリーランニングだったり、味方を助けるためにスペースを埋める走りだったり、状況を考えて効果的に走る。このあたりも中田英寿に似ていると思う。
そして洋次郎は、受け手としてもレベルの高い動きができる。
もともとボールを持たせたら怖い選手だったが、ボールがない時も気の抜けない選手になった。
これが洋次郎が今季大きく飛躍した要因だと思う。


課題を挙げるとすれば、シュートだ。
シュートを打たずイライラさせられることもあるし、シュートの精度も、針の穴を通すパスを出すくせに、高いとはいえない。
10得点は素晴らしい成績だが、もっともっと取れていたと感じるのは僕だけではないだろう。
本当に怖い選手は、やはりどんなパスを通す選手よりも、ゴールを奪う選手。
ゴールに強欲になることでパスもさらに効く。
今後、もっとプレースタイルを広げていってもらいたいし、独自の形をを築いていってもらい。
洋次郎は、いつか日の丸を背負う日も来るのではないだろうか。
十分可能性を秘めていると思う。


J1復帰まで、いよいよ秒読み段階に入った。
他のチームの結果次第では、36節の横浜FC戦で歓喜の瞬間が来る。
今節の岐阜戦を見ていると、いるべき場所が違うのだと、無駄な一年を過ごしていると、つくづく感じてしまうが、どうせなら圧勝に次ぐ圧勝でこのままシーズンを終えてもらいたい。
山形は、どうしても勝たないといけない相手だ。
      
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   <title>J2 33節 vs水戸さすが浩司</title>
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   <published>2008-08-30T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-09-01T07:43:39Z</updated>
   
   <summary>あまりいいゲームをすることはできなかった。監督も選手も内容には納得いっていないと...</summary>
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      あまりいいゲームをすることはできなかった。監督も選手も内容には納得いっていないと思う。
ただ、それでも勝った。それが何より重要だし、「それでも勝った」ことに、4点を奪ったことに、強さをとても感じた。
僕は浩司のポジションは危ういと思っていたが、改めないといけない。


開始早々になんでもないところからピンチを招き、失点を与えた。
集中力が欠如したミスによりビハインドを背負った。
洋次郎と久保を連れて行かない余裕を見せたペトロヴィッチ監督は、少なからず焦ったのではないだろうか。
出鼻をくじかれ、勢いにのった水戸のプレスはなかなか強烈で、いつものポゼッションができずロングボールが多くなり、服部の前をビジュでふさがれ、攻めの形ができない。
陽介は極端にボールを触る回数が少なかった。イライラしていたと思う。


だが、広島は焦って自らリズムを崩すことはなかった。
28分、くさびを受けに降りてきた陽介がアオに落とすと、浩司が最終ラインとボランチの間に侵入しているのを見逃さず、アオがいいタイミングでパスを送った。
相手を背にしながらパスを受けた浩司はトラップでうまく振り向き、ゴール正面から右足を振り抜き、ゴールを射止めた。
水戸は、陽介を捕まえられなかったことで守備が後手に回った。このワンプレーがスペースのねじれを生み、浩司に遅れて対応するしかなかった。
水戸としては、チームとして狙い通りに広島のサッカーを封じていただけに、隙ともいえないズレを見逃してくれなかった広島の攻撃と、浩司の個人技に脱帽するしかなかっただろう。


そして6分後、服部を初めてフリーにしてしまった水戸は、寿人に逆転弾を刺された。
警戒していた服部を1回逃しただけで、水戸はやられてしまったのだ。
この攻撃は、水戸の崩れたバランスをそれぞれがパーフェクトなプレーでゴールへつなげた。チームで奪った得点だ。
だが、僅か1回で満点のクロスを送った服部ときっちり決めた寿人は、やはりさすがだ。


この得点で、水戸は混乱した。
広島をしっかりと研究し、ラッキーな形ではあったが先制し、水戸はプランどおりにゲームを進めることができていたと思う。
ただ、わかっていても止められない個人技に、やられてしまった。
ショックは大きかったと思うし、混乱するのも仕方ない。
前半のうちにとどめを刺すことはできなかったが、広島は背負ったビハインドと悪い流れを、前半だけで吹き飛ばした。
後半、落ち着きを取り戻した広島は、らしさを見せ、陽介と寿人が加点して結果4－1の大勝を飾った。


