強い。
広島は今節も4ゴールを奪い、格の違いを見せつけた。
こんなに大量点が続くことは、どんなにレベルの違いがあってもそう起こることではないだが、それほど「強い」というしかないね。
相手のストロングポイントと今の広島を照らし合わせ、どうにか試合の見どころを探り、危ない個所を煽ろうと躍起になっても、今の広島には無駄な作業のようだ。
山形の特徴は、まず堅守。そして長谷川と豊田を擁する強烈な前線。あとは、(特に左サイドの)サイド攻撃の上手さだった。
だがそんなもの、見事に蹴散らした。
山形にとってのこの試合は、ミスから先制点を許し、狙い通りの同点のチャンスをビックセーブで止められ、その直後にセットプレーで突き放された、非常に悔いの残るゲームだと思う。
「もし」や「たら」や「れば」を、限りなく言いたくなるゲームだろう。
だが、僕はそこに広島の強さがあるのだろうと思う。
試合の勝敗を分けるのは、「なんだかんだいってゴール前」これが僕の持論だ。
何10回のチャンスも、ピンチも、サッカーでは時にまったく無意味。
逆に、チャンスは相手を奮い立たせ、ピンチは味方の栄養になることもある。
中盤の選手が走り回って試合を有利に進めても、サイドの選手が主導権を取り局面で勝っても、ゴールが、ゴール前がもたらす試合への影響力は、追随を許すものはないんだ。
この試合、寿人はチームの流れがよくないなかで、ワンチャンスをゴールに結びつけた。GK清水はボールに触れはしたものの、枠の外にははじき出すことはできなかった。
逆に山形のストライカー長谷川は、チームが作り出した絶好のチャンスを、昭大に阻まれ、決められなかった。
些細な差と言えばそうだろう。運不運と言ってしまえばそれまでだ。
だが、勝負はここで決まってしまうんだよね。
山形が広島より優れている部分は少なからずあったと思う。
だが、ゴール前の役者が明らかに違った。
この違いが、広島の持つ圧倒的強さの一番理由だと、僕は強く感じた。
佐藤寿人は、やっぱり特別。スペシャルなんだよ。
今節のゴールでJ1・J2通算100得点を達成。
この記録は、J2で奪ったゴールが41と多いのを本人は気にしていたけど、それにしても胸を張っていいすごい数字だと思う。まだ26歳なんだから。
カズ、ゴン、城、森島(C大阪)、藤田(名古屋)の5人しか日本人では達成しておらず、外国人も5人しか達成していない。胸を張ってもらいたい。
寿人は、まだこれからどんどんゴールを積み上げていってくれるはずだ。
広島では67得点。現在トップの久保の70得点も(なんだか抜いてほしくない気もするが)寿人が追い抜きトップに立つ日は遠くないだろう。
寿人がむらさきのユニフォームを着てゴールを奪っていく。それが記録として残っていく。その1つ1つを、広島のサポーターはともに喜ぶことができるんだ。これは広島のサポーターにとって素晴らしいことではないだろうか。
俺らには寿人がいる。なんとも誇らしい。
「おめでとう」寿人。そして、広島にいてくれて「ありがとう」。
もうJ1復帰はすぐそこだ。
負ける気がまったくしないから、C大阪戦では絶対決まるし、湘南や山形につまづいてもらって、ホーム・愛媛戦で決められたら最高だ。
みんな、どうやって喜ぶかをそろそろ本気で考えておこう。
あの悔しさを、晴らす時が来るんだ。