むらさき: 2008年04月 アーカイブ

« 2008年03月 | メイン | 2008年05月 »

2008年04月 アーカイブ

2008年04月07日

J2 6節 vs岐阜
負けに等しい勝ち点1

この引き分けは、負けに等しい引き分けだったと思う。
ゲーム内容からすれば、勝ち点1はおまけみたいなものだ。
負けなくてよかったとホッとする気持ちもあるが、なんでこんなゲームになってしまったんだ、こんなゲームをしていたらダメだ、イライラのほうがつのる。


ゲーム序盤、広島はいつも通りゆっくりとゲームを進めた。
これはもうチームの共通理解のもとで行われている、狙い通りだったと思う。
だが、イリヤンが不在のため浩司やアオがいつも以上に低い位置でボールをさばかなければいけない。
中盤がなくなり、一発で裏を狙う単発の攻撃に終始してしまう。
寿人の動き出しと粘りでなんとか攻撃らしいものにはなっていたが、面白味のかけらもないものだった。
ただ、前半は岐阜をシュート1本に抑え、運よくセットプレーからゴールも奪えた。
内容にはたくさん文句をつけたいところだが、まあ許せる範囲内。結果としては、悪くはない前半だった。


問題は後半だ。
岐阜の攻勢に耐えるしかない展開を強いられ、同点に追いつかれた。失点の他にも2回シュートがバーに当たるなど運も味方してくれて、広島は引き分けにようやく持ち込んだという内容だ。
攻撃に関しては、久保投入も大きな効果を与えられないほど、非常に乏しかった。
2トップは完全に孤立し、コンビネーションプレーがまったくできないほど選手間の距離が遠くなってしまった。
後半は決定機ゼロ。
寿人が難しいシュートを決めてくれていれば、久保がトラップミスをしなければ、ゴールは奪えていたかもしれないが、それは個人能力に頼っていた今までのツケがまわってきただけだと思う。


なんでこうなったのか、一番の原因は最終ラインを上げられなかったことにある。
どうして上げられなかったのか。
風下だった事実も考慮したいが、やはり経験不足が大きく響いたと思う。
槙野の経験がイリヤンより浅いのは当然だが、失点を怖がってしまったのか、勢いに押されたのか、とにかくラインが深すぎた。
ゲーム展開を読む力と自信がなかったため、上げられなかったんだろうと思う。


最終ラインが上げられないため、中盤には大きなスペースができてしまい、セカンドボールは拾えない、前線にロングボールを蹴ってもフォローに行けない、悪循環に広島は陥ってしまった。
同点に追いつかれたことで開き直ってくれることを期待したが、さらに恐怖が増し、足が動かなくなっただけだった。
ペトロヴィッチ監督には、ラインを上げるために選手交代を行ってほしかったが、判で押したように龍一と久保を代え、ゲーム前から考えていただろう初出場の陽介をユキッチに代えただけ。采配と呼べるものではなかった。
経験のある戸田を投入するなりやり方はあったと思うが、そこを修正できなかった指揮官にもガッカリだ。


槙野の経験不足を槍玉に挙げるのは、確かに酷だと思う。
だが、若いからというメガネで槙野を見たくない。成長してほしいからこそ苦言を呈す。
僕は、この引き分けの要因の一番は槙野だと思う。しっかりと責任を感じてほしい。
怖がっては槙野の良さがなくなる。攻めの姿勢で守らなければ槙野が槙野ではないだろう?
いい経験になったはずだ。これを糧にしてもらいたい。


他にも、引き分けの原因はたくさんあった。
洋次郎の不在が中盤のトライアングルのバランスを微妙に歪ませ、代役を務めた陽介は運動量がやっぱり少なくて、2トップへのフォローが遅れてしまった。
イリヤンの不在と共に、洋次郎不在の影響も少なくなかった。
そして、チームに慢心があったのではないか。
運動量と玉際での厳しさに欠け、前半はのんびりした「勝てるだろう」という空気を選手たちに感じた。
もう一度、はっきりと自分たちのサッカーを見つめなおし、なにを目指しているのかを確認する必要がある。
悪い状態に陥るのは早いんだ。
それを防ぐために、とにかくチームみんなで立ち向かってほしい。