カズがボランチにいれば、チームは慌てることがない。
サッカーに事故やアクシデントはつき物だし、相手がいて止まることのないスポーツだから、思い通りに行かない時は来る。それは仕方ない。
ただ、そんな時はそれぞれがやるべきことをし、みんなが同じ方向を向いて自分たちの時間帯を持ってこないといけない。カズがいれば、ブレない。
悪い流れでもチャンスが訪れるのがサッカーでもある。一撃で流れを変えることができる。浩司の一発がまさにそれだった。
今さらながらだが、森崎兄弟は広島にとって大きな存在だと思う。


いい勝利だった。アクシデントをもろともせず、「強さ」をとても感じたゲームだった。
残り11試合、負ける要素がどんどん少なくなってきたのではないか。
このまま勝ち続け、最後まで行ってもらいたい。いまのチームなら不可能なことではないと思う。
次節は寿人がいないが、それも逆に楽しみだ。
      
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   <title>J2 32節 vs福岡もういいだろう</title>
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   <published>2008-08-23T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-08-27T18:38:54Z</updated>
   
   <summary>もういいだろう。 僕は福岡戦を見て、昇格は決まったと思った。 それほどいいゲーム...</summary>
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      もういいだろう。
僕は福岡戦を見て、昇格は決まったと思った。
それほどいいゲームを広島は見せてくれたと思う。


失点はすべて福岡のミスが絡んでいた。
1点目は、我らがエース、寿人を見失うという福岡守備陣の驚くような失態が招いた。
2点目は、言わずもがなGKとDFのお見合いだった。
3点目は、陽介の迫力を前に福岡DFはあれよあれよと道を開けていった。
4点目は、GKの･･･


だが、この4つゴールは、広島が奪った素晴らしいゴールだったと思う。
僕はとくに2点目が好きだ。
カウンターを仕掛け、ハンジェは好判断で逆サイドの服部にパスを送った。
だが少し長く、ラインを割ってしまいそうだった。
しかし、服部はあきらめずに滑り込んでボールを生かし、前線へ蹴りこんだ。
そのボールがくると信じて走りこんでいた陽介は、身体を先にDFに入れられながらもあきらめずに最後まで追いかけ、相手のミスを誘発。得点が生まれた。


この得点は、誰か1人でもあきらめていたら得点にはなっていなかった。
前半終了間際のあきらめてもおかしくない状況で、あきらめなかったからこそ、生まれた。
相手のミスは、だから起きた。
技術ではなくチームの意思が生んだ得点だったと思う。
こういう得点はチームを勢いづける。チームがイキイキしているからこういう得点が生まれる。
この得点で福岡の心も折れたのではないか。
与えるダメージは絶大の、素晴らしい得点だったと思う。


この日の広島は、まず運動量が相手を上回っていた。
陽介が速い切り替えと豊富な運動量で、ボールを失ったら相手にくらいつきチームを先導すると、連動して周囲が動いた。
広島の圧力に、福岡はあたふたしてミスを繰り返してしまったのだ。
確かに福岡の自滅だ。だが広島が自滅に追い込んだのだ。


そして、ピッチ中央のボランチに戻ったカズが、相手の嫌なところで身体を投げ出し防波堤として立ちはだかった。
カズは相手にチェックに行くと、ただで転んでは帰ってこない。
絶対ボールに触る。それができなくても相手のバランスを崩す。
相手の攻撃の出どころを頭で読み、身体を張って潰してくれることで、福岡のいい形で広島が嫌な形で、攻撃を受けることがなかった。
また、カズは落ち着き払いパスミスが極端に少ないため、周囲が信頼して走れる長所もある。


カズのクレバーな泥臭さと陽介の飛び跳ねるような運動量が、福岡戦の大勝を引き寄せたのだ思う。
「玉ぎわで激しく戦うこと。相手より走ること」
ペトロヴィッチ監督がいつも口にするサッカーの基本中の基本ともいえる勝利の条件を、やりとおし、相手を上回った。
カズが身体を張れば、ピッチのなかの広島の選手はそれを見てやらないわけには行かないだろう。
陽介が走っているのに、寿人も走っているのに、他の選手が走らないわけにはいかないだろう。
カズがボランチに戻ってきて、陽介が走れるようになったいまの広島は、基本で相手を上回れる。
そうなれば、相手に関係なく自分たちのサッカーができる。
ならば、ゲームに負けることはないのではないか、と僕は思う。


