むらさき: 2008年05月 アーカイブ

« 2008年04月 | メイン | 2008年06月 »

2008年05月 アーカイブ

2008年05月04日

J2 11節 vs山形
ドン引きに勝った

スコアこそ1-0と僅差だったが、広島の完勝だった。
連戦の疲労や26℃をこえる天候だったことを考慮しないわけにはいかないし、その中での広島のパフォーマンスは素晴らしかったと思う。
監督も選手も我慢強く戦えたことを勝因に挙げたが、相手は山形ではなく、自分たちだった。よく焦らず我慢して戦ったと思う。
この勝利は、とても大きい。


山形は、守ることしかできなかった。
前半はシュート0本。広島のミスからしか攻撃を仕掛けることができなかった。
後半に入っても大差はない。1点を失ったというのに、攻撃の圧力は本当に微々たるものだった。
まったく負ける気がしなかったね。
まあ、守りの部分では全員が切れずに頑張っていたし、粘り強く戦っていたと思う。
だが、今季ここでは「ドン引きしてきたチームを徹底的に叩こうと思っている」ので、叩かしてもらう。


山形が、最初から意図してやったのかどうかはっきりしないが、あそこまで守備的なサッカーをしてきたチームは、今季初めてだ。
ついに現れたか、という感じがするが、今後は必ず増えてくるだろう。
その相手から「ゴールを奪い、いらない失点を与えず」、とにかくきっちり勝ったことを僕は評価したい。


あそこまで守られては、勝敗の興味は薄れてスポーツとしての醍醐味がない。スリル感はまったくなく、第3者的には面白味のかけらもないゲームだった。
サッカーは相手が同人数いるわけだから、一方がどれだけエンターテイメント性に優れていようと魅力あるゲームにするのは無理だ。
相手がこの日みたいに勝利を放棄してきた場合、絶対に広島は勝利で終わらないといけない。
この日は15000人近くの観客がビックアーチに足を運んでくれた。
サッカーの醍醐味を見せられないのだから、勝利の歓喜は絶対に届けなければいけないのだ。


まあ、山形にも同情の余地はある。
ケガ人によりアタッカー不足は明白で、選手層も厚くない。連戦で走れないのだから引くしか手がなかったのだろう。
そして、広島の高い技術と2シャドーに振り回されて、混乱していたし守備だけで手一杯になっていた。攻撃したくてもすることができなかったのだ。
当たって砕けろ、ではプロではないし、この日のように勝ち点1でも持ち帰れるならという考え方も、僕は嫌いではないし、むしろプロとしてあるべき姿だとは思う。
だが、あそこまで引いては、今後に向けて得るものは何もなかったのではないだろうか。
山形はせっかく6ゲーム負けなし広島までやってきたのに、疲労を蓄え自信を失って帰っていった。


広島は、本当に我慢強く戦ったと思う。
『攻めていながらゴールを奪えず、前がかりになって安い失点を与えてしまう』
こんなゲームを去年は何度も見せてくれたが、そうならないよう、カズが中心になってしっかりバランスを保ち、守備陣は集中力を切らすことはなかった。
点をとった寿人も、よくあそこにいた。よく決めた。
槙野の勝利へのあくなき執念や龍一の常に相手に向かっていく心意気も、寿人の前にボールが来た要因だと思う。チームみんなで山形ゴールをこじ開けた、素晴らしい得点だった。
確かに、木寺、森脇、槙野、青山も、安易なミスでピンチを招いた。(J1なら失点していただろう)
山形のカウンターがJ1のレベルには程遠かった。(カウンターなんてなかったけど)
だが、僕はチームの成長を感じることはできた。


