J2 37節 vs愛媛広島はJ1だ (むらさき)

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J2 37節 vs愛媛
広島はJ1だ

試合前日から、僕の気分はいつもと違った。
取材を終えビッグアーチを後にしようとした時、12月8日の記憶が自然と浮かんできた。
槙野のシュートがポストをかすめる。
タイムアップの笛と同時に、あまりにも残酷な現実が襲ってくる。
選手の、寿人の流す涙。
久保社長(現会長)とサポーターの怒号。
怒りと悲しみがあいまったあの日は、決して忘れることはできない。


降格が決定してから9月23日までの290日間は、いろいろあった。
ペトロヴィッチ監督の残留。天皇杯決勝。本谷社長の就任。駒野の移籍と久保の復帰。ゼロックス優勝。
そして開幕してからは、ピリピリとした重圧に包まれるなか、浮き沈みはあったものの勝利を積み上げていった。一度も首位を譲らず、圧倒的に勝ち進んだ。
良いことと悪いことを比較するならば、圧倒的に良いことの方が多かったような気がする。
だが、そのすべてがどこかむなしかった。
「勝って当たり前」心から勝利を喜び、爆発させることができなかった。
負けても、怒りが沸点に来ず笑っていられる自分がいた。
「J2」の現実が、どんな出来事に対しても、素直にさせてくれなかった。


この日、昇格は決まるだろうと思っていた。どんどんビッグアーチに詰めかけてくる人たち見て、気持ちがさらに高まった。
ピークに達したのは選手入場の時だ。すごかった。
まさにむらさき一色に埋め尽くされたスタンドを見て、「これは決まる」確信に変わった。
キックオフ。硬さも見えた広島だが徐々にエンジンがかかり始める。
寿人が昇格への扉を開くと、公太がとんでもなく美しいゴールを突き刺した。
あとはもう時間を待つだけ。広島のゴールを見届け、祭りを楽しむだけだった。
浩司がインターセプトから独走し3点目を奪う。4点目はアオが決めた。


歓喜のホイッスルが鳴る。
花火が打ち上がり、スタンドから紙テープが投げ入れられる。ビッグアーチは喜びを爆発させた。
選手それぞれが喜びを体いっぱいに表現する。
12月8日。あの日の涙は、笑顔に変わった。


降格からの290日間は、あっという間だったのではないだろうか。
【ALL FOR J1】と掲げられたスローガンの下、「勝たなければ、戻らなければ」クラブも選手もサポーターも、それだけを頭に走り続けた。
結果を見れば圧巻の成績だが、1つ1つの試合が重圧のかかった勝負だったと思う。
プレッシャーのなか戦った選手たちは、J2なのに今まで以上の人数とパワーで支えたサポーターの力と共に、たくましく、うるおしく、そして楽しく、勝利を重ねていった。


正直、こんなに昇格決定を喜べるとは思っていなかった。
だが、握手握手を繰り返すたび、喜びが体の底からこみあげてきた。
J2の呪縛がとりはらうことができた。それが何よりうれしい。
これからはなににも卑屈になることはない。広島はJ1だ。声を高らかに叫びたい。
ふさわしい場所に帰る。またトップレベルで競い合うことができる。
いや競うだけではなく、もっと上を目指すことができる。上は、限りない。


まだここは到達点でもゴールでも何でもない。
選手たちはみな「スタート」と言っていた。その通りだと思う。
ここで歩みを止めず、どんどん登っていきたい。いや、登らなければならない。


12月8日の悔しさは、まだ誰も忘れていないはずだ。
本当に忘れることができるのは、まだ先のことだろう。
「J2に降格してよかった」なんてことを言えるのは、まだまだ上に到達してからだ。
そして、この日の歓喜もみんな忘れることはないだろう。
こんなにうれしいことはない。ぜひまた味わいたい。
そのためにも、広島はまだまだ走り続けなければならない。


この結果を勝ち取り、歓喜を迎えることができたのは、みんなの力が結晶したからだと思う。
監督が示したサッカーを、選手は団結してやり遂げた。
寿人や森崎兄弟を中心に一度もまとまりを欠くことなく、誰もが勝利のために、時には自分を押し殺して戦った。
フロントも迅速に的確に動いた。
ユキッチとダバツの外国人補強は失敗に終わったが、結城の加入は大きかったし、ペトロヴィッチ監督の続投は、大正解に終わった。
サポーターも、常に精一杯の声援を送った。
僕が特に忘れられないのは4節の水戸戦だ。ロスタイムの森脇の同点ゴールは、絶対サポーターが呼び寄せたものだと思う。
みんなが一体となり1つの目標に向かって戦ったからこそ、9月23日の歓喜が訪れたのだ。


みんなで歩けば怖くない ―
みんなで共に、上まで歩いていきたい。

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2008年09月24日 00:00に投稿されたエントリーのページです。

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日程・結果

39節 vs湘南(H) 2-0


天皇杯 3回戦 10/12
 vs大阪体育大学(秋田)

41節 10/25 vs鳥栖(H)

天皇杯 4回戦 11/2
 vs東京V(西が丘)

42節 11/9 vs仙台(A)

43節 11/22 vs草津(H)