残り7試合勝てば昇格が決まる。
基本を怠らなければ勝利の扉は開けるのだから、あとは慢心や過信さえしなければいい。
はやく、こんな場所からお別れしよう。
福岡戦の勝利は広島が素晴らしかったから勝ったのに、あんなミスばっかりやられたら勝利がかすんでしまう。
上で勝負したい。
      
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   <title>J2 31節 vs甲府始まる前から負けていた</title>
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   <published>2008-08-16T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-08-18T17:24:02Z</updated>
   
   <summary>敗因はいろいろあると思う。 その中でとくに気になったのが、選手が「自信がなさそう...</summary>
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      敗因はいろいろあると思う。
その中でとくに気になったのが、選手が「自信がなさそうに」プレーしていたことだ。
今季、広島に敗れていった敵将は、個人の技術やグループ戦術のレベルの高さも賞賛していたが、「自信を持ってプレーしている」メンタル面の強さを、広島の強さに挙げる方々が多かった。
選手たちには経験があり、ペトロヴィッチ監督がしっかりとやるべきサッカーを打ち出し、結果が残っていくことでどんどん膨れ上がった自信は、広島の大きな強みになっていたのだ。
なのに、今節はその自信がグラついていた。


甲府とは相性が悪い。甲府はペトロヴィッチサッカーの天敵だ。
これはもう結果が雄弁に物語っている。
よって19節に甲府と対戦した時、ペトロヴィッチ監督はシステムを変えて甲府戦に臨んだ。
築き上げてきたサッカーで勝るためではなく、勝負に勝ちに行ったのだ。
この決断は、「哲学を曲げた」と言ったら言いすぎだとは思うが、それほど驚きがあった。
この策は奏功した。
広島のいつものサッカーはできなかったが、相手の攻撃をしのぎ、カウンターを生かして、勝った。
ペトロヴィッチ監督は甲府に初勝利を上げ、広島は小瀬で初めて勝った。


甲府戦に臨む準備期間、ペトロヴィッチ監督は迷っていた。
19節の戦い方をするのか。いつも通りの戦い方をするのか。
イリヤンは戻ってきたが槙野が出場停止だったことも、頭を悩ませた原因だったと思う。
日替わりでシステムは変わり、選手の配置も変え、試行錯誤を繰り返してベストを模索していた。
だが、変更すればメリットとデメリットは必然と生まれてくる。
練習の合間に選手同士が話し合い、監督と選手が話し合う姿が頻繁し、選手たちはうつむきながら練習場を後にしていった。
ペトロヴィッチ監督は、最後まで迷っていた。


結局、ペトロヴィッチ監督はいつも通りの戦い方を選択した。
ただ、この選択が間違っていたとは思わない。
ペトロヴィッチ監督が間違っていたのは、戦い方を明確にして選手を送り出せなかったことだ。
ペトロヴィッチ監督の迷いは、選手と不安を抱かせることになった。
選手たちは自信を持ってピッチに立つことが出来なかった。


それは顕著だった。
ゲームが始まると広島はいつものポゼッションができなかった。
甲府が前からプレスをかけてきたことも原因としてあるとは思うが、そんなことよりミスが多かった。
自分たちのサッカーができていない焦り、不安、不満が運動量と連動性を失わせ、いつもなら起こらないミスが目立った。
その結果、押し込まれ始めると安全策をとるため広島のラインは深くなり、ロングボールが多くなった。
ただ前線は孤立している。ボールをすぐに取り返された。
ゲームをコントロールすることは、できなかった。


しかし、悪い流れでゲームを進んでも、選手たちは修正する力を持っている。
ただ失点が痛かった。取られ方も悪かった。
セットプレーからであり、ファウルかもしれない不運も重なってしまった。
33分のハンジェのシュートが決まっていれば展開は変わったと思うが、それもならなかった。
先制点を奪い戦い方が徹底されていた甲府は、頭が整理されやることがはっきりしていた。そういう精神状態になると、身体は動く、集中力も高まる。
一方広島は、ビハインドと自分たちのサッカーが出来ていないことで、どんどん焦りがつのり、疑心暗鬼が膨らみ、身体は自動的に動かなくなった。