ただ、攻撃面で1つ言いたいことがある。
もっとシュートを打たなくてはいけない。
相手を完全に崩してからより確立の高いシュートシーンをつくろうとしても、この日みたいに引かれてはなかなかできるものではない。
強引にでも打つことで何かが起こる。(相手に当たってはいるかもしれない。それも1点は1点だ)
遠目から打って相手をビビらせること。(スペースができる。崩しやすくなる)
そういうプレーが必要だ。
とくに洋次郎。この日はキレキレだったし、山形は洋次郎に翻弄されていた。
シュートの脅威も相手に感じさせることができれば、もっと恐ろしい選手になることができる。
フッキほど打てとは言わない。フッキの1/10の意識でも持ってほしい。


次は仙台だ。このゲームが第1クールの山場になる。
仙台は3日に試合がなく、コンディションには歴然とした差がある。だが、それは言っても始まらないし、そんなことで勝ち点を失えない。言い訳にはできない。
仙台はなかなかゴールが奪えなかったが、ここにきて平瀬が力を発揮して明らか調子は昇り調子だ。
シュートを最多本数放っているチームだし、絶対に山形みたいに引いてくることはない。前半からガンガン飛ばして、前へ前へと圧力をかけてくるだろう。
疲労しきった身体には、本当にキツイ相手だ。


だが、広島の選手層は他チームを圧倒しているし、今節みたいに交代をうまく利用してチーム全員の力を使い切ることで十分対抗できる。
先発メンバーの選択ももちろんだが、ペトロヴィッチ監督のゲーム中の采配はとても重要だ。
交代選手のデキも勝敗を大きく左右するだろう。
誰がどういう役割を担うことになっても、その役割をまっとうしてもらいたい。


仙台戦、まずは相手のペースに引き込まれるのではなく、自分たちのペースで戦えるかどうかだ。アグレッシブな打ち合いは避けたい。
復帰していきなりの連戦が続きまだ4戦目になるが、カズの支配力がこのゲームの鍵を握るだろう。
そして相手は仙台だ。寿人のゴールで勝ちたい。

2008年05月07日

J2 12節 vs仙台
下を向く必要はない

森脇は、この日素晴らしいパフォーマンスを見せていた。
イージーなミスはなく、1人で相手のカウンターを何度も防いでいた。間違いなくDFとして今季一番のデキだった。
だが、最後の最後、中原に競り負けた。
どんなに素晴らしくても、1つのミス、1つの局面での負けが、チームの敗北を招くことになる。ディフェンダーとはそういう職業だ。
森脇には、この経験を糧にし、絶対に忘れることなく成長していってほしい。
そして、なんであのクロスが上がったのか、そこをチームで突き詰めてほしい。クロスを上げさせなければ失点はなかったわけだ。
あと、洋次郎が決めていたら勝っていただろう。一誠とハンジェもそう。もちろん公太も龍一もだ。寿人はシュートにさえたどり着けなかった。浩司と陽介は何もできなかった。
攻撃の選手も、森脇と同じくらい自分たちのミスの責任を痛感してほしいと思う。


仙台は弱かった。広島は疲れを感じさせないパフォーマンスを見せてくれた。
どっちも戦前の予想上回るものだったし、ここまで一方的なゲームになるとは思ってもいなかった。
前線からチェックにこずむやみにラインを上げてくる仙台は格好のカモで、両サイドの主導権も掌握していた。
ストヤノフが自由にプレーできるなんて、仙台は何を考えていたんだかさっぱりわからない。
だが、無謀ともいえるラインの高さと、8年目のデビュー戦だったらしい苦労人の萩原に苦しめられた。


洋次郎が演出した決定機を一誠が萩原にぶつけ、公太のクロスを鼻先で触った寿人の見事なシュートも萩原のビックセーブにあった。
ここで点がとれていたら、楽勝で仙台をチンチンにしていただろう。
だが、その後もいくつもあったチャンスを、広島は逃し続けた。
洋次郎は、この日のピッチ上の22人の中で誰よりもうまい選手だった。裏への走りこみも素晴らしく、仙台は捕まえることができていなかった。
後は本当に決めるだけだった。
前半終了間際には、公太のシュートがバーに弾きだされる不運もあり、前半はまさかのスコアレスで終わった。
広島のサッカーは、今季のベストではないかと思ったほどだったのに。