次節は、C大阪との大一番になる。
今節共に勝ち点3を奪えなかったため、どうしても勝ちたいゲームになるし、直接対決での勝利には、大きな意味が加わってくる。
ホームでのゲームでもあるし、勝ち点3は絶対だ。
イリヤンと洋次郎が復帰してベストメンバーで戦えるのは心強いが、チームをもう一度しっかり締めなくては。
ここで踏ん張れるか、C大阪戦は今季の最初の山場になる。

2008年04月11日

J2 7節 C大阪戦プレビュー
真の姿が見えてくる

今節C大阪戦は、とても大事なゲームだ。
広島は3勝2分で無敗と開幕戦からずっと首位をキープしており、悪くはない、いや良いスタートを切ることができたと思う。
ただ、ここ2戦を引き分けてしまったため、勝ち点は鳥栖と並んでしまった。突っ走ることはできなかったな、そう簡単にはいかねぇな、という印象だ。
とくに前節岐阜戦は、ゲーム終了後にブーイングが巻き起こっても当然の内容。勝ち点1を拾ったゲームだった。
3連勝後の2引き分け、まだ「つまづき」とはいえないものの、その始まりになりそうな予感を感じているのは、僕だけではないと思う。


今節もし敗戦をきっすれば、勝ち点でC大阪に抜かれてしまう。
今節の勝敗は、白がつくか黒となるかで、その後のチームに与える影響は、計り知れないほど大きくなると思う。
「勝ちたい」ではなく、「勝たなければならない」。
勝利が義務付けられる、序盤戦の大一番だ。
昇格のライバル争いでもあり、その後の戦いも考えると、まず先勝して力関係で上に立っておきたい。
勝ちたい要素を探せばキリなく沸き出てくる一戦だ。
もちろん、C大阪もそれは同じだと思う。
どちらかといえば、順位が下でもあるC大阪の方がその気持ちが強いのではないだろうか?
両チームがゲーム後に得るものと失うものの差は、とても大きい。


C大阪を迎え撃つ広島だが、前節で受けた傷は浅くなかった。
「話し合って解決していかないといけない」(森崎浩)課題が顕著に顔を出し、危機感をつのらせた。
この1週間でどこまで不安を取り除いてピッチの上に立てるかは、とても重要な要素になる。
しかし、不安や課題以上に今節に向けて好材料が多いのも確かだ。
まずストヤノフの出場停止が明ける。前節の課題の多くがストヤノフの復帰で解決するだろう。
ストヤノフに頼り切っていてはいけないと思うが、「イリヤンの変わりを探すのは難しい」(ペトロヴィッチ監督)スペシャルな選手。
頼もしき背番号2が、広島に安定感と落ち着きをもたらしてくれるはずだ。


そして、洋次郎の出場停止も明ける。
退場した水戸戦から3週間の間も、サテライトのゲームや練習を見る限り好調をキープしているのは一目瞭然であり、C大阪戦でもチームに大きく貢献してくれると思う。
陽介が復帰しレギュラー争いもこれから本格化する。
3連勝を牽引した洋次郎も、新たにここで結果を残したい気持ちは強いだろう。
洋次郎のパフォーマンスがこのゲームの鍵を握っている、と感じているし、とても期待している。


陽介もコンディションは上がってきている。
ビックアーチに初登場する「10番陽介」も当然ながらキープレーヤーの1人だ。
C大阪には同世代が多く、今評価を高めている香川もいる。
燃えないはずはないだろう?
格の違い見せ付けてもらいたいと思う。広島の10番が、負けてもらっては困る。
不安を頭から打ち消して、がむしゃらにプレーしてほしい。