後半、杉山の一発に出足をくじかれると、今季初めて2点を追う展開となり、ペトロヴィッチ監督は選手を変え、システムを変えて反撃を試みたが、取り返すことはできなかった。
不運もあった。別次元の久保の高さがゴールをこじ開けかけた。
しかし、広島は最後まで広島らしいサッカーをすることができず、敗れ去った。
今季初の内容でも結果でも負けたゲームではなかっただろうか。


広島は、ゲーム開始前から負けていたんだと思う。
指揮官の迷いが選手の精神面を乱し、広島はちぐはぐな戦い方をした。
甲府は、「広島のサイドのスペースをはやくつく」狙いが徹底されていた。みんなが理解し、集中力がみなぎっていた。
ゲーム前の指揮官のチームの導き方が勝敗を分けたのだ。
「ペトロヴィッチ監督の負け」と言えるゲームではないかと思う。


今後、このようなミスは絶対に犯してもらいたくない。
甲府はペトロヴィッチ監督にとって特別なチームだからこうなったのだと思うが、指揮官が迷っていては、始まらない。
広島は現在首位だ。
「相手は恐れていない。私が不安なのは自分たち」ペトロヴィッチ監督はさいさん口にする。
それでいいのだ。
自分たちのサッカーを自信を持ってできれば、相手を凌駕する力を広島は持っている。結果が示している。
己を貫けばいい。それで負けたなら、気分もいいし、修正するところも見えてくる。


この敗戦は、きれいさっぱり忘れたほうがいい。
次は浩司とアオがいないが、寿人がいない時も、ストヤノフがいない時も、カズがいない時も、広島は勝ってきた。心配することはない。
自分たちのサッカーができれば、勝てる。
自信を持ってピッチに立てば、勝てるんだ。
次節の福岡戦は、負けは許されない怖い一戦だ。
こんなゲームだからこそ、自分たちを信じてピッチに立ってもらいたい。
      
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   <title>J2 30節 vs仙台釈然としない引き分け</title>
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   <published>2008-08-10T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-08-12T16:17:45Z</updated>
   
   <summary>この引き分けをどう捉えていいのか、迷う。 アウェイで、ユアテックスタジアムで、「...</summary>
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      この引き分けをどう捉えていいのか、迷う。
アウェイで、ユアテックスタジアムで、「勝ち点1を奪った」という考え方は、もちろんできる。
置かれている状況も、絶対勝利というよりも下位仙台に勝ち点を与えないことの方が重要だった。
長いシーズンを考えれば、この引き分けは悪くはない。それは理解できる。
だが、釈然としないものがどうしても沸いてくる。
全部勝てと言っているわけではないのだが、このゲームは、勝ちたかった。最後まで勝利を目指して欲しかった。


英雄だった場所で違う色のユニフォームを着てプレーする。
寿人にとってこの一戦はとても重要なものだった。様々な感情が渦巻いていたとは思うが、寿人自身は勝ちたかったに違いない。
そして、寿人は紫のユニフォームを着てゴールを決めてくれた。
さすがだと思う。見事な一撃だった。
だからこそ、勝って欲しかった。広島の寿人が仙台を葬ったと、声高らかに言いたかった。
この想いはどうしても拭い去れない。悔いが残る。


ゲームの内容も、勝利にふさわしい内容だった。
仙台は3ボランチを敷き守備を固めてきたが、その分攻撃の脅威はなくなり、新外国人ナジソンの実力を計るところまでさえも辿り着けなかった。
ボールがよく動き、広島のサッカーができていたと思う。
奪われ方が悪くカウンターの打ち合いになる我慢しきれない時間帯もあったが、相手の迫力不足もあり大事には至らなかった。


ただ、チャンスの見合うゴールを奪えない、いつもの展開にはなった。
でもこれはしょうがない。この問題は広島だけの問題でもなければ、簡単に解決できる問題ではない。
「決められなかった」ツケを払わされたが、決定力と真剣に向き合えばどんどん泥沼にはまっていきそうな気がする。