嫌な空気を感じていた後半開始だったが、48分のハンジェのシュートで流れをつかみ、広島は勢いを継続させた。
だが、ペトロヴィッチ監督が選手を代えるたびにチームの勢いは沈んでいった。
56分に洋次郎を下げ浩司を投入する。
おそらく最初からプランにあったんだろうが、なぜ洋次郎を代えるのだろう。
決定機を外し続けた罰か?浩司の決定力に期待したのだろうとは思うが、洋次郎を代えるべきではなかったと思う。
そして、58分にアオに代えて陽介も送り込む。ペトロヴィッチ監督らしい、判で押したような交代策だ。
確かに山形戦はうまくいったが、今回はさっぱりだった。
やはりこの男の采配を期待することはできない。
57分の大ピンチは木寺が防いでくれたが、仙台に攻撃を許すようになる。


広島とは対照的に、仙台の交代選手は流れを引き寄せた。
広島の疲れが見え始めたこともあったが、中原の高さと佐藤由紀彦のクロスは、仙台に希望を与えた。
その後、決して主導権を奪われたわけではないが、龍一も投入して強引にゴールをこじ開けようとした広島の最終ラインは、負担が大きくなり、当然それは相手にも言えることで、チャンスもありピンチもあった。
ここにきて勝敗の行方はまったくの五分になった。
両チームとも最後まで勝利だけを目指し、両GKが立ちはだかって緊張感を持続させ、素晴らしいゲームを繰り広げてくれたと思う。


83分、槙野がなんであの時間にあんなにパワーが残っているのか信じられないほどのオーバーラップを見せ、龍一に最高のラストパスを送る。
龍一は完璧なトラップをし、素晴らしい放物線を描いたシュートを放った。だが、無情にもポストに弾かれた。
あれは、運に見放されたというしかない。龍一のキックが正確すぎた。龍一を責める気にはなれない。
だが、あそこまでチャンスを決められないとなると、相手にもビックチャンスはやってくるものだ。
決めなければいけなかった。


この敗戦はただただ勝負に負けただけだが、精神面で大きなダメージを背負う負け方だ。
本当に、見ている方もやりきれないが、プレーしている方はもっとやりきれないだろう。
だが、これがサッカーでもある。
猛省してもらいたいが、自信をなくす必要はないし下を向く必要は全然ない。繰り返さなければいいだけだ。
ペトロヴィッチ監督にはチームをしっかりとチームを立て直してほしい。
もう一度選手に自信を植え付け、恐れを振り払ってもらいたい。
次節、連敗はできない。絶対勝たなければならない大事なゲームになった。
ただ相手はボロボロだ。しっかり勝って、また連勝を始めればいい。

2008年05月12日

J2 13節 vs福岡
成長している

まず、福岡は相当しんどいわ。というゲームだった。
福岡のサポーターの方々には申し訳ないし同情するが、足掻くにも足掻き方というものがあると思うし、さっぱりどうしたいのかわからなかった。
選手は思い切ったプレーができていない。それは指揮官が不安を取り除くことができないからだろう。
主従関係にもう限界があるんじゃないのか?
またすぐ6/15に福岡はビックアーチにやってくるが、どんなチームになっているか、興味深い。


まあ、相手のことはさておき、広島だ。
相手に付き合ってしまい消化不良の前半だった。
なぜ、洋次郎ではなく一誠を起用したのか(よりハードワークを求めたということだろう)よくわからないが、中盤のボールの収まりどころがなく苦労していた。
だが相手にチャンスは許すことなく、ゲームはコントロールしていた。
ゲーム運びに安定感が出てきたし、みんなも安心して見ていられるようになったんじゃないだろうか。


