J2 39節 vs湘南来季が楽しみだ
この日広島に訪れた挑戦者は、昇格争い渦中の2位、湘南だった。
広島も試合後に優勝セレモニーを控えており勝たなければならない一戦ではあったが、湘南は「生きるか死ぬか」の境遇にいる。どう考えても向かってくるだろう。
そう思っていた。僕は勝ちにくる湘南を期待していた。
2位であることに敬意を払い、湘南の闘志に広島は気合負けしないだろうかと、そんな危惧を抱えて僕はこの一戦を迎えた。
だが、なんだったのだろう、あの湘南の姿は。
レギュラーボランチ2人がおらずトゥットらけが人が出ている台所事情は察するが、あまりにも腰の引いた戦いをしてくれた。
まさか専守防衛を掲げて勝点3を放棄して臨んでくるとは、信じられなかった。
拍子抜けというか、ガッカリだ。勝利に向けて戦っていたのは、間違いなく優勝を決めた広島だったろう。
試合は広島のポゼッションサッカーがピッチを支配し、湘南が亀のように自軍に閉じこもった展開が繰り広げられる。
「広島はせこい」とプラカードを掲げてストライキでも起こさんばかりに、湘南は立て籠もった。
2位のチームが、昇格争いをしているチームが、やるべき戦い方だっただろうか。
「1トップは広島に対してどのチームもやっていること。15人いればはめられた」と、とんちんかんなことを話した菅野監督には、失望した。
そんな試合を捨てているチームを、広島がきっちり叩いてくれたことがうれしい。
我慢の展開にはなったが、だからこそチームの成長をしっかりと感じることができた。
66分の得点は、ほんと広島が見事だったと言うしかない。
サイドを大きく揺さぶり、ダイレクトパスを中央で4本もつなげてゴールをこじ開けた。リベロのイリヤンが絡み、シンが素晴らしい動きをしたのだから、湘南に非はない。
美しかった。ペトロヴィッチサッカーの真骨頂ともいえるゴールだろう。
そして、3分後には浩司のミドルがネットを揺らし、試合の幕を下ろした。
同じリーグにいるのが信じられないくらい、格の違った試合だった。
広島は、強者だった。
それにしても、来季がとても楽しみだ。
ペトロヴィッチサッカーは細部まで浸透し、成熟度をどんどん増している。
シンや一誠も今節は活躍したし、陽介やアオや洋次郎やマキたちが、どんな対決を来季J1で繰り広げてくれるだろうかと思うと、はやく来季が来てほしいと思う。
J1の舞台こそ、彼らの本当の勝負になる。
いろんなことがあるだろうが、今は期待が膨らむばかりだ。
残り5試合は、来季に向けてさらに膨らませてもらいたいと思う。
勝点100や得点100も達成してほしいし、こうなれば勲章を1つでも多く携えてJ1に殴りこみたい。
そして、相手の姿勢もこの日とは違ったものであることを期待したい。