4試合続けて大量点を重ねて見事なラストスパートを見せていた広島だが、5試合目でつまづいてしまった。
昇格を目の前にしながら、勢いを削ぐような「祭りのあと」がやってきてしまったのは、残念でならない。
相手も確かによかったとは思うが、何でこんなゲームをしてしまったんだろうか。
やっぱり気の緩みは少なからずあったと思う。
いや、気の緩みもだろうが、むしろ昇格へのプレッシャーが大きかったのかもしれない。
運動量、とくにシャドーの動きが少なく、横浜FCのまぁそこそこのプレスにリズムを狂わされてしまった。
運動量がなければ広島のサッカーが機能不全に陥ることは、監督はもちろん、選手も十分理解している。
だが、それが足りなかった。
疲労の蓄積など体の問題もあるだろうが、走れなかった理由は「気持ち」の問題の方が大きかったと思う。
ただ緩んでいたのは、選手たち現場だけではなく、クラブを取り巻く全員がそうだったと思う。
舐めていたところもあったと思うし、誰もが緊張感に欠けていた。
(僕も間違いなく勝つだろうと、完全に緊張感を失っていた)
そのしっぺ返しが来たのだろう。サッカーはそんなに甘いもんじゃない。
ただ、もう一度みんなが目を覚ます機会になればいい。
昇格は手の中にある。あとはつかみ取るだけだ。
次節愛媛戦での昇格の可能性は残ったわけだし、負けたわけでない。
まず勝つことに集中して全力を傾け、歓喜を待とうではないか。
それにしても、広島の悪いところがこんなに出た試合は、久しぶりだった。
シュートを15本も打たれているとは、正直驚いてしまった。
忘れがちになっていた欠点やウィークポイントを、横浜FCは思い出させてくれたのではないか。
とくに気になったことを挙げてみようと思う。
やはり、サイドで数的不利を作られると厳しい展開になってしまうことだ。
この日、ハンジェの右サイドは完全に横浜FCに主導権を奪われた。
大きく崩されてはいないが、クロスを放り込まれてしまうことで最終ラインが下がってしまい、セカンドボールを相手に拾われて押し込まれる、悪循環の時間帯が長くなってしまった。
3バックの横、サイドMFの後ろのスペースは、このシステムの泣き所でもある。
わかっていたことではあるが、そこを突かれるとどうしても厳しい展開が待ち受けるのだ。
個の技術で上回っても、どうしようもないところでもある。
31節・甲府戦もここを徹底的に突かれ、バランスをズタズタに崩れてしまった。
相手のサイドに強烈な選手がいないから、またはハンジェや公太が攻撃で先手を取っていたから、この問題は表面化してこなかったが、やはり弱点である。
このウィークポイントをどうするのか、来年以降はきっちり答えを出して修正しておかないと、浅くはない傷を負うことになるだろう。
とはいえ、この問題は現状のリーグで、次節の相手愛媛と戦うのには、大きな問題にはならない。
次節の勝敗の分かれ目は、ゴールだろう。
昇格が決まる試合は、やはり1点が重くなる。先制点はもちろん、2点目を奪うにはいつも以上の圧力がかかる。
横浜でも、寿人は1点しか取れなかったし、自信に満ちていた陽介と浩司は仕事をしていないのだ。
この一戦でこそ、ゴールをバンバン叩きこんで、力を存分に証明してもらいたい。
2007年12月8日、入れ替え戦で敗れてから2008年9月23日まで、広島は屈辱の290日間を過ごしてきた。
天皇杯決勝。ゼロックス獲得。J2独走。素晴らしい出来事が霞んで見えた。
ようやく靄を消すことができる日が来たんだ。
もちろん、あの悔しさはJ1復帰なんかで埋まるものではない。
ただ、23日は喜びを爆発させたいと思う。
相手次第でもあるから叶わないかもしれない。大阪で決まることになるかもしれない。
それは仕方ない。
ただ、いやだからこそ、23日は絶対にいいゲームをして勝たないといけない試合だ。
祭りにしないと、絶対にいけない。