黒部はイリヤンのマークに全精力をつぎ込んでいたが、広島はイリヤンをつぶされても慌てなくなった。
やっぱりカズの存在が大きい。カズがもう1つの起点となってボールを動かし、ゲームを落ち着かせてくれる。
そして、森脇も槙野も成長している。
もっと判断を速くしてもらいたい場面もあるが、この2人が慌てなくなったことでミスが減り、自分たちからリズムを崩すことがなくなった。
彼らの売りである積極性は随所に出ていたし、とくに森脇の攻撃参加は効果的だった。
いい面がたくさん出るようになってきていると思う。


攻撃面はじれったかったが、浩司が吹き飛ばしてくれた。
1点目はまさに浩司の魅力が最大限に出た場面だろう(右足だったが)。
カズがドリブルで危険なゾーンに侵入(これは効いた)、寿人へパス。寿人の落としに走りこんだ浩司が決めた。
3人目の動きこそ浩司の最大限の魅力。ランニングシュートこそもっとも得意とする形だ。
いいゴールだった。1トップの広島にとって1つの理想の得点パターンでゴールを奪った。


後半は、福岡の動きがよくなった。
守備を捨てている右サイドの田中が、何度かチャンスをつくり広島を押し込む。
黒部のシュートなどは、完全に崩されたし相手に助けられた場面だった。
だが、なんとか我慢できた。集中力が切れずチームの意志統一ができていたからだろう。
だが、ただただ力任せに攻めてくる相手に、あんなに簡単に主導権を奪われてはいけないし、もっと早くに2点目をもぎ取らないといけない。
でも、我慢できたという事実は、失敗をしっかり学んで次に生かせているということだと思う。


そして、2点目がようやく入る。森脇が決めてくれた。
森脇も本当にうれしそうだったが、僕個人的にもうれしいゴールだった。やっぱり森脇には涙よりも笑顔が似合う。
素晴らしい左足のシュートを2本も放ったし、この日は気持ちが入っていたのは十分感じることができた。
しっかり切り替えてこのゲームに臨んだ森脇のメンタリティは素晴らしい。


そして浩司がとどめを刺し、広島の大勝でゲームは終わった。
連敗をしないことは昇格の1つの条件だし、前節の嫌な敗戦を払拭するいいゲームができたと思う。
仙台戦は本当に嫌な敗戦だった。陽介の負傷という昨季ならば頭を抱えたくなる事態もあった。
だが、今季は勝ちたい一戦で結果を出すことができている。
J2のレベルのおかげだと思う面は少なからずあるが、チームの底力は上がり成長していると思う。


今の広島には、しっかりとした芯がある。
カズと寿人と浩司が中心となって、ピッチ上でもピッチ外でも存在感を発揮してくれている。イリヤンはとても頼もしい助っ人だ。
ハンジェや公太も自らの役割をしっかりと果たしており、彼らに支えられて、槙野と森脇、洋次郎、アオ、龍一が伸び伸びプレーしている。
今のいいチーム状態を続けていくことができれば、いきなり大崩することはないだろう。
サッカーは何があるかわからないから負けることもあるが、そんなことで勝手に自らグラつかないように、3人がしっかりと支えていってもらいたい。


ただ、まだまだ物足りないところはある。
もっと完勝といえるゲームができるし、しなければいけない。
今節の終了間際にハーフナーに与えた決定機などは、絶対にあってはいけない。
どんなゲームでも起こる課題をしっかりと見つめて、シーズンを過ごしていってほしい。
J2に属する相手に対しての勝利で満足していてはダメだ。広島は別次元の勝利を目指さないといけない。


次節の相手鳥栖はいいサッカーをしている。
ここまでの戦いで得た自信を広島におもいっきりぶつけてくるだろう。いいゲームになると思う。
ただ、確かなクオリティの差があるし、走り勝てれば結果はついてくるはず。
負けるということは走り負けたということになる。
それだけは許さん。今節の大勝で生まれる慢心が、すこし怖い。

2008年05月18日

J2 14節 vs鳥栖
ポゼッションと2シャドーの進歩

鳥栖があそこまで引いてくるとは。
もっと攻撃的な精神を持った監督だと思っていたし、チームだと思っていた。
鳥栖戦はいいゲームになるだろうと思ってたのに、残念だった。
ただ、前からプレスを仕掛けてアグレッシブに攻撃的に、という鳥栖のやりたいサッカーは、広島のクオリティの高さに圧倒されてしまい、やらせてもらえなかった、というのが正直なところだろう。


鳥栖はとてもオーソドックスに選手を配置している。わかりやすい4-4-2だ。
変化をつけられるスーパーな選手もいないためまったく驚きがなく、守っているほうとしては守りやすい。
J2で同システムで戦っているチームは多いが、湘南にはアジエル、仙台にはリャンや関口、C大阪には香川やジェルマーノがいて変化をつけられる。
彼らのような選手がいない鳥栖は、堅守とチーム全体のハードワークで埋めていかなければならない。
ハードワークで相手を凌駕して先手を取り、自分たちのペースに引き込まなければ堅守だけのチームになってしまうのだ。


このゲームがその典型だろう。
広島のパス回しに対して、行けなかったのか、行かなかったのか、そこは定かではないが、ハードワークが効かず自分たちの形にはめこめなかった。
よって、自軍に引きこもるしかなくなってしまった。
ただ、そういうプランもゲーム前からあったのだろうと思う。引きこもりをいとわず、最後は許さずに我慢して戦っていた。


しかし、どれだけ頑張ってもあそこまで攻撃ができないといつかは崩れるものだ。限界がある。(サッカーではまま守りきれることがあるのも確かだが)
攻撃の手がまったくと言っていいほどなかった。
藤田と金の2トップは、もっと近い位置でプレーしてなんとかロングボールをコンビで自分たちのボールにすべきだったが、守備に追われてまったくキープできなかった。
選手交代で勝負に出れるほどのカードもなく、勝利はもちろん、ゴールもとてつもなく遠かった(仙台にはこれがあった)。


だが、鳥栖にこんなサッカーをさせた広島のポゼッション能力を高く評価すべきだと思う。
槙野と森脇は、どんどん自信を膨らませて落ち着いてプレーできるようになった。
イリヤンやカズのすごさは、いまさら書くことでもない。
相手のプレスに慌てなくなり、信じられないような単純なミスはなくなった。
ここまで13ゲームを戦ったが、ポゼッションの力は素晴らしく進歩していると思う。


そして、2シャドーが効いている。
相手にとってとても捕まえづらく、相手に混乱を招く存在になっているのだ。
相手が4-4-2の場合(J2のほとんどのチームがそうだが)、2シャドーをボランチがマークするのか、それともSBがマークするのか、これが難しい。


まずは寿人をCBの2人で見ることになる。
そして2シャドーをボランチが見た場合、カズとアオにプレッシャーに行けなくり、好き勝手にやられる。
じゃあ2シャドーをSBが見た場合、公太とハンジェのマークにまで手が回らなくなり、クロスを浴び続けることになる。
カズとアオに対してはFWの1人が下りてきて、公太とハンジェにはサイドハーフが見れば人数は足りることになるが、じゃあいつどうやって攻めるんだ、ということになる。ストヤノフを自由にするわけにもいかない。槙野も森脇も攻撃に絡んでくるし。
だから、相手はもう下がってゴール前を固めるしかなくなってくるわけだ。


今のところ、捕まえるのは無理として、ラインを高く上げて2シャドーがプレーできる範囲を狭めるのが最善の手だろう(仙台と甲府はそうしてきた)。
だが、これはCBが寿人に勝たなくてはならないし、前に強いGKも必要。リスクがとても大きく、1つ間違えば易々ゴールを与えることにもなる。
どんどん成熟してきている2シャドーシステム、もっともっと発展の余地があると思うし、もっともっと2シャドーの2人がゴールを奪えるはず。
今後がどんな完成形を見せるのか、とても楽しみだ。


