この勝ち点1をどう捉えるべきなのか、迷う。
「内容から見れば勝たないといけないゲームだった」。監督、選手からは同様の言葉が漏れた。
「勝ちゲーム」だったと思う。
前半に浩司が2度、後半に洋次郎が1度、決めなければならないビックチャンスを逃している。
あれを決めてい「たら」、広島の圧勝で終わっていた。
「3」がほしかったゲームだったし、手中にしていたゲームだった。
ただ、洋次郎や浩司は身体に鞭打って出場した。チームは疲労困憊だった。ストヤノフも不在だった。ミスから先制点を奪われた。
こんな厳しいゲームで勝ち点1を奪えたのだから、良かったのではないかとも思う。
「満足できないが、悪くはない」そんな勝ち点1ではないだろうか。
このゲームが勝ち点1となったもっともな原因は、やっぱり「チャンスを逃したこと」だと思う。
このゲームのターニングポイントは、64分の洋次郎がGKとの1対1を決められなかったプレーだろう。
あそこで2点差にすれば、かなり高い確立で勝っていたはずだ。
40M近くをスプリントしてGKと1対1を迎えた洋次郎は、素晴らしいプレーをした。
だが決められず、この素晴らしいプレーは、逆に相手の希望を膨らませることになった。
それにしても、「チャンスを決められない」問題はどうしたものだろう。
C大阪は今節ゴールを奪えず鳥栖に敗戦した。クルピ監督はゴールを奪えなかったことについて、こんなコメントを残している。
「一言で言うと決定力で、フィニッシュの精度という点で、実力がまだない。あれだけのチャンスを作っても、そこが原因。無得点で終わる試合はそう多くはないが、要因はそういうところ。
(その対策は?)常にやっていること。水曜日に試合がない週、1週間空く週は、クロスやフィニッシュの練習をやっている。それを続けるしかない。それを続けることで試合の中で決まってくる。さらには、フィニッシュという局面においては、やはりメンタルの部分も関わってくる。試合になれば、少しナーバスになり、練習でできていることができなくなる。そういう形でチャンスを逃すことがある。それでも、J2のなかでは一番シュート数が多いほうだと思うので、一言で言えば、やはり決定力が足りないということになると思う」。
ペトロヴィッチ監督もよく同様のコメントを発する。
「監督がどうこうできない部分」という趣旨のコメントをしたこともあった。
この問題に解決策を求めるのは、非常に難しいということだと思う。
どのチームも、どのカテゴリーでも、この問題に悩んでいる。
サッカーは決まらないことの方が多いスポーツだ。
だから、今勝ち点を積み上げていくためには、「決定力不足」の難題解消を求めるよりも、まずは守ることを考えるべきではないだろうか。
同点ゴールを決められてしまった。これをなくすことに力を注いだ方が確実だ。
この失点は、山口の素晴らしさがまず際立っていたと思うが、あの状況をつくられたことにそもそもの問題がある。
勝っていたのだ。カウンターを受ける理由がない。フリーでクロスを蹴られる理由がない。数的不利、もしくは同数で守らなければいけない道理がない。
3点目を取るために、あそこまでリスクを背負う必要は、ぜんぜんなかった。
そして、何度も素晴らしい攻撃参加を見せ1点目も演出した槙野が、競り負けてしまった。
槙野の職場はあそこだ。何をしにピッチにたっているのかと問いたくなる。
広島は、5ゲーム連続で失点し7つのゴールを奪われている。
現状は非常に危険な兆候と捉えるべきだろう。
昨季も夏場に差し掛かると、どんどん失点が膨れ上がっていった。
今季負けていないのは、攻撃陣の奮闘と相手の力不足によるところが大きい。
このまま失点が続くようだと、勝ち点を失うだけでなく、チームのバランスが崩れていく。
いまの広島に重要なのは、まず失点をしないことだ。
サッカーは、得点しなければ勝てないが、失点しなければ負けない。
今は、負けないことの方が重要な時である。
守備陣は、攻撃参加で力を発揮し守備で根負けしていては、本末転倒もいいところ。まずは全精力を守備に注ぎ込んでもらいたい。
リスク管理も、カズがボランチに戻ればかなり改善されるだろうが、チーム全体で再認識してもらいたい。
水曜日の愛媛戦もチーム状況はいぜん苦しく、正念場を迎えた広島はより深刻さが増している。
勝ち点を得るため、負けないサッカーに徹してもらいたい。
攻撃は、「寿人と洋次郎に託す」くらいの気持ちでいい。やってくれるだろう。
守備陣は守備に徹せよ。