逃したチャンスが大きく響き、サッカーの掟にのっとって仙台に流れを持っていかれた。
そんなゲームだったと思う。よくある、たくさん見てきた展開だ。
ただ、そこに不甲斐なさは、感じなかった。
僕が不甲斐なさを感じたのは、同点に追いつかれてからチームが見せたリアクションだ。
ペトロヴィッチ監督は、ハンジェに代えて結城、服部に代えて楽山を投入した。
どういう意図があったのか、負傷や疲れによるものだったようだが、それでは納得はいかない。


もっとオープンに戦ってほしかった。
終盤に仙台の攻撃がパワフルになったわけでもない。スタジアムの雰囲気は確かにすごかったが、選手が流れに呑まれていた印象も抱かなかった。
陽介は最後まで運動量を保ち、少ない人数で仙台ゴールを脅かしていた。
リスクをかける必要はないが、1点を狙いにいっても十分やれたのではないか。
采配に「勝て」というメッセージはこもっていなかった。
勝つチャンスを、みすみす手放したように感じた。


洋次郎は、終了のホイッスルが鳴るとガッツポーズをつくった。
監督の会見も、余裕すら感じる和やかなものだった。
仙台との前回対戦は最悪の結果を招いてしまったが、その再現をチームの力で避けることができた、成長した部分は確かに評価できると思う。
負けない強さは、広島にとても必要な強さだ。
ただ、負けゲームではなく勝ちゲームだった。
それなのに勝ち点3をあきらめ、1を守りにいった今節の広島の姿に、僕は釈然としない。


シーズンは残り1/3。昇格はもう確実に手の届くところに来た。あと8勝すれば確実に昇格を果たせる。
ただ、守りに入ってしまうと危険なのではないだろうか。
「落ちるのははやい」とペトロヴィッチ監督はずっと僕たちを説き伏せるように言い続けている。
ならば、つねに攻撃的姿勢で立ち向かってもらいたい。
相手が広島を上回っていたり、アクシデントが起きたり、そんなゲームならば勝ち点1を奪いにいくゲームもあるだろう。
だが、みすみす自分たちから勝ち点3を放棄してしまえば、神様はそっぽを向かないだろうか。
勝負事では、守りに入った逃げは、相手に付け込まれるものではないだろうか。
今節の広島の姿勢には、怖さを感じた。
      
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   <title>J2 29節 vs鳥栖久しぶりの浩司</title>
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   <published>2008-08-03T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-08-05T13:24:46Z</updated>
   
   <summary>久しぶりに「浩司」を見たような気がする。 それは、26節・岐阜戦以来4試合ぶり、...</summary>
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      久しぶりに「浩司」を見たような気がする。
それは、26節・岐阜戦以来4試合ぶり、流れの中からでは13節・福岡戦以来16試合ぶりのゴールだったから、という理由だけではない。
もちろんそれが一番大きいのだけど、鳥栖戦はゴールのみならず、浩司の魅力がたくさんつまったゲームだった。
やっぱり、浩司にはゴールと笑顔が似合う。


前半の広島は、立ち上がりの鳥栖のハイプレッシャーにミスを連発したが、徐々にカズと浩司が中心になってボールをキープし、相手を押し込み始めた。
カズの落ち着き払ったプレーと浩司の正確な長短のパスが、いつもの広島のサッカーを取り戻させたのだ。
だが、2列目からの飛び出しが少なく、両サイドからクロスも精度が上がらず、得点にまでは至らなかった。
決定機はセットプレーからのみ。鳥栖にうまく守り抜かれたという印象が強い前半だった。
だが浩司は、「パスを回しすぎて、危険な攻撃になってなかった」と前半を振り返った。
自分たちのサッカーができていなかっただけ、できれば点が取れる。
このコメントには、強い自負を感じた。


後半立ち上がり、広島は浩司が自信を持っている広島の姿が現われ、鳥栖ゴールを強襲した。
アオがミドルを放ち公太の突破がチャンスを作る。そして48分に先制した。
CKのこぼれ玉に反応した公太が、キッカーだった陽介にボールを渡す。陽介は相手を引き付け、危険な位置に侵入していた盛田にパスを送った。陽介らしいアイデアのあるパスだった。
盛田は、ファウルかと思われるかもしれないほど、激しい玉ぎわの競り合いに勝ち、洋次郎マイナスのクロスを送る。
だが、7ゴールすべてを右足で奪っている洋次郎は、今回も窮屈になりながらも右足で打つ選択をし、相手DFのブロックに合ってしまった。


