天皇杯 準々決勝 vs柏収穫と、課題と (むらさき)

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天皇杯 準々決勝 vs柏
収穫と、課題と

「負けるに値しないゲームだった」(ペトロヴィッチ監督)。
「絶対勝てたゲームだった」(佐藤寿)。
「広島の方がいいサッカーをしている」(柏木)。
そのとおりだと思う。サッカーの内容で勝ちに値する試合をしたのは広島であり、メンバーが変わっても、しっかり自分たちのサッカーができた。
だが広島は、柏より少ない得点しか奪えず、柏より多く失点を重ね、負けた。
内容で上回っても、勝てないことがままあるのがサッカーであるのは周知の事実だ。
なぜ負けたのか、運不運で片付けるのではなく、しっかり追求しないといけない。
この敗戦は、来季に向けてのいい宿題となったのではないか。


試合が始まると、いつもとメンバーが違うからか、広島の動きは鈍かった。
柏のプレスに面食らって押し込まれるとセットプレーで最危険人物・古賀をフリーにする失態を犯し、先制点を献上する。
これは3分の出来事だった。
先制点はどんな試合でも重要なものだし、立ち上がりの失点はどうにかしてふせがなければならない。それを易々と与えてしまった。
しかし、我らがエースがすぐに振り出しに戻してくれた。
イリヤンがハンジェに送ったロングボールがゴール前でこぼれると、反転しながらGKの頭を越すループシュートがネットを揺らす。圧巻の個人技で奪った美しいゴールだった。


その後も寿人の独力で広島がチャンスを築き始めたが、またも自滅してビハインドを背負ってしまう。
13分、アオのバックパスを受けた昭大がイリヤンへパス。このパスをポポと菅沼に狙われて奪われてしまい、またもゴールを献上する。
アオのパスも不親切なものだったが、昭大の判断ミスが致命的だった。
しかし、この日の広島はたくましかった。
沸騰したイリヤンがガンガン攻め上がり、26分にそのイリヤンの放ったミドルシュートがこぼれたところを、寿人がつめてまたも振り出しに戻す。柏のGK菅野もミスを犯してくれた。


この1点で勢いづいた広島は、いつものサッカーが顔を見せ始める。
ポゼッションが安定して柏のプレスをかいくぐると、ダイレクトパスが増えてトライアングルが躍動し始めた。
スコアは動かず同点のまま前半を終えたが、2度のビハインドを取り戻してペースを握った広島のたくましさは、この一年での成長を感じさた。
だがその反面、この一年ではめったに見ることのなかったミスが続出したことに、大きく落胆させられた。


後半は、広島がほぼ試合を集中に収めた。
もちろんJ1・柏が相手であるためカウンターの脅威はいつもより増したが、意図を持ってアクションを起こし攻め込んでいった。
公太の不在が大きく響いて威力はいつもより減だったが、それでも柏を存分に困惑した。
しかし、ネットを揺らすことができなかった。
後半開始直後の槙野のシュートや終了間際の寿人のシュートは、決まらなかったのが不思議なくらいの超絶好機。
だが、ミラクルクリアで柏が最後の一線を割らせなかった。


延長に入ると、1人疲れていない魔術師に見事にやられてしまった。
これはもう、スーパー。90分を戦い抜いた後にあれを出だされたら、もう開口するしかない。
広島は、龍一やシンがなんとかチャンスを作ったものの、柏にうまく時間を使われ逃げ切られた。


勝敗を分けたものが何なのか。
柏の多くの選手が、「僕たちには石さんまだやりたいという強い気持ちがあったから勝てた」と話していた。
あの意味のわからないスーパークリアやスーパーセーブは、そういったものでしか説明できないと、僕も思う。
説明できない何かが、柏を勝たせようとしていたとしか思えない。
だが、広島の選手が決して気持ちで負けていたわけではないと思うし、勝敗を分けたのはやっぱりミスなんだと思う。


柏戦を見ていて、僕は07年シーズンの多くのゲームを思い出した。
ミスから失点を重ねる。スーパープレーに打ち砕かれる。いいサッカーをしていながら得点を奪えない。
こんな試合ばかりだった07年シーズンを、柏戦はそのまま写したかのような試合だった。
ただ、カズがいればあんなミスは起きなかった。それは断言できる。
「出ていなかった選手が出ていれば勝っていたでしょう」というペトロヴィッチ監督の言葉にも、僕はためらいなく首を縦に振れる。
08年は07年より間違いなく成長している。
2度同点に追い付いたことがそれを証明しているとも言えるだろう。


ただ、「ミス」と「決定力不足」という課題は、J2だから許されてきたものだったのだと改めて思い知らされた。
柏はそれを許してはくれなかったし、止めを刺す一手を持っていた。(さすがJ1だと思う)
この敗戦を受け止めてしっかりと向き合わなければ、また痛い目にあうだろう。
広島はまだまだステップアップしなければならない。


天皇杯は、今年残してきたサッカーの内容と結果に対して、持っていた自信を確信に変えることのできた大会だった。
自分たちのサッカーを全うすることができれば、川崎をも凌駕できたのだ。
柏戦でも広島が劣っていたものの方が少ない。
ただ、足りないものも確かにあった。J2では気付かなかった課題も浮かび上がらせてくれた大会だった。
準々決勝敗退。ここで負けるのはあまりにももったいないが、来季への実りは非常に多かった。

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2008年12月21日 00:00に投稿されたエントリーのページです。

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