「日曜日は攻撃的に戦わなくてはいけない」。ケガ人が復帰してきてベストメンバーが揃うためでもあるだろう、今週の練習の最初で、ペトロヴィッチ監督はこう話した。
今まで守備的にゲームを進め、FWの個人能力とセットプレーに頼ってきた攻撃に、ようやく本格的に着手しはじめたのだ。
もともと、ペトロヴィッチ監督の頭の中は攻撃が多くを占めている。魅力的な攻撃サッカーが身上の監督だ。
今までのサッカーは、正直あまりにも退屈すぎた。
どんな広島を見ることができるか。期待しようではないか。
今節からは、ペトロヴィッチ監督の描く広島の真の姿が見えてくると思う。


ただ、今のサッカーを変える必要はない。
今浸透している前線からの高い守備意識とハードワークを失わないまま、攻撃的姿勢を積み上げていくことが重要だ。
攻守は一体のもの。どっちかではなく、両方とも高いレベルを追求してほしいし、そうでなければ、昨季の二の舞となる危険性もある。
とにかく、チームとして一体感を持って戦うことだ。
攻撃や守備が大事なのではなく、どっちかに比重を傾けるにしても、チームが同じ方向を向いて戦ってほしい。


最後に、もう1人キーマンを挙げたい。槙野だ。
C大阪のFWカレカを封じることは、勝利するためには欠かせない要素だし、セットプレーでの攻撃力は大きな武器になっている。
攻守において、槙野は結果を変えることができ、槙野は活躍することで広島に大きなパワーを与える存在でもあるんだ。
前節のプレー振りは、誰に言われるまでもなく本人がもっとも自覚していると思う。
プレーで見返してもらいたいし、槙野ならやってくれる。


今節は、非常に楽しみな要素が多い。
今までとは少し違った、魅力があり楽しいサッカーを見せてくれると思うし、ケガ人が復帰してきたので、どういう手綱捌きを見せてくれるか、ペトロヴィッチ監督の采配も興味深い。
まあ、最初に書いたように結果がとても大事なので、負ければと考える怖いが、それを吹き飛ばしてくれるほどの、ワクワクがある。
日曜日は期待に胸を膨らませてビックアーチに行こうと思う。

2008年04月14日

J2 7節 vsC大阪
これが理想のサッカー

C大阪戦の後半の内容は、素晴らしかった。
酔ったよ。湿っぽい天気ではあったが、ようやく広島は美しい花を開花させてくれた。
今季ベストゲームだったことは間違いないし、昨季、いやペトロヴィッチ監督が就任してからを考えても、これほど強烈なインパクトを残したゲームはなかったのではないかと思う。
相手が相手だったということを差し引いても、広島のサッカーは魅力に溢れていて、見ている方もプレーしている方も、楽しかったし楽しそうだった。
その上で結果も言うことはない。
こんな幸福なゲームはそうそうあるもんじゃないと思う。
だが、このサッカーができることを見せてくれた彼らに、さらなる期待を抱くなというのは無理な話でもある。
まだまだできると、僕は思う。


まず、やっぱり1トップ2シャドーだ。
寿人を1トップに配置し、洋次郎と陽介の2人がトップ下に並んだ前線は、素晴らしい機能美を見せてくれた。期待以上だった。
この布陣の特徴は、寿人がもともと真ん中で構えるタイプのFWではないだけに、寿人の特徴を消さずに陽介と洋次郎が高い位置でプレーできるかがとても重要だ。
寿人が1人前線で孤立してしまっては、前線のターゲットが2トップのときより単純に1つ少なくなってしまう。そうなってしまうことだけは避けなければならなかった。
2シャドーを生かすための布陣だが、寿人の特徴を消さずに、という前提がなければ、機能するはずがない。


