むらさき: 2007年12月 アーカイブ

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2007年12月 アーカイブ

2007年12月02日

J1 34節 vsG大阪
若手が見せてくれたもの

いつ以来だろう?久しぶりに僕は面白いゲームを見た。
洋次郎、ハンジェ、吉弘、一誠。彼ら若手といわれる選手たちのパフォーマンスは素晴らしかった。
気持ちの入ったプレーに心が打たれた。
はっきり言う。
ペトロヴィッチがこだわってきた、主力選手と若い選手、という区切りは、ほんの些細なものでしかなかった、ということだ。
一体なににそこまでこだわってきたのだろう。バカバカしく思えてくる。
入れ替え戦へ最高の形でつなげてくれた彼らのパフォーマンスは、とてもうれしいけど、なんだか悲しくもある。


前半7分、寿人が駒野のクロスから先制点を奪う。
広島にとって、十八番の得点パターンだ。だが、ここ最近奪えていなかった。
それがなぜなったのか。
洋二郎が駒野へサイドチェンジを行う。これは今まであった。
駒野にボールがわたると同時にハンジェが素早いサポートに行った。そして、2人で右サイドを崩す。このサポートが今までなかった。
中には、ニアに龍一ファーに寿人が待ち構えていた。2人がいるということも、今まで少なかった。
メインスタンドから見て右側ゴールへ攻める時、駒野が送るクロスの放物線は記者席からとても見やすい。「あそこへ送れ」と思ったその通りに駒野がクロスを送った。
そこらかの寿人の仕事はそんなになかった。サイドネットに叩きつける。
とても美しい、チームで奪ったゴールだった。


その後、まあG大阪が当然のようにポゼッションを高めて押し込んでくる。
27分には二川にルックアップする時間を与え、バレーの飛び出しについていけず同点に追いつかれた。
ただ、ここで落ち込まず耐え抜けたことが素晴らしい。
「前半は1-1でいい」(洋次郎)という意識をチームで統一させ、乗り切った。
槙野の二川へのシュートブロックなど、何度か守備ブロックが決壊しかけた場面もあったが、槙野、吉弘、盛田の最終ラインが身体を張って粘り強く、跳ね返した。
ハーフタイム。広島のロッカールームは雰囲気が良く、ポジティブな声が飛んでいたはずだ。
「いいゲームが出来ている。続けていこう」とペトロヴィッチは選手を送り出した。


後半9分には、「水曜日と土曜日のため」寿人、駒野、服部がピッチを退く。
代わって入ったのは、陽介、浩司、初出場となる遊佐だ。
龍一を1トップに残し、中盤を厚くした広島は、浩司がさすがの落ち着きを見せ、陽介も上下によく顔を出し、広島がポゼッションを高める。
そして、「急ぎすぎないいいカウンターができた」(洋次郎)。
洋二郎が抜け出し、GKと1対1の局面を迎える。
守備でやられ、地に足がついていなかった遊佐も徐々に落ち着き、積極的に仕掛けていった。
ボールを支配して攻め込んでいるG大阪より、広島の方がチャンスを作り出していた。


だが、決めきれない。
そして35分、二川に対してチェックにいけず、今シーズン何度も見てきたような、スーパーなミドルシュートを叩き込まれてしまう。
いいリズムでゲームを進めているのに、終盤に勝ち越し点を奪われてしまう。
今シーズンの広島の負けパターンを繰り返してしまうのか。落胆した。
だが、今日出ている選手たちは違った。
最後までみんなあきらめていかなかった。
ロスタイムに奪ったCKを陽介が蹴る。そこには、「目が合った」(陽介)槙野が飛び込んでいた。
広島は、G大阪を相手にロスタイムに同点に追いついた。


後半ラスト15分の得点は、25節浦和戦までさかのぼる出来事だ。
今まで、やられてきて勝ち点を取りこぼしてきた。
甲府、磐田、大宮、千葉を相手に、最後で屈してきたから、今この順位にいる。
最終節で、若手といわれる彼らが、この壁をぶち破ってくれた。
この得点は、本当に大きな意味を持つと思う。
この得点、この勢いを与えてくれた彼らに、本当に感謝したい。


「言ってたように足がつりました。両足です」試合後、ハンジェはとても堂々としていた。
「攻撃はイメージ通り。楽しくできた」と話した洋次郎もそうだ。
「自分の力を見せたい」と試合前に話していた吉弘の力は、みんなが見ただろう。
出場機会が与えられず、チームはこの成績。ピッチで力になることのできない彼らが、一番悔しい想いをしていたのかもしれない。
最後の最後で与えられたチャンス。
彼らがピッチで示してくれたものは、広島に欠けていたものだった。


最後尾で見つめていた下田は「チームとしていい戦いができた」と試合を振り返った。
みんなで声を出し合い、みんなで助け合って、G大阪に立ち向かっていた。
ミスは起こる。それをみんなで補った。そのためには、走るしかなかった。
一誠は足を引きずりながら、最後まで走っていた。
今日出場した選手たちは、「チームのために」という姿勢を全面に出してプレーしてくれた。気持ちが伝わってきた。
見ている側にとって、こんなに応援したく支えたくなる選手たちの姿はない。
共に戦った、スタジアムだったと思う。
ようやく一体感が生まれたのではないだろうか。そう感じた。