ただこのゲーム、完全に支配していながら、なかなかゴールを奪うことができなかった。
クロスを送っても見方に届かないし、寿人が抜け出してもファウルまがいに止められた。
鳥栖の強い気持ちは評価すべきだし、あそこまで引かれてはなかなか難しいものだが、ゴールをこじ開けるための工夫をベンチも含めもっとすべきだろう。
まずはペトロヴィッチ監督だ。
自分たちのペースでいいサッカーをしていたのはわかる。だが、選手交代で少し矛先を変えてみるだとか、工夫がほしい。
いつか入るだろうでは、仙台戦のようによくありがちな事故にあうこともある。
何のためにFWを3人もベンチに入れているのか。使わないのならそんなリスクを犯す必要もないのではないだろうか。


そして、もっと1プレーの質を高めていきたいのも事実だ。
クロス、ラストパス、シュートの質が上がれば、簡単に勝てるようになり、完全に勝てるようになるんだ。
そこを追求していってもらいたい。
鳥栖に対して、速い時間帯に1つゴールが奪えていれば、3点4点と奪うことも可能だった。


負ける要素なんてまったくないほど圧倒的に支配して勝ったのに、なんだか消化不良で喜べない。
こんなゲームで納得してほしくない。
最後にまさかと思わせられるのも納得がいかないし、完全勝利を求む。
ペトロヴィッチ監督には、チームの全戦力を的確につぎ込んでもらいたい。
選手たちには、もっともっと「違い」を見せ付けてもらいたい。
こんな場所から勝利を持ち帰ったからといって、結果だけで満足できるほど広島は低い次元のチームじゃないんだから。

2008年05月22日

J2 15節 vs横浜FC
偉大なカズと龍一の精神

いいゲームだったと思うし、いい勝利だったと思う。
なかなかゴールが決まらないイライラは募ったが、そんななかで訪れるゴールは本当にうれしく、鬱憤がたまっていた分だけ歓喜の爆発力が増す。
1つのゴールの重みをこれだけ感じられることが、サッカーの醍醐味の1つでもあるし。
ただねぇ、気持ちよくすっきりと不安なく勝ちたいよ、たまには。
まず勝利を求めた上でだから、贅沢だと思うけど。


横浜FCは、キングカズもおらず三浦淳もいなかった。
得点ランクトップを走っているアンデルソンはいたが、ボールが入らないのでまったく怖くなかった。
とくに前半は広島の一方的な展開。八田を中心に最後のところで跳ね返していたが、攻撃らしい攻撃を横浜FCは仕掛けることができなかった。
広島のポゼッションの前に手も足も出ず、当然のようにゴール前を固めてきた。


横浜FCは、奪ったボールを攻撃につなげるところで失敗していた。
なぜなら、そこに「俺たちのカズ」がいたからだ。
カズがことごとく相手の攻撃の芽を摘み、相手に攻撃の足がかりを与えなかった。
カズの素晴らしさとは、ゲームの流れを読む力や危険地域を察知する能力にあるが、その上に昨季のDFでの経験から、最終ラインの前で激しく守備をすることの大事さを学んだのだと思う。
カズが中盤でルーズボールに食らいつく姿を頻繁に目にすることができるはずだ。


2、3年前のカズは、少し淡白にも見えた。一生懸命が見ていて伝わりにくい選手だった。
スライディングタックルを思い出す人は少ないのではないだろうか。
ただ今年は違う。気持ちが伝わってくる選手になった。
この変化は、昨季の苦い経験が確かにプラスになっていることの証明だと思う。
頭の中でサッカーをしていたカズが、頭を使いながら身体を張ってサッカーをする選手へと変貌したのだ。
ピッチの中央でカズが身体を張ることで、相手はカズをかわすのではなく踏み越えていかなければならない。
チームメイトも「俺もやらなければ」と思うだろう。
背番号8は、ピッチ上の指揮官としてチームを操るだけでなく、立ちはだかり奮い立たせてもいる。


