J2 4節 vs水戸この経験を忘れてはいけない (むらさき)

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J2 4節 vs水戸
この経験を忘れてはいけない

記者席でガッツポーズをつくってしまった。
いや、別に悪いことではないんだろうけど、いつもは抑えようとしている。
だが、このゲーム、あの瞬間だけは抑えることができなかった。


広島が苦戦するとしたらこんなゲームになるんだろう。
そんな典型的なゲームだった。
前半立ち上がりから、広島は手数をかけずゴーに一直線に向かい、チャンスを作り出した。
その中でも18分の李のシュートは、絶対に決めなければいけないもの。
そういったチャンスを逃すと、相手に流れが傾き、焦りが広島に生まれてしまうものだ。
「チャンスを決めていればぜんぜん違う試合になった」(ペトロヴィッチ監督)
水戸のGK本間の好守もあったが、広島のまず1つ目の自滅だ。


そして、洋次郎が退場してしまう。これは言わずもがな2つ目だ。
この判定に関しては、間違っていると思わない。
もっと主審はゲームをコントロールする意識を持った方がいいとは思うけど、洋次郎が軽率だった。
広島は、50分以上を10人で戦うことを強いられた。
だが、こういう苦しいゲーム展開は長いリーグ戦必ず来るもの。
「4節にして来たか、ここからどうするかだ」と、僕は逆に広島の底力を、ペトロヴィッチ監督の策を楽しみにしていた。
「うちと水戸の質を考えても、問題ないと思っていました」と寿人も話していたが、僕もまだまだ勝てると思っていた。
しかし、後半頭から久保を投入したペトロヴィッチ監督の采配には驚いた。


龍一に変えて久保を投入。久保に多くの守備は望めない。攻撃にシフトしてきたのだ。
セオリーで言えば、まずしっかり守って、チャンスを待ちたいところだ。
このセオリーでいくならば、久保の投入は、終盤の勝負どころ、もしくはリードを許してからだろう。
「攻撃は最大の防御だから」ペトロヴィッチ監督理由を話したが、彼の哲学、久保への信頼がよく現れていた。
そして、結果的にこの采配は大当たりだった。


しかしこの采配は、すぐに当たったとは言いがたかった。
後半、水戸も2トップに変えて攻撃の厚みを出してきた。
押し込まれた広島はそれをしのぎ切ることができず、54分にゴール前の混戦から椎原が放ったシュートをストヤノフが手で止めて、PK、退場を宣告される。
残り40分、9人で1点のビハインドを背負う最悪の展開になった。
失点はしたくなかったし、さらにもう1人減るなんて言語道断だ。
「かなりしんどいなと思った」のは寿人だけでなく、チーム全員の思いだっただろうし、僕も思った。


だが、そこから広島の見せた反撃はすごかった。
寿人は先頭に立って懸命に走り、チームにあきらめない意思を背中で物語る。周りの選手も奮い立ち、下を向いている選手はいなかった。
67分、寿人、公太、久保、各々がパーフェクトなプレーをして、鮮やかな同点弾を叩き込んだ。
久保投入の意味ここにあり。ペトロヴィッチ監督の策は間違っていなかったのだ。
ファーストシュートを、ハーフバウンドの難しいクロスを、しっかり流し込んだ久保はさすがとしか言いようのない決定力だった。


この1点で、スタジアム中が盛り上がった。「逆転もできる」と誰もが希望を抱いたはずだ。
しかし、身体は正直だ。9人の現実が襲いかかる。
中盤はなくなり相手にセカンドボールを拾われて、波状攻撃を受けた。
「最後のところだけやられないように気をつけていた。槙野と剛平さん中心に跳ね返して、そのこぼれを僕とアオで拾いたかったけど、なかなか難しくて」(浩司)。
なんとかしのいでいたが、盛田のパスミスから赤星に勝ち越し点を決められてしまう。
僕は、正直ここで心がほとんど折れた。


だが、サポーターは違った。心底尊敬する。
選手の背中を押し、下を向くことを許さず、「あきらめるな、あきらめていない」というメッセージを感じ取らなかったヤツはいなかっただろう。
「失点した後も奮い立たせてくれたし、勝ち点1はサポーターのおかげです」(槙野)
「応援があったからこそ2点目が生まれた」(ペトロヴィッチ監督)
その後の15分間、サポーター、選手、ユキッチを投入したペトロヴィッチ監督、みんなが一体になっていた。


槙野も、盛田もゴール前に攻め上がる。選手の執念はすごかった。
CKを槙野が執念で奪うと、ユキッチが走ってボールをセットする。
ラストプレーだった。ユキッチの蹴ったボールはファーサイドの盛田の頭を捕らえ、森脇の前に。
森脇はトラップミス、顔に当たってボールは浮いた。
だが、冷静に森脇はボールを捉えて、ゴールに流し込んだ。
すごい怒号だった。7,000人にも満たない観客数だとは、僕には到底思えなかった。
ぜんぜん僕のガッツポーズも許されると思う。


この1点の価値は、とても重い。
最後まであきらめず戦い、ビックアーチが一体となって奪った1点。
去年のたくさんの苦い経験が生き、真逆の立場へ移れた意味は、とてつもなく大きい。
戦前を考えれば、確かに勝ち点1では満足できない。「最低限の結果」(寿人)だ。
こんなゲームにしないようにする必要があり、自滅だけはしてはいけない。
反省するべきところはたくさんある。
ただ、全員が最後まであきらめずに戦い執念で奪ったこの1点は、絶対忘れてはいけない。
9人になってから見せた、一体感と闘志をスタジアム全体が共有すれば、すごい力が起こるんだ。
この経験はしっかりと心に刻み込んでおくべきだと思う。


すごいゲームだった。
いまさらながら、サッカーは素晴らしく面白いと思う。

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2008年03月24日 00:00に投稿されたエントリーのページです。

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日程・結果

39節 vs湘南(H) 2-0


天皇杯 3回戦 10/12
 vs大阪体育大学(秋田)

41節 10/25 vs鳥栖(H)

天皇杯 4回戦 11/2
 vs東京V(西が丘)

42節 11/9 vs仙台(A)

43節 11/22 vs草津(H)