この日の選手たちの姿勢に心打たれたのは、決して僕らだけではないと思う。
ベンチで、またスタンドで、見ていた主力選手も心を打たれたはずだ。
さあ、入れ替え戦だ。
「ポジティブな状態で臨める」(ペトロヴィッチ)最高の試合をしてくれた。
あとは、主力が結果を出すだけだ。
たくさんの大事なことを彼らは見せてくれた。
それに応えなければいけない。
やってくれるはずだ。同じ広島の選手たちなのだから。

2007年12月04日

入れ替え戦レビュー
思いっきりのエールを送る

いよいよ明日、運命の入れ替え戦だ。
この決戦は、生きるか死ぬかの一発勝負。
試合の展開を展望してもしょうがないと思う。
だから、選手いたちに期待することを、想いを、ただ書き連ねる。
思いっきりのエールを送る。頼む。


下田
今まで広島は、下田が相手のシュートを止めて、止めて、1点とって、止めて、止めて、ゲームに勝ってきた。
今回の入れ替え戦は非常に厳しいゲームになる。我慢する場面もあるし、ピンチも僅かでも必ずある。
下田の務めるGKという職務は、ゲームを決めることができる。
何も考えなくていい。シュートを止め、チームを救ってくれ。


槙野
槙野の成長は目を見張るものがある。今季もっとも成長した選手だろう。ムードメーカーでもあり、ピッチで闘えるなくてはならない存在になった。
だが、これまで悔しい想いをたくさんしてきた。
試合後、どれだけ槙野の笑顔が見たいことだろう。最高の笑顔を見せてくれ。


ストヤノフ
頼りにしている。力強さと技術は、間違いなくトップレベルだ。
その力を広島に貸してくれ。


カズ
本当にプライドの傷つけられ苦しみ続けた一年だったと思う。
しまいには、加藤監督にさえ馬鹿にされた。
見返してやってくれ。
俺らのカズをなめるなと。
絶対に見返してやってくれ。


駒野
広島の誇れる最大の武器だと思う。日本を代表する選手へ育ってくれた。
駒野なしに今の広島は考えられない。
決定的な仕事を頼む。おそらく京都は駒野を抑えようと、必死に考えて策をめぐらしてくる。
そんなもの、飛び越え踏みつけ、力を見せつけてくれ。
今の駒野に恐れるものは何もない。絶対大丈夫だ。


戸田
いろんな意味で、本当に疲れたシーズンだったろう。苦労は計り知れない。
だが、僕は戸田がいてくれて本当によかったと思っている。
戸田を信じて最後まで戦おうと、僕はもう腹をくくっている。
任せた。


公太
公太がいてこそ、広島だと思う。公太がいないは考えられない。
チーム内でも1、2を争う負けず嫌いだ。
京都相手に負けてJ2へ戻る?許せないはずだ。
J1に残って、広島と共にこれからも歩んでいこうな。


陽介
ここ数日陽介が明るい。やっと陽介の本当の輝きが戻ってきた。
いろいろな言動で陽介を誤解している人も多いと思うが、陽介は人一倍チームへの想いは強い。
僕は断言するが、陽介はやってくれる。広島のためにやってくれる。
明日一番走ってくれるのは陽介だろう。
陽介には、ゴールという結果を残して有頂天になるぐらいのぼせてほしい。
涙は似合わない。笑っていろ。


浩司
浩司は、こういうゲームには絶対強い。
浩司はヒーローとしての資質を生まれながらに持っている。華があるヤツだ。
期待していい。絶対いい。
浩司が広島のために、ゴールを奪ってくれる。


ウェズレイ
いい加減決めろ。サッカー選手としての誇り、プライドに賭けて、決めろ。
この入れ替え戦のキーマンはウェズレイだ。
ウェズレイが決めれば、広島は絶対に勝てる。
シュートを、ゴールに、叩き込め。
ピチブーにとって、難しいことではないだろう?


寿人
がむしゃらな寿人を見たい。むきになって走り寿人を。
僕はゴール以上にまずこの姿を見たい。
そして、おいしいところをもっていけ。そういう役割なんだ、寿人は。
エースの一撃は勢いがつく。相手にもダメージを与える。
エースは、やっぱりこういう時こそゴールを奪い、歓喜を届けないといけない。


一誠
おそらく、いや絶対、出番はある。
そのポテンシャルを爆発させろ。
すごい一誠は、誰よりもすごい。自信をもってピッチに立てば、一誠はすごい。
みんなの信頼にそろそろ応え、全力で報いてくれ。かなり待ったぞ。
自分を見せつけてやれ。一誠は、すごい。


龍一
切り札だ。苦しい場面が訪れた時、みんなの気持ちを龍一が背負ってピッチに立つことになる。
だが、そんなことは気にしないでいい。気にもしないとは思うが。
ボールをゴールに叩き込め。
その才能はある。度胸もある。龍一は、スターになれる選手だ。


