むらさき: 2008年11月 アーカイブ

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2008年11月 アーカイブ

2008年11月10日

J2 42節 vs仙台
川崎戦に必要なこと

仙台の闘志は素晴らしかった。
昇格に向け邁進しているチームにふさわしいテンションで試合に臨み、広島から何としても勝ち点を奪おうと、手段を選ばずに一体となってしゃにむにファイトしていた仙台は、勝ち点を得るに値する戦いをしたと思う。
広島にはもう縁のないシーズン終盤のヒリヒリを、敵ながら感じさせてくれただけでも、僕はありがたかった。
仙台は、残り3試合もこの一体感とこの闘志で臨めば、いい結果が得られるのではないだろうか。
結局仙台には一度も勝てなかったが、それは今後の楽しみにとっておくことにしよう。


それにしても、清水はいいものを持っていると思う。
出場時間は10分しかなかったのに、最後に見せ場を作った。
楽山もいいボールを蹴ったし、槙野もいいおとりになったが、あの時間にあの決定打を放てる清水には、とても魅力を感じる。
もちろん決めてほしかったし、今の状況だから決めなくてもこうやって賛辞を送れるわけだ。
ただ、次回も存分に期待できるものを清水は残した。なかなかできることじゃないと思うし、今の姿勢を忘れず次はぜひ決めてもらいたい。


試合だが、この試合は翌週の川崎戦に向けてよきスパーリングパートナーになったのではないだろうか。
システムは1トップとも3トップともいえる布陣で、川崎の前線の形と似ていたし、個人能力は雲泥の差があるが、前線から激しいプレッシャーを続けた前半の仙台は、攻守においてかなり高いレベルだったと思う。
その時間帯に、広島はアタフタした時間もあったし、リズムを作り出せなかった。
川崎戦はあのプレシャーの中で90分を戦わなくてはいけない。
できた部分もあったしできない部分もあったこの試合をよく振り返って、翌週に向けて準備してもらいたい。


また、決めるところで決めないと勝てない、課題を再確認させられた。1得点ではあまりに不十分なほどチャンスはたくさんあった。
どんな形でもゴールを奪ってスコアを動かさないと、自ら首を絞めることになるのは、いまさら言うことでもない。いいリズムの時間帯ならばなおさらだ。
川崎はこれほどチャンスを与えてくれないだろうし、広島の攻撃陣だからチャンスは絶対できると思うが、決められなければ大きなしっぺ返しを食らう。
再チャレンジを許してもらえるほど甘い相手でもない。「これを決めなければ後がない」くらいの集中力をゴール前で発揮し、とにかくネットを揺らしてもらいたい。


綺麗な形でなくてもいいし、ファインゴールでなくてもいい。チーム全体としても個人としても、純粋にボールをゴールに入れることをもっと強く意識する必要があると思う。
清水に新鮮な魅力を感じるのは、彼がまずゴールに向かってプレーしているからではないだろうか。一瞬に全力を注ぎこんでいるからではないだろうか。
川崎戦では、J2絶対王者の華美な広島ではなく、J1への挑戦者として泥臭く立ち向かう広島の姿を見せてもらいたいと思う。


川崎戦は、寿人が出場できないのは何とも残念だが、非常に楽しみだ。
新しい可能性を垣間見ることができればと、期待している。

2008年11月16日

天皇杯 5回戦 vs川崎
完勝だぜ

広島の完勝だったことは、自信を持って言える。
2-0いうスコアもさることながら、内容も広島が完全に上回っていた。
得点シーンも美しいの一言だ。
特に1点目は、後方からのポゼッションで川崎のプレスを交わすと、陽介のサイドチェンジが攻撃を加速させ、服部のクロスに4人がゴール前に飛び込んで奪い取った。
今季積み上げてきたサッカーの集大成ともいえる形だ。選手たちのイメージがシンクロし、確かな技術が加わった『これが広島のサッカー』言わんばかりのゴールだった。


川崎の前線はさすがに脅威だった。
20分のシーンがその象徴だ。森脇が攻め上がったがボールを奪われ、一瞬でジュニーニョがストヤノフを置いていった。
広島のミスから始まったが、あの速さと精度は間違いなくJ1トップレベルのものだ。
ただ、昭大のビックセーブがゴールを許さなかった。この20分のシーンがまず最初の勝敗を分けたポイントだと思う。
もしここで失点を食らっていれば優勢に進めていた試合の流れは大きく変わり、昨季のように「美しく散った」可能性は大いにあった。


そして次のポイントは後半の頭だ。
前半の広島は1点では足りない数のチャンスを迎えていたにもかかわらず、1点で終えてしまっていた。
後半はその代償を払うことになる。そして川崎もがむしゃらに点をとりにくるだろう。
後半の立ち上がりはとにかく重要だった。
しかし、選手たちも十分注意していたはずだが、1分もたたないうちにレナチーニョに決定的なシュートを浴びてしまう。
だが、ここでも昭大のビックセーブが飛び出した。もしここで同点に追いつかれていれば、川崎に畳みかけられていた可能性は大きい。昭大のセーブは本当に大きかった。
その後10分間で10本のシュートを浴びる猛攻にあったが、しのぎ切れたのはチームの成長の証。チーム全員でこの10分間を我慢できたことが、浩司の2点目につながったのは言うまでもない。