そんな杞憂は、洋次郎が吹き飛ばしてくれた。
洋次郎はもともとセンス抜群のパサータイプの選手だが、運動量はチームでもトップを争うほどある。スペースへのフリーランニングを繰り返し、彼の持つセンスをさらに引き立てていた。
洋次郎が寿人を再三追い越して飛び出していったため、C大阪の守備陣は、寿人がサイドに開いたりくさびを受けに下がった時に、ついていけなくなってしまった。
そして陽介も、足元でボールをもらって勝負を仕掛ける選手であると同時に、スペースを見つける目とフリーランニングが特徴だ。
もともとボールを持たせたらうまい2人がスペースへどんどん飛び出してもいくため、前を警戒していいのか、裏を警戒すればいいのか、躊躇いが生じたC大阪のDFラインは混乱に陥っていた。


1トップ2シャドーがもっともそれぞれの特徴を出したのが、4点目のシーンだったと思う。
陽介が前を向いてドリブルを始めると、左サイドにいた洋次郎がマークを引きずりながらPAを横切るように斜めに走る。洋次郎開けた大きなスペースに走りこんだ公太は完全にフリーだった。陽介にとって公太にスルーパスを通すのは難しいことではない。
GKと1対1になった公太は、惜しくもシュートをGKに当ててしまったが、そこにはストライカーの寿人がいた。
完全に広島が狙いをもって相手DFラインを崩してのゴールだった。
洋次郎のスペースをつくるダイナミックな動きと、陽介の創造性と高い技術。そして寿人の嗅覚。
1トップ2シャドーが機能していたことを証明するゴールだった。
寿人は結果2得点の活躍。最後に寿人がシュートを打てる位置に入れていたことも、この布陣の成功を証明していると思う。


広島のサッカーは、もともとパスサッカーである。
ショートパスをつなぎながら、縦パスが入った瞬間などに連動して2人目3人目が動き出し、たくさんの人数が攻撃にかかわってフィニッシュへ向かう。
そんな形をいつも繰り返してトレーニングを積んでおり、理想的なんだ。
だが、今まではストヤノフのロングボールに頼ってきた。それは、ショートパスをつなぐということは、奪われた時のリスクを背負わなければならないからだった。
だがこの日は、中盤に多くの人数がいて、選手同士の距離感が非常に良かったため、パスの選択肢がたくさんあり、みんなが分かり合って連動して動けていた。
だからストヤノフのパスがアクセントになるくらい、ショートパスがつなげたのだ。


このサッカーができれば、相手は関係なく広島は勝てるはずだ。
絶対にこの感覚を忘れてはいけない。
だが、前半は相手も運動量があり、中盤でのマークが曖昧になってしまってC大阪に押し込まれていたように、90分を通して自分たちのサッカーができなかったのは事実だ。
ただ、もちろんそれができれば理想的だが、相手の時間帯の時がくるのは当たり前なのがサッカーでもある。
そういう時は、みんなで我慢することだ。
C大阪戦は前半我慢できたことが後半につながった。
苦しい時間帯をみんなで感じること。そして、それを打開するためにやらなくてはいけないことを、みんなで分かり合うことが大事になる。
あと、とにかくこの日は運動量で勝っていた。後半はC大阪を圧倒的に上回る運動量だった。
広島のサッカー、とくにこのシステムでは、運動量がどれだけ大切かということだ。


C大阪戦は、理想的で娯楽性に溢れたサッカーができたことは確かだし、これだという形を見つけることができた。
たくさんの収穫を得ることができた一戦だった。
だが、続けることこそが何よりも重要だ。
甲府戦は、おそらくたくさんの人がビックアーチに駆けつけてくれると思う。
ゴールショーの再現を、それ以上を期待して足を運んでくれるはずだ。
あれは夢だったのか ― 
そうではないことを証明してもらいたい。

2008年04月21日

J2 8節 vs甲府
顔を出した問題

第1クールは無敗でいきたかったし、このゲームに勝てば1人旅が始まる可能性もあったが、それはならなかった。
甲府に、また負けてしまった。
しかし、この負けはいい教訓にすればいいと思う。
いや、そうしなければ本当にもったいないゲームをしてしまったことになる。


内容はひどいもんだった。
素晴らしい形で先制点を奪ったのに、「集中力が欠けた」としか言いようのない失点。昨季多く見られた失点パターンで相手にリードを許した。
開始早々先制点が入り、気の緩みもあったのではないか。
悪い流れになった時間帯に我慢できなかった。
悪い流れを打開するために、柔軟に対応できなかった。
3つの絶対見逃せない大きな問題点があった。
まあ1つ目は言語道断であり、気持ちの問題、以後ないようにしてもらいたい。
ただ、残る2つはペトロヴィッチサッカーが常に直面している問題であり、それがついに顔を出したのではないかと思う。


甲府は、広島のサッカーをつぶしにきた。
「自分たちのサッカーをしよう」というのではなく、とにかく広島のサッカーをさせないことに念頭にゲームに入ってきた。
大木監督がこれまで率いていた甲府のサッカーは見る影もなく、ショートパスをつながず、裏へ蹴り込んで前からプレスをかけてくるだけ。
正直、甲府のサッカーは退化していたと思う。


だが、広島はこのサッカーにあわててしまう。(だから情けなさがつのるのだが)
ストヤノフには少しの自由も与えないようにマークにつかれた。浩司とアオのダブルボランチにも、甲府は勇気をもってアタックに来た。(この勇気は素晴らしいと思う)
よって、プレス網をかいくぐろうとしてミスを連発してしまう。
自分たちのやろうとしていることができないため、流れが悪くなり、焦りが生まれて足が動かない。
相手のペースに引き込まれて、受身になってしまった。
この状態が、先制点以後、前半は続いた。


失点の仕方も、混乱と意気消沈に拍車をかけた。
崩されたわけでもなく、なんでもないところから2失点してしまった。
今季のテーマでもある『我慢』、これができなかったに尽きるが、もったいない失点だった。
あんな失点をしていては、勝つのはとても難しくなる。
我慢できなかった理由は、苦しい時間帯が長く続きすぎ、それを打開する解決策すら見つけれず、ただ耐えなければならなかったことにある。
苦しい時間は来るものだが、その時間をどうやって耐えるか、どうやって打開していくか、それがチームの中に見えてこなかったのだろう。
余裕がまったくなく、あたふたしていた。


広島にとって、3バック対3トップとなるやりにくい相手。前からプレスに来られたら、なおやりにくい。
このペトロヴィッチサッカーの明白な弱点と、甲府のはサッカーははまる。だから甲府とは分が悪い。
ただこれは戦前から十分に予想できたことでもある。
なぜもっと柔軟に対応できなかったのだろう。
相手が前から来るのなら、中盤を省略して前線に人数を割けばいい。寿人のスピードは有効だったし、洋次郎と陽介を前に張らせ、ひとまず蹴っておいて相手のプレスを無力化してしまえばよかった。プレスの足を止めてから、後方からつないでいけばいいのだ。
ゴールへ向かうための攻撃ではなくても、相手の嫌がる攻撃をすればいい。
例えそれが自分たちのサッカーに反するとしても、相手の狙いに正面からぶつかる必要はないのではないだろうか。
少し頭が固すぎる。
プレスをかいくぐる質の高さを求めているばかりでは、限界があるのではないか。
こだわり続けていたら、このゲームの二の舞を、また見ることになるような気がする。