最後に、ペトロヴィッチ。
あと2試合だ。ただただ、願う。結果を残してくれ。
いいサッカーをしているのは、わかっている。
いい監督であることも理解している。いい人物であることは間違いない。
でも、勝てなくてはダメだ。
勝て。勝ち残れ。残留だけは、勝ち取れ。
理想はいらん。捨てろ。
絶対勝てる相手だということを、広島はいいチームだということを、結果で語れ。

2007年12月06日

入れ替え戦第1戦 vs京都
ペトロヴィッチの選択がすべて

入れ替え戦第1戦は、遠慮なく言うが、ウェズレイがいた時間といなかった時間の2つの時間に分けられるゲームだった。
ウェズレイがピッチにいた時間。広島は2失点し、それ以上の失点を奪われる可能性は決して小さくなかった。
ウェズレイがいなかった時間。広島は1得点し、京都にはまったくチャンスを作らせないほど一方的に押し込んだ。
推測でしかないが、いなかった時間が長ければもう1点入っていたのではないだろうか。
それほど、非常に明暗がくっきりしていた。


どんな選手でも特徴と欠点があり、チームはそれぞれの欠点を補い、特徴を結び合わせて戦っていかないといけない。
誰にも、足を引っ張る不得手なプレーがあり、貢献できる得意なプレーがあるものだ。
チーム戦術というのは、それら選手の個性を監督が見定めて、組み立てられていく。
ペトロヴィッチのサッカーのもっとも大きな基本戦術は、「走ること」。運動量を絶やさないことだ。
これは就任当初から今まで、まったく変わっていない絶対無二の決まり事である。
よって、選手それぞれの個性の中に欠点はあるとしても、「走れない」はペトロヴィッチのサッカーをする限り、あってはならないんだ。


この日のウェズレイは、コンディションの影響もあるのだろうが、走れていなかった。
ウェズレイの運動量をカバーするほど、周りが走れてもいなかった。
それでもピッチにたっている価値があるほどの、貢献もしていなかった。
その結果、広島の目指すサッカーはできなかった。
ウェズレイを責めようとは思わない。あれは本来のウェズレイの姿ではないだけだ。
今までウェズレイの偉大さは目の前でたくさん見てきた。
責めるべきは、ウェズレイを起用したペトロヴィッチだろう。
「7人を代えることができたなら、私は7人代えたかった」とペトロヴィッチは試合後に話し、先発メンバーの選択ミスを認めた。


最終節G大阪戦。若手選手たちは非常にいいプレーをした。
走ること、戦うことの大事さを僕らに改めてわからせてくれた。
それだけに、あの姿勢を4日前に目にしただけに、この日の僕の失望感と苛立ちは、向かうところをなく暴れまわった。
第1戦のピッチに立った選手たちが、戦わなかったとは思わない。
走る気がなかったとは思わないし、気持ちがなかったとも思わない。そこに文句をつけるつもりはさらさらない。
だが、ピッチで表現できたかどうかということが大事なのだ。
第1戦の選手たちはできず、最終戦の選手たちはできた。
この結果は紛れもない事実であり、それが第1戦の結果を左右したと僕は思っている。


第2戦、広島は勝たなければいけなくなった。
2点差以上、もしくは1点差なら1-0の勝利しかない。
この条件は、それほど厳しい条件ではないと思う。
時間は90分残されているし、選手のクオリティが上回っていることは第1戦でも確認できた。
だが、いつも言っている「自分たちのサッカーができれば」という条件がつく。
負けたくせにこんなことを言うのもあれだが、広島のサッカーができれば、京都には勝てる。
リーグ戦でゼロに抑えて勝ったゲームは1つしかないので、2点を取る必要はあるが、できると思う。


第2戦は、まず先発メンバーの選択が大きなポイントだ。
なにが吉とでて、なにが凶とでるかは、やってみないとわからない。
だが、もう取り返せるゲームは残っておらず、交代枠は3つしかない。
そして、1分も無駄にはできない。選択を間違うことは許されない。
ペトロヴィッチの選択が、広島の命運を握っていると言ってもいい。
どういう選択をすべきかは、今まで結果が雄弁に語っている。
走れて戦える選手をピッチに送り出すべきだ。

2007年12月17日

なぜこうなったのか【前編】

ようやく、僕の中で降格という現実が整理できてきたので、この段階での更新になった。
でも、まだ受け入れることなんてできない、受け入れたくないという想いが心の奥底にある。
誰かれ構わず腹が立つし、情けなくもあるし、天を呪いたい。
決まっていた運命なのか。試練なのか。
もしそうだと仮定するなら、僕の薄っぺらい経験では、この後いい事がある。あった。
そうだと受け止めて、前を向いて歩いていくしかないのだろう。
ただその前に、前に進んでいく道を選ぶ時に、同じ過ちを繰り返さないように、降格の原因を徹底的に追究していこうと思う。


第2戦を振り返ると、本当にゴールだけが遠い90分だった。
京都の根性や加藤監督の戦術・戦略には、恐れ入った、やられた、とは思う。
だが、第2戦は選手の魂も見え、スタジアム中に一体感もあった。
あの選手たちの戦う気持ちