むらさき: 2008年02月 アーカイブ

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2008年02月 アーカイブ

2008年02月27日

宮崎キャンプレポート
厳しい

1月25日に練習を始動した広島は、トルコ、宮崎と行ってきたキャンプも終わりに近づいた。
ゼッロクスを週末に控え、どの程度チームが仕上がっているのか。
1年でJ1に復帰するため、準備が整ったのか。
21日から26日まで宮崎に滞在して見てきた取材活動の成果を書こうと思う。
が、この作業は正直なかなか円滑に進まない。


まず、とにかく気になるのが負傷者だ。ざっと並べてみる。
カズはドイツで手術し、15日に全治1ヶ月と発表された。28日に着広予定。
陽介は、アキレス腱炎を起こしまだチーム練習にも参加できていない。「ホーム開幕戦を照準に」と本人は言うが、正直もう少しかかるだろう。
攻守でのキーマンを開幕から欠くことになる。
ただ、盛田はもうかなりのハイペースでランニングをしている。9日の開幕戦にはもしかしたら間に合うかもしれない。


トルコで負傷した洋次郎は練習に復帰した。ペトロヴィッチは大分戦を見て「まだまだ。玉際の激しさ、運動量ともに足りない」と及第点には程遠い評価を下し、本人も「100%ではない」という状態ではあるが、ペトロヴィッチの期待、洋次郎の決意は大きく強い。まあ、これからだ。
アオも戻ってきた。練習しては足に張りが出て休養を余儀なくされ、なかなか順調には進まないキャンプを過ごしていたが、身体の不安はなくなったようだ。
ただ、「ぜんぜんダメ。感覚が戻ってきていない」と大分戦を振り返ったように、実戦感覚はまだまだなのが現状。復活と呼ぶにはもう少し時間がかかる。


彼らが戻ってきてくれたのはうれしいニュースだが、一誠の負傷は痛かった。
「トルコから一誠を起用してチームをつくってきた」(ペトロヴィッチ)だけに、けがの重さはまだわからないが、本人にとってもチームにとっても残念な出来事だった。
ケガ人が戻ってくると、誰かがケガをしてしまう。
寿人、浩司、槙野、ストヤノフは順調に調整できているが、このケガ人の多さは計算外だったはず、キャンプの成果を問われるペトロヴィッチは、「ケガ人が多く出て、」と言葉につまっていた。


久保はどうなのか?
川崎戦では45分間出場してさすがの存在感を見せ、昇り調子なのがしっかりと見て取れた。だが、25日に足の張りをうったえて26日大分戦は出場を見合わせた。おそらく大きな負傷ではないと思うが、久保がケガをしたと聞くとゾッとする。ペトロヴィッチも言うように「時間はかかる」。焦らずゆっくりと調整を続けてほしい。
ユキッチは?
スキンヘッドで強面な風貌だが、物静かで紳士的に周囲と接しており、コミュニケーションも取れている様子だ。
プレーの方は、左足のシュートは確かなものを持っており、ボールタッチはやわらかく、パスもアイデアのある面白いパスを出せる。動きながらプレーする選手で、周囲との連携にもしっかりと気を配れる。
これからもっともっと日本と広島の戦術に馴染み、連携が深まってくれれば、結果を残してくれるのではないか。僕は非常にいい印象を持った。
ただ、典型的なストライカーではなく、これといった絶対的な武器のある選手ではない。ゴール数はそこまで伸びないかもしれない。


キャンプの収穫は、
若手が経験を積めたこと。これがまず一番だと思う。特にユースの高校生たちが何人もキャンプに合流した。彼らにとって持ち帰るものは大きかっただろうし、岡本や大崎はペトロヴィッチから高く評価されるプレーを見せていた。
そして、愛媛から復帰の森脇がディフェンダーとして使えるめどが立ったこと。あとは、久保とユキッチの新戦力が高い能力を見せていることだろう。
収穫は、正直これだけだ。


チームの仕上がり具合はどうなのか?
はっきり言って、大きな不満を抱いた。練習試合未勝利なのは百歩譲っていいとしても、その内容にとても厳しさを感じた。
天皇杯で見せてくれた広島のよかったところはどこかにいなくなり、昨季の悪かった広島が宮崎にいたのだ。
失点がやはり最大の問題といえると思うが、例えば、最初のセットプレー、人数は揃っていながらミドルシュートからの失点はなくならなかった。
「守備を意識した」(寿人)大分戦で、チームの守備意識の高さに助けられた守備陣は、しっかりとゼロに抑えたが、「まだまだです」(槙野)という現状だ。
これから、ゲームをやりながら、出てくる明確な課題をしっかりと話し合ってつぶしていくしかない。


攻撃の方は、まず「決めるところを決めないと」(浩司)だ。龍一、桑田がシュートを決めていれば、甲府戦は6、7点入っていたゲームだったし、川崎戦も大分戦もチャンスはできる。それをきっちり決めていく決定力は、常に練習から意識して高めていかないと、致命傷になる。
龍一も頑張ってはいるし、自分で考えて課題をつくって取り組んでいた。我慢しながら少しずつ積み上げていってほしい。龍一への僕の要求は、期待が大きいのでとても高くなってしまう。


そして、もう1つ気になるのはサイド攻撃。
駒野の穴にはハンジェが入っているが、当然ながら駒野の穴は埋め切れていない。
独力でチャンスを作り出していた駒野の存在は、やはりともいえるし、想像以上ともいえるほど大きい。
これは戦術を根本から覆さないといけない可能性も出てくるほどだと思う。
サイド攻撃が欠けた広島、駒野からクロスが入ってこない広島の攻撃を想像してみてほしい。楽観できない僕の気持ちもわかってもらえるだろうか。
ハンジェが悪いわけではなく、頑張っている。ハンジェにはハンジェのよさで勝負すればいいし、していると思う。
だが、サイド攻撃の仕方をチームとして考えていかないと。槙野や森脇の攻め上がりなど、新しいオプションをつくっていかないといけない。
攻撃面の課題は、陽介や久保、ユキッチで解消する可能性もあるが、まだまだ修正点は山積みだ。


ここまで、なかなか思うように広島はキャンプを過ごせなかった。満足な状態でシーズンに入ることはできなかったといえるだろう。
キャンプ終盤に入り、僕が見たゲームまた練習は、疲労のピークの中だったとは思うが、それを差し引いても、チーム内の雰囲気もそうだし、明るい展望を抱かせてくれるものではなかった。
ペトロヴィッチは、どうやってJ2を勝っていくつもりなのか。僕には具体的な変化や戦術的な狙いを感じることはできなかった。


今季は、ロケットスタートをかまして、そのままなにも言わせない強さを発揮して早々に昇格を決めてほしいと思う。
ただ、そうは簡単にはいきそうもない。苦難のシーズンが始まるだろう。 ―その「苦難」の理由はキャンプにあった。― いつか僕はそんなことを書きそうだ。
ゼロックス、この大会はとっても不安だ。大敗してしまわなければいいが・・・、なかなか勝つイメージが沸きでてこない。
ただ、一発勝負のカップ戦。PKでも何でも、勝ちは勝ちだ。
勝利できれば僕のこんな悲観的な想いも一気に吹き飛ぶだろう。
祈ろう。

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