後半は、一方的に攻めた。
運動量が増し、相手のプレスをかいくぐれるようになる。
リスクをまったく省みず、強引に数で押した。
カウンターを受けるピンチは、甲府攻撃陣の個人能力の低さに助けられた。
そして、4バックへの以降し、サイド攻撃とくに右サイドが活性化して、さらに攻め立てた。
(森脇の生き生きとしたプレーは、4バックの魅力の一端を見たような気がする)
しかし、ゴールを割ることはできなかった。
久保をベンチに入れていなかったため、ターゲットになれる選手がおらず、甲府の守備網に穴を開ける力強さがなかった。
陽介のパフォーマンスが低く、意外性もなかった。
力強さと意外性を欠いてしまっては、広島の攻撃は守りやすい。
甲府の粘りは確かに賞賛すべきものだとは思うが、広島の攻撃はゴールの予感さえしないままタイムアップを迎えた。
ミスを数えれば限りない。この負けは当然といえるものだろう。


今節は、隠れていた問題点が顕著に現れてしまった。ただこれは悪いことではないと思う。
今季初黒星にショックは少なからずあるだろうが、確認しなければいけないことには、目をそらさず確認すればいいのだ。
この敗戦を次節以降に生かさなければ、本当にもったいないだけの敗戦、昨季の繰り返しになる。
それだけは避けなければいけない。
そして、はやく切り替えなければいけない。たった1敗で自信をなくす必要もない。
負け続けないことが何より大切だ。
次節までの準備期間の1週間と熊本戦は、とっても重要になった。

2008年04月27日

J2 9節 vs熊本
悪い内容の解決策は

連敗しなかった。勝って勝ち点3を奪った。
このゲームは敗戦を喫した後だったし、勝つことが何より重要だったから、ホッとしている。
確かに「勝った」と胸を張って言うことはできないが、どんな内容でも勝ち点3を積み上げていくことは、とても大事だ。
長いシーズン、悪い内容のゲームもある。そんなゲームでも、負けずに結果を残していかなければ勝ち抜くことはできない。
そういう意味で考えると、このゲームはとてもポジティブに捉えていいと思う。
悪くても、勝ったのだから。勝ち点3以外の収穫もあった。


だが、悪かった理由は検証しないといけない。
勝ったからといって見逃していいほど、根の浅い問題でもない。
「このサッカーでは勝ち続けるのは難しい」と多くの人が感じているはずだ。
何が悪いのかに目をつむっていては、同じことの繰り返しになってしまう。


甲府戦、熊本戦と、イリヤンにプレーさせないように徹底的に前線からプレスをかけられた。
広島のサッカーのまず第一のコンセプト「後ろからパスをつなぐ」の格であるイリヤンに、相手が狙いを定めてきたのだ。
こうなると、起点を失った広島はバタバタとしてしまう。前回も書いたように悪循環にはまってしまう。
これは、もう明らかな広島のウィークポイントといっていいだろう。


理想は、ボランチを含め最終ラインでつなぎながら、相手のプレス網を突破してトップやサイドにボールを入れ、多くの選手が連動しながらスピードアップして、コンビネーションを絡めて攻めたい。
だが、最終ラインでのつなぎが、イリヤンに自由が与えられないため、相手のプレス網を突破できない。
イリヤンの他に起点ができればいいのだが、今節復帰したカズも、守備面ではさすがだったが、攻撃面ではまだ勘を取り戻すのに時間がかかりそうだ。


槙野と森脇につなぎの安定感があれば、とは思う。
イリヤンがふさがれてもつなげるようになり、プレス網をかいくぐれるようになるだろう。
だが、彼らにそれを求めるのは酷だ。
ペトロヴィッチ監督は、それを狙ってカズをディフェンダーにコンバートしていたわけだが、その結果、昨季はディフェンスの負担が増大してしまった。
昨季の反省をふまえての、今季の選手起用になっている。
中盤の選手でどうにかしたい。


しかし、現状は中盤に大きな負担がかかっている。
昨季は、前線にウェズレイというターゲットマンがいた。
ウェズレイがいい状態の時は、抜群のキープ力を発揮して前線でタメをつくってくれていた。
だから、中盤の選手が上がるための時間や、チームが落ち着く時間があった。
だが、今季は前線でのタメがない。
寿人は裏への走りこみで、龍一は前を向いての仕掛けで素晴らしい働きを見せているが、タメをつくれる選手ではないため、中盤は息をつく暇がなくなっている。