しかし、そのこぼれ玉は、浩司の前に絶好球となって転がってきた。
ただ、シュートをゴールに突き刺すには、僅かな時間、僅かなコースしかない。
「いつもだったら力んで外していたけど、落ち着いて打てた」。
急がなければならず、他に選択肢がなかったから落ち着けたのかなと思う。難しい設定が幸いした。
冷静にボールを捉えた浩司のシュートは、パーフェクトな美しい弾道を描き、ゴールネットが揺れた。


浩司は「いつも決めていなかったんで、決めたぞ、という意味もあって」ペトロヴィッチ監督の下に走り、抱擁を交わした。
1つポジションを下げ、言えば我慢してもらっている浩司がゴールを奪ったことは、監督にとっても大きな喜びだったのではないだろうか。
浩司も苦しんでいたと思う。「僕のベストポジション」と言う2シャドーでプレーした気持ちはずっとあったはずだ。自分の特徴を出すことを控えてチームプレーに徹しすることで、思い切りの良さが影を潜めていた。


だが、徐々に後方から攻撃に参加する回数も増えているし、タイミングもよくなってきている。浩司らしさが、ボランチで出せるようになってきたのだ。
試合後、浩司は「ボランチも楽しくなってきた。（自分に）合っているかなとも思う」と笑顔を浮かべている。
僕は、浩司はボランチがいいと思う。
意外性で相手の虚を付く洋次郎とも陽介とも違う、『正確無比な左足』という武器が浩司にはある。
この左足を生かすためにも、少し後ろからスタートしたほうがいいのではないだろうか。
バランス感覚がどんどん増してきているし、パスワークの中心になり、リズムを変えることもできる。攻撃的センスは、言うまでもない。
ボランチ・浩司は、今後大きな武器になっていくのではないかと思う。


広島は、この1点を守り切って鳥栖を退けた。
その後はシュートがポストに嫌われ、桑田の突破がファウルを取ってもらえず、追加点を奪えなかった。
もう1点取れればゲームは決まっていたし、早く決めてしまわなくてはいけないゲームだったはずだ。
昭大の目を覆いたくなるミスの場面など、運に助けられた部分もある。
鳥栖に少なからずゴールを脅かされた終盤は、自滅に近い無駄なハラハラだった。


だが、それでも守り切れたという結果が何より素晴らしい。
交代で入った桑田は、2列目からの飛び出しでチームに勢いを与えたし、「走る」という役割は完璧にこなした。結城も必死に身体を張っていた。
途中出場の選手が役割を果たせるチームは強い。安定した結果を残していくために欠かせないベンチの活躍が、今の広島にはある。
そして、終盤での失点が目に付き勝ち点を落としたゲームもあったが、カズがリベロに入ったここ6戦は80分以降の失点がない。
リーダーシップをとってくれているカズの存在は、結果が物語るようにとても大きいし、チームの意思統一がとても明確になっている。
今の広島には、1点差で勝つための要素が備わってきているように思う。


次節・仙台戦は、負けた相手でもあるし、絶対に勝ちたい。
第2クール最後。寿人の古巣のスタジアム。ナジソンが出てくるようだ。
いろいろ注目したいポイントはあるが、とにかく、仙台に絶対に勝ちたい。
      
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   <title>J2 28節 vs横浜FC久保が救ってくれた</title>
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   <published>2008-07-27T15:00:00Z</published>
   <updated>2008-07-29T05:15:19Z</updated>
   
   <summary>エースは満身創痍だった。 陽介もまだコンスタントにいいプレーができるレベルではな...</summary>
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      エースは満身創痍だった。
陽介もまだコンスタントにいいプレーができるレベルではない。
洋次郎の疲労はプレーできるレベルまでは回復したが、全快ではない。
功の看板だけでなく、チーム全体が重かった。
横浜FCが良かったとはさっぱり思わなかったけど、いやな空気だった。
だが、ドラゴンが吹っ飛ばしてくれた。
出場2分後に、ファーストタッチで、あの跳躍で、チームを救ってくれた。
「そんな時が来るはずだ」ペトロヴィッチ監督ならずとも、みんなが想い、願っていたと思う。
久保が僕たちを救ってくれることを―