押し込まれてしまった時間帯もあったし、判断のミスもあった。まだまだ課題はあるし、運があったことも間違いない。
だが、広島はいつものサッカーで川崎を下した。このことに大きな価値がある。
運動量で圧倒し流麗な攻撃で相手を翻弄する広島のサッカーは、川崎を相手にもすべてを出せたし、出すことができれば凌駕できることも示せた。
中村憲剛の不在は川崎に大きなアドバンテージを背負わせただろう。そして、川島と寺田の不在も大きく響いていたことは、あの連携不足を見れば明らかだ。
だがこの勝利は、そんなものでくすまない輝きを放っていた。
希望に満ちた、素晴らしい勝利だった。


もう、「J2のチーム」と見られることないだろう。
「元旦を目指す」と言っても誰も笑いはしないだろう。
準々決勝の相手は柏になったが、まったく恐れることはない。
今年はカップを掲げようじゃないか―。
今年もまた、長い一年になりそうだ。

2008年11月23日

J2 43節 vs草津
大逆転勝利の中での発見

勝っていいんだろうか???
ほんとに、クエッションマークが3つもつくような内容の勝利だった。


ストヤノフとカズの不在の大きさは、わかっていたことだがあまりにも大きかった。
代役を務めたのは浩司だったが、草津のハイプレッシャーも重なって最終ラインがアタフタしているうちに失点しまい、その後もパスは一応つながっているものの、信じられないミスも出て、広島らしいリズムはまったく生まれない。
洋次郎の一発に救われて同点で折り返すことができたが、同点で折り返せたのは本当にラッキーな前半だった。


後半、ペトロヴィッチ監督はメスを入れた。
一誠とハンジェを下げて結城と楽山を投入。並びは、浩司が上がってアオとボランチを組み、最終ラインは右から結城、森脇、槙野へと変わった。
森脇のリベロとは!目を疑ったが、この配置替えは成果を見せた。
前半に比べて寿人に生きたボールが入るようになり、陽介も高い位置で前を向いてボールを持てる時間が多くなったため、いつものサッカーを垣間見ることができるようになる。
そして、楽山の裏へのパスに抜け出した寿人がファウルを受けてPK。槙野が決めて勝ち越した。


本当ならこの時点で勢いに乗ってもう2、3点ぶち込んで試合を終わらせなければならなかったのだが、草津は広島にリードされて下を向くようなチームではなかった。
鳥居塚が執念で同点ゴールを流し込むと、先制点と同じく島田と都倉のホットラインが炸裂して草津が再びリードを奪った。
草津の闘志は本当に素晴らしかったと思う。
3点を奪われたのは今季初。リプレーを見るかのように失点を繰り返してしまった広島のDF陣には大きな問題があったが、僕は草津の奮戦をほめたい。


しかししかし、ロスタイムに広島は2点をぶち込んで逆転した。
(詳細は省く)
広島は多くのミスを犯すぶさいくな試合し、勝ちに等しい試合をしたのは間違いなく草津だと思う。
だが、勝ったのは広島だ。
広島が勝利にふさわしいサッカーを展開していての逆転劇なら理解できるのだが、「サッカーって奴は」本当に何が起こるかわからない。
まぁ、こんな逆転劇を目の当たりにできて良かったと思う。
こんな試合、おそらくもう2度とお目にかかることはないだろうから。


この試合で、あらためて気づかされたことがある。

今節の広島は運動量が少なかった。
原因の1つはモチベーションの低下が否定できない要素だろうが、それを差し引いたとしても、先週の川崎戦とは比べることができないくらい少なかった。
だから、広島のサッカーが終始できなかったのだ。
今節は浩司がリベロに入る急造布陣だったため、おそらく選手たちは「だからこそ走らないといけない」と考えてピッチに立ったと思う。
しかし、現実は本当に走れていなかった。
走らないといけないことは分かっていたのに、走れない。
ここが不思議なところだ。


一誠はカズより走っていたと思うし、アオや洋次郎や陽介が手を抜いて走らなかったわけではないはず。
ではなぜ、チーム全体として走れなかったかというと、リズムができなかったから走れなかったのだ。
しかし、視点を変えれば「走れなかったからリズムが生まれなかった」とも言える。
運動量が少ないからリズムが生まれないのか。
リズムが生まれないから運動量が少なくなるのか。
この2つは、どちらが先とも言えず、どちらも正しいんだと思う。


いろいろ考えた結果、僕の行き着いた結論は、カズの存在はいろんな意味で大きいんだということだ。
カズがボールを持つと落ち着く。イージーなミスパスはまずしないし、周囲がよく見えている。
だから周りは信頼して走れるんだろう。だからリズムが生まれるんだろうと思う。
いっぱい走るわけじゃないのに、カズはいいポジションにいてボールをよく受けることができる場所にいる。
困った時には探せばカズがいる。カズにボールを預けて走り出す。
こういった心のよりどころを持っている選手は多いのではないかと思う。


カズは、自ら走らずとも周りを走らせる力を持っている、ということなのだろう。
カズがいるとリズムができる。だからチーム全体の運動量が上がる。だから数々の称賛を浴びている魅力的なサッカーができる。
このサイクルを僕はこのゲームで発見したような気がする。


広島のサッカーはカズがいるといないで大きな違いがある、とこれまでも何度も書いてきたが、新たなカズの重要性を気づかされたゲームだった。

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日程・結果

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10/11 天皇杯2回戦

10/17 29節 vsG大阪(H)

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