下がってボールを受けようとしても相手は狙ってついてきており、最終ラインに余裕がないため、苦し紛れのパスが多くなる。そうなるとリズムが生まれないから、パスコースも少ない。ミスが起きる。
そして、苦し紛れのロングボールが頭を越えていくと、急いで前線にフォローに行かないと相手ボールになってしまう。
昨季は、フォローに行かなくても突破してくれる駒野もいた。
ペトロヴィッチサッカーの行き詰まりを感じずにはいられない現状だ。


さて、どうしよう。
解決策としては、中盤に、とくに今節ならば浩司と一誠に獅子奮迅の活躍を求めるしかないのではないかと思う。
最終ラインでのつなぎを安定させるため、後ろに顔を出してイリヤンとカズの負担を軽くし、自らは絶対にボールを失わない。
そして、2トップやサイドにボールが入ったらすばやくフォローにいく。時には2トップを追い越してゴール前にも飛び出さなければ、攻撃の厚みもなくなる。
そんなプレーを90分間続けてもらわないと、機能するのは難しいだろう。


あとは、久保の存在が1つの光となるのではないか。
久保であれば、昨季のウェズレイのキープ力を発揮してくれる。苦し紛れのロングボールでも高確率でキープしてくれるはずだ。
裏への抜け出しも、久保と寿人が2人で脅威を与えれば、相手の最終ラインも下がるしかなくなるだろう。
そうなると、中盤にスペースが生まれ、つなぎがやりやすくなる。
久保の能力と存在感に賭けてみる手は、かなり有効だと思う。


次節徳島戦まで、それにしても時間がない。
どれだけ修正できるか、にはあまり期待できないところだ。
よって、どれだけ選手がハードワークできるかにかかってくると思う。
今、広島にはとても重要な中盤を勤める選手がたくさんいる。
ペトロヴィッチ監督は、今のコンディションと今のプレーレベルを、しっかりと見極めて起用してもらいたい。
今季のキーワードは「我慢」だ。
ここは我慢し、「勝利を持ち帰るためには何をしたらいいか」。それだけを考えて選手たちにはプレーしてもらいたい。

2008年04月30日

J2 10節 vs徳島
頼もしいカズの復帰

苦戦してなんとか勝ち点を持ち帰った熊本戦。3日後に行われる徳島戦に非常に危険な雰囲気を感じていたが、そんな杞憂を抱く必要はなかったようだ。
9分の浩司の得点、そして10分の寿人の得点は、本当に素晴らしかった。
選手たちもしっかりと危険を感じていたんだろう。その決意をゲーム開始から体現してくれたことに、ホッとした。


ただ、そんなこともつかの間に、西河翔吾にゴールを許すという失態を演じてしまったが、また浩司が取り返してくれた。この1点でゲームは決まったと思う。
前半はジタバタした展開になったが、後半は落ち着いてゲームを進めることもできた。ゲーム中に修正できたわけだし、いいゲームだったと思う。
まだ課題は散見しているが、選手たちの強い意志と修正力が垣間見えたため、充足感を得ることができた一戦だった。


やはり、カズの復帰はとても大きい。
あからさまではなかったが、徳島もストヤノフにはしっかりとプレスをかけてきた。
そのため、森脇や槙野がいつもどおり混乱してしまいミスを繰り返してピンチをつくってしまったが、カズが「落ち着いて自分たちのサッカーをしよう」と、時には最終ラインに下がって4バックのような形になってもう1つの起点になり、後ろのつなぎを安定させようとしていた。
こういった柔軟な対応を、カズが状況を見て判断してくれるためゲームが落ち着く。
カズがいれば、ずっと混乱に陥ったままだった岐阜戦や甲府戦のような事態にはならないだろう。