前半は、両チームとも非常にリアルに戦った。
広島は、あせらずボールを回してサイドチェンジを繰り返し、相手を走らせ穴を探していく。
しかし、いつもの躍動感がなく、相手を凌駕することはできなかった。
横浜FCは、広島にボールを支配されることに抵抗しようとはせず、ゾーンを下げて受け止めた。危ない場面はあったが、GK岩丸の好守もあり、前半を逃げ切った。
寿人のヘディングシュートが決まっていたらもっと楽なゲーム運びができたんだろうし、チャンスも少なくなかった。
悪くはない。だがその反面、ミスも目立ち、重苦しさが漂っていた前半だった。


後半は、1つギアが上がった。しかし、なかなかゴールの扉は開かない。
浩司のシュートをまたも岩丸に止められたあと、岩丸のミスを冷静さと高い技術で青山がロングシュートを沈めて先制するも、すぐ2分後に取り返されてしまった。
要所を締められず、自分たちのミスで悪循環にはまっていく典型的なパターン。。
ゲーム開始から続いている重苦しい空気は、時間の経過とともに膨らんでいった。


当然だが、同点に追いつかれてから、横浜FCの攻撃を受ける時間帯がやってきた。
ミスから失点するも、前節ゴールし勢いのある池元のスーパーなゴールで追いついたのだから、流れはどうしようもなく横浜FCにやってくる。
この流れに乗り、横浜FCは勝ち点3を取りに来たし、三浦カズの投入で、攻撃にアクセントが付き広島ゴール前を脅かした。


しかし、広島はこの時間帯をしのぐことができた。
昭大のパフォーマンスは絶品だったし、チームとして「今は耐える」と意思統一ができていたと思う。
ペトロヴィッチ監督も陽介に代えて桑田を投入し、運動量を保とうと試みた。いい采配だった。
この時間帯で失点しなかったこと、これがこのゲームの最大の勝因だと思う。
個々の奮闘とチーム全体の力で失った流れをせき止めることができた。
これはなかなかできるものではなく、「勝てるチーム」にはこういう強さがあるものだ。
広島は、それを見せてくれた。


そして77分、ペトロヴィッチ監督は寿人に代えて久保を送り出す。
寿人は、前日の表情もかなり暗かった。軽症ではなかったはず、よくやってくれたと思う。
久保がピッチに立った。
このタイミングは抜群だった。
横浜FCの猛攻もひと段落したところだったし、久保の存在がチームメイトに大きな力を与えたのは間違いない。


2分後、洋次郎が逆サイドの服部にグラウンダーのパスを通す。
この洋次郎のプレーは、すごかった。
あのキックの質と、あの時間帯にあそこまで見えていることに、驚かされた。
洋次郎らしい、とてもクレバーでアイデアのあるプレーだったと思う。
そのボールを受けた公太は、久保しか見ていなかったという。
確かに久保専用のクロスだった。
過去に何度も目にした、広島の必殺のラインが、また忘れられないゴールを突き刺してくれた。


それにしても、久保は久保にしかできないすごいゴールを決めてくれる。
なんかこう、見ているこっちの血が煮えてくるんだよね。そしてその後に、すごい幸福感がやってくる。
あの跳躍はまず誰にもできない。空中でひねりも加わっていた。
久保にしかあのゴールは奪えない。


このゴールが決勝ゴールとなり、広島は勝ち点3を獲得、4連勝を成し遂げた。
重苦しい一戦をチーム力と久保で勝った広島は、強さに満ち溢れていたと思う。いい勝利だった。
広島のサポーターにとっても、この上ない勝ち方だったと思う。
紫にスタンドを染めたサポーターの方々も素晴らしかったし、それに応えたチームも素晴らしい。
久保のゴールを目の前で見ることができ、久保とともに喜びを分かち合える。
これは広島サポーターの最大の特権だと思う。
またこんな日が来ることを、楽しみにしていよう。
      
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