ゲームを決めた龍一の精神もこのゲームの見どころだった。
ピッチに登場後、龍一はただひたすらにゴールへと突き進んだ。この姿勢が広島の攻撃を最加速させ、決勝ゴールにつながったのだ。
龍一は、広島では貴重なドリブルで相手に向かっていける選手。シュートを打つことにもまったく迷いがない。
パスがさばけて運動量も多く、たくさんのことができる浩司や洋次郎は素晴らしい選手だが、龍一のようなゴールを奪うことを仕事にしている選手が必要ではないだろうか。相手はより怖さが増すのではないだろうか。


ゲームを支配してチャンスを数多くつくるためには、今の2シャドーシステムは非常に効果的だと思う。
ただゴールを奪うためという観点で見れば、物足りなさを感じる。
まず2シャドーでゲームを支配して相手を疲弊させ、途中から龍一などのFWを投入して、ゲームを決めにいくのは悪い選択ではないと思うが、速い時間帯にゴールが奪えるとゲームの展開が楽になる。
2シャドーでつくれるたくさんのチャンスを決めれるようになればいいが、そこには運や実力だけではない気持ちも含めた何かがある。
龍一のキャラクターは広島では異質だ。もっとうまく生かしたい。
今後ペトロヴィッチ監督には熟考してもらいたいポイントだ。


さて、今節で第1クールが終わった。
勝ち点32を取り首位。この成績は悪くはないと思うし、いい方だと思う。
2敗は気になるが、慢心を防ぐためには良薬になるだろう。
今の広島は、自分たちの形が出来上がりつつあり、自信をみなぎらせている。
高いポゼッション能力とリスク管理能力でゲームを支配できている今のサッカーを続けていけば、そう簡単に負けることは考えられない。
選手監督も手ごたえを感じているはずだ。
この自信こそが第1クールの最大の収穫だと思う。


一年でのJ1復帰。この十字架を背負ってスタートした今季は、少なからず誰の頭にも不安があったはずだ。
だが、この不安は第1クールで打ち消すことができた。
あとは、訪れるだろうアクシデントや悪い流れの時期を、チーム一丸となって乗り切り断ち切ることが出来るかだ。
まだまだ1/3を消化しただけだし、これからいろいろなことが起きるだろう。
まず必要なのは、今のサッカーを自信を持って貫くこと。
簡単にグラついてしまっては、崩壊へ向かうだけだ。
(まあこの貫くというのは、ペトロヴィッチ監督の権化みたいなものだから心配ない)
ただ、状況に応じて臨機応変に対応することも大切だ(ペトロヴィッチ監督の苦手分野)。


第2クールは、さらに負けない力をつけてもらいたい。
負けないゲームをする力を、しっかりと自分たちのものにして、チームを成熟させていってもらいたい。
そして、まだ稼動していない外国人とドラゴン、あと10番をチームに組み込んで勝負の第3クールに向かうことができれば最高だ。
03年は第2クールに壁が立ちはだかっていた。
クラブとしての成長した姿を見せてもらいたい。

2008年05月26日

J2 16節 vs草津
草津に敬意を表す

草津は大方の予想を裏切って、前からプレスをかける非常にアグレッシブな戦いをしてきた。
挑戦者たるものこうでないといけない。
草津にはイエローカードが6枚も出たが、それだけ彼らの気持ちが入っていたということだ。素晴らしいファイトだった。
このゲーム、まず草津に敬意を表したい。
(とてもえらそうだが、草津は本当にいいチームだと思った)


広島は、この戦法に慌ててはいなかったと思う。
ただ、いかんせん身体が動いていなかった。
連戦の疲労やあの暑さを考えればわからないことでもないが、草津も条件は同じだ。(移動を考えれば草津の方がハードだった)
気持ちで相手に押し込まれてしまった面はあったと思う。