そして、アオと浩司がこの徳島戦でイキイキとしていた。これもカズのおかげだ。
カズが後ろでのつなぎと守備面の役割を受け持ってくれるため、2人は特徴を存分に発揮できた。
浩司はやっぱり前で攻撃に多くかかわる仕事をした方がいい。2得点が何よりの証明だ。
アオも中盤の中央に居座るのではなく、動き回って前へ前へとプレーした方が本来のアグレッシブなアオらしさが出る。
カズの存在は、いたるところでチームに好影響を及ぼしてくれている。
本当に頼もしい男が戻ってきてくれた。


また、今節は1トップ2シャドーに戻ったわけだが、攻撃での流動性は少なくC大阪戦のような魅力を発揮できなかったが、相手への前線からのプレスという意味で効いていた。
相手にプレスをかければ後ろが狙いを定めやすくなり、アオやカズのインターセプトが多くなった。
いままで最終ラインを下げて守る形が多かったが、前で奪うことができれば、よりチャンスが広がるし、よりゲームの主導権を奪うことができる。
龍一やユキッチをシャドーにはめても、寿人とのポジションチェンジがスムーズになって面白いと思うし、この形をもう少し続けて、煮詰めながら柔軟性をつくっていけばいいと思う。


2点目の形、これを忘れないでで続けていってもらいたい。
奪われたボールをハンジェがすぐさまスライディングで取り返し、アオが拾ってクロスを送り、そこに寿人があわして得点が生まれた場面だ。
この得点は、まずハンジェのプレーがなければ生まれなかった。攻撃は守備から始まるということだ。
このハンジェのプレーをチームみんなで意識して続けていってほしい。
切り替えをはやくしてボールを奪い、相手の守備が整わないうちに攻めきることができれば、ゴールハンターの寿人がゴール前にいるわけだし、もっと得点を量産できるようになる。
この守備意識とはやい切り替えは、J1に上がった時を考えても、とても重要なものになることは間違いない。


徳島戦は、木寺の不安定さや森脇のイージーなミスなどもあり、悪い面も少なからず顔をのぞかせたが、いい面が多分にあり今後の道しるべとして、C大阪戦よりも参考になるのではないかと思う。
正直、徳島のパフォーマンスは低かった。
攻撃はドゥンビアの一手しかなかったし、CBのゴール前の弱さは隠しようのないものだった。
だが、そういう相手にきっちり勝っていくことこそ大事なこと。
力の差を結果に変えるためには、決めるべきところで決めること。そして相手よりも戦うことだ。
とにかく後者で上回ることができれば、明らかに質で上回っている広島が負けることはない。90分後にはおのずと勝利を手にしているはずだ。
このゲームへの強い意志は、今後も最低限のラインとして引いてもらいたい。


10節を消化し、広島は一度も首位の座を譲らずに君臨している。
勝たなければならないプレッシャーはあったと思うが、それをはねのけて下馬評どおりの力を示しているここまでの戦績は、及第点以上のものだろう。
まだGWの厳しい連戦が続くが、こういう時こそチーム全体の力が示される時。
甲府戦で見せたような慢心をなくし、好調な相手山形と仙台を迎えるホームゲームで連勝を続け、独走への足場を固めてもらいたい。


そのためには、背番号10の復調がほしいところだ。
まあ、おそらく、たぶん、そろそろ魅せてくれるだろう。

About 2008年04月

2008年04月にブログ「むらさき」に投稿されたすべてのエントリーです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

前のアーカイブは2008年03月です。

次のアーカイブは2008年05月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

2008年10月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

日程・結果

39節 vs湘南(H) 2-0


天皇杯 3回戦 10/12
 vs大阪体育大学(秋田)

41節 10/25 vs鳥栖(H)

天皇杯 4回戦 11/2
 vs東京V(西が丘)

42節 11/9 vs仙台(A)

43節 11/22 vs草津(H)