なぜこうなったのか【後編】 (むらさき)

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なぜこうなったのか【後編】

今回は、ピッチ上での問題を書く。
こちらも、本当にたくさんの問題があった。
監督にも、選手にも、問題があったからこそ、こうなったのだ。
たくさんのことについて言いたいが、絞って書こうと思う。


まず監督、ペトロヴィッチについて。
この人は非常に頑固だ。自分のやり方と哲学は絶対曲げない強さがある。
強さと書いたら良いように捉えられるが、今回は頑固さが逆に出た。
昨季のいい流れを続け、今季もスタートは悪くなかった。
自分たちの信じるサッカーで結果はある程度得ていた。
しかし、その信じるサッカーには欠陥があった。
これは、普通のこと。パーフェクトなサッカーなんてありえない。
ペトロヴィッチは魅力的な攻撃サッカーを志すため、欠陥が生まれるのは当たり前だともいえる。


しかし、この欠陥を立て直せなかった。いや、もしかしたら立て直さなかったのかも知れない。
誰の目にも明らかだった欠陥をほっといたのだから、立て直さなかった、その能力がなかったというべきだろう。
6月、チームがバラバラになった。攻と守。本当は紙一重の一体したものが、別々になった。
8月、そのため守備陣が決壊する。
6月に起きた問題に、真剣に取り組まなかったツケが回っていた。
その後、この問題を選手たちは必死に解決させようとした。
だが、その解決法をペトロヴィッチがうまく提示できなかった。
これは、能力不足だと思う。
頑なにおのれを貫いた、という見方もできるが、僕は貫くしか術がなかったのだと思っている。


選手起用も頑固一徹だった。
僕は、あそこまで選手を信頼できるペトロヴィッチは、すごいと思う。
自身の首もかかっている中で、最後の最後まで信頼が揺らぐことはなかった。
だが、今振り返ればという形で、選手起用に誤りがあったことをペトロヴィッチは認めているように、その信頼は、さまざまな面で失敗だった。
信頼された選手、陽介やアオ、浩司やカズは、今季のこの経験は今後の成長をほどこすだろう。学んだことはとても多いはずだ。
しかし、起用されなかった選手は、何のために自分がいるのかを見失っただろう。
サッカー選手は、ピッチに立ってはじめて評価される。そのチャンスは与えられなかった。
これでは腐ってしまうなと言う方が無理だ。
健全な競争は生まれず、チームに活気はなくなった。


ペトロヴィッチは、入れ替え戦も含めた終盤戦、完全に自分を見失っていた。
「名前は関係ない。ピッチでやることがすべて。走らなければならない」と語ったのは、就任当初のペトロヴィッチだった。
しかし、走れない選手がピッチに立ち、ペトロヴィッチは目指すサッカーはできなくなった。
なにに、なぜ、あそこまでこだわったのか、僕にはわからない。
ペトロヴィッチはさまざまなミスを犯した。
今回の降格のもっともな責任は、ペトロヴィッチにある。


だが、クラブは来季もペトロヴィッチ続投を決めた。
なにをどう評価したのか、僕にはわからないところが多いが、来季はそうなる。ペトロヴィッチが指揮をとる。
今回の降格の誤りをペトロヴィッチ自身がしっかりと見つめ直し、反省し、今後に反映させてほしい。
選手が成長するように、監督も成長していくはず。そうなってほしい。そうなってもらわないと困る。
選手が話すようにペトロヴィッチのサッカーは魅力的だ。
それは僕も認める。
だが、完璧ではない。柔軟で的確な対応は、絶対に必要だ。
まず、勝つことにこだわってほしい。


選手たちの問題は、なんだったのか。
よく言われるコミュニケーション不足が、やはりもっとも大きな問題だと思う。
その根源は、チームに絶対的なリーダーがいないことではないだろうか。
議論する文化がこのチームにはない。
今年リーダーを任された戸田は、とても頑張ってくれたと思う。
さまざまなチームでの経験を生かし、戸田はできることをしてくれていたと思う。
だが、戸田に言い返す選手はおらず、何度も行われたミーティングは、議論にはなっていなかったのだろうか。根っこの部分までの団結となっていたのか、疑問は大きい。
みんながキャプテン。という理想論をよく聞く。それは本当に理想だろう。
だが、選手にはそれぞれ個性があり、キャプテンタイプの選手もいれば、そうでない選手もいる。
だが、言いたいことと、言わなければいけないことは、どんな選手であれ言わないといけない。
サッカーはピッチ上でやるものだが、1人でやるものではない。11人でやるものだ。
みんなの想いが同じでなければ、何も表現できない。勝てない。
想いを同じにするために、言うことはとても必要だと思う。言わなければ伝わらないことはたくさんあるのだから。


これから広島は、議論する文化を作る必要があるだろう。
戸田を補強してリーダーを持ってきたなら、もう1人2人のそういった選手を補強し、議論する場を無理矢理にでも作るのもいい。
選手それぞれが、意見することの大事さを感じ、言い合えう環境を作らないといけない。
選手たちは、1つになっていなかった。
これが最後まで悪い流れを断ち切れなかった要因だと思う。
1つになる方向性を示すのが監督。
その方向に向かって、選手はそれぞれの想いをぶつけながら、統一させていかなければならない。
今回、誰もが勝ちたい想いは同じだったはずだ。
だが、そのためにどうやって勝とう、という議論がなかったのではないかと思う。


サッカーは、技術以上に戦術以上に、気持ちが大事だ。
これは僕の持論。気持ちの上に技術があり、その上に戦術がある。
気持ちがないと、その上にどんなにすばらしいものが積み上げられようと、意味はないと思う。
気持ちを奮い立たせるためには、周囲の厳しい要求が必要不可欠だと思う。
気持ちをつなげるには、言い合う環境が必要だと思う。
この2つが、広島には欠けていた。
そして、絶対にこれから必要だ。


広島は明日、天皇杯準々決勝FC東京戦を戦う。
いい練習はできているし、チームの雰囲気はいいと思う。
それぞれが来季の去就を考えながらの難しい状況ではあるが、ピッチ上の選手たちは、「勝とう。このメンバーで国立に行こう」というまとまりを感じる。
けが人が出たりと、コンディションはあまり整ってはいないと思うが、サブの選手たちを含めてチームになっており、いいチーム状態だ。
この状態を見ていて、なんでいまさら、とは言いたくなる。
だが、もう切り替えて来季への一歩を踏み出さないといけない。
監督も選手たちも、一歩ずつ歩きはじめているのかなと思う。
明日は、期待していい。

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2007年12月22日 00:00に投稿されたエントリーのページです。

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日程・結果

39節 vs湘南(H) 2-0


天皇杯 3回戦 10/12
 vs大阪体育大学(秋田)

41節 10/25 vs鳥栖(H)

天皇杯 4回戦 11/2
 vs東京V(西が丘)

42節 11/9 vs仙台(A)

43節 11/22 vs草津(H)