ポゼッションのところで草津のプレス網に引っかかり、熊林、松下、島田ら技術のある選手にボールを回されて、立ち上がりは相手のペースに引き込まれた。
ただこの時間帯に失点しなかったことは、チームの成長の一部だと思う。
一時の混乱を乗り切った広島は、徐々に草津DFラインの裏にある広大なスペースを突いて、チャンスをつくり始める。
しかし、洋次郎の素晴らしい動き出しでチャンスはつくるのだが、洋次郎が決められず、ここ数ゲーム続いている決定力不足に泣かされて、決定打は奪えないでいた。


27分、広島が力技でPKを奪った。
相手が軽率でラッキーな面もあったが、寿人のうまさが勝った。キッカーは浩司。
しかし、この大チャンスも広島は逃してしまう。
このゲームの草津GK本田のパフォーマンスは絶品であり、その後も洋次郎との1対1を防がれた。
嫌な空気を感じたのは僕だけではなかったと思う。
だが、広島はさらなる力技でゴールをこじ開けた。
時間帯も形も、草津にとっては痛恨で、広島にとってはとても大きいゴールになった。
首位に立ち続けるためには必要な勝負強さを発揮してくれた。


リードを奪われた草津は、後半になっても戦い方を変えなかった。
草津は最後まで足が止まることなく戦っていた。
もし攻撃陣を連れてくることができていたら、もっと思い切り勝負を賭けられただろう。植木監督は悔しかったはずだ。
リードした余裕のある広島は、裏へのロングボールで決定機を少なくない回数迎えた。
だが、寿人のシュートはバーに弾かれ、その他もろもろ、結局追加点は奪えなかった。
龍一もキレを欠いていた。
なんだか釈然としないものは、なかなか解決することはできないでいる。


草津は残り5分でパワープレーを仕掛ける。
だが、広島は落ち着いて跳ね返した。
カズのパスカットはさすがだし、この時間帯でやらなければいけないことを選手たちも理解していたと思う。(ハンジェのシュートは不可解だったが)
苦しんだゲームできっちり勝ち点3をものにし、第2クール初戦ということを考えても、非常に大きな勝利になったと思う。
こういう強さを見につけていかなくては、長いシーズンを乗り越えることはできない。


今後広島に対して、相手は引いてくるか、前からアグレッシブにくるかのどちらかだろう。
ここまで広島が脅かされた、今節の草津や甲府や岐阜(仙台は10年に一度のラッキーで勝った)は前からきているため、前からくる相手が増えるのではないだろうか。
愛媛やC大阪などどっちつかずの相手は絶好のカモになるし、10年に一度のラッキーを期待するわけにもいかないはす。
まあ、第2クールは広島を止めるためあの手この手を準備して、鼻息荒く立ち向かってくるだろう。


広島は、それをしっかりと跳ね返していかないといけない。
前からこられた時、やっぱり欠かせないものは運動量になる。それをは再確認できたはずだ。
ペトロヴィッチ監督は走れる選手を起用すべきだし、選手たちは、気持ちでも質でも量でも、シーズン終了まで走り続けないといけない。
今から暑くなる。その時の対応策も用意しておくべきだろう。
今、守備の安定はどんどん向上している。先に点を入れることができれば、今の広島は負ける可能性がとても低くなる。
先に点を取るため、少し矛先を変えてみることも必要だと思う。(もうこれは何度も書いてる。ストレートに言うと久保を使えということだ)


1ゲーム飛び、次戦までは2週間ある。
この2週間はいい休養になるし、再スタートを図る上でもいいタイミングだ。
まずはしっかりと頭と体をリフレッシュしてもらいたい。
そして、湘南、甲府と続く大きな山場を乗り越える力を蓄えてもらいたい。
ここを連勝できれば、連勝街道が待ち受けている。

About 2008年05月

2008年05月にブログ「むらさき」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2008年04月です。

次のアーカイブは2008年06月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

2008年10月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

日程・結果

39節 vs湘南(H) 2-0


天皇杯 3回戦 10/12
 vs大阪体育大学(秋田)

41節 10/25 vs鳥栖(H)

天皇杯 4回戦 11/2
 vs東京V(西が丘)

42節 11/9 vs仙台(A)

43節 11/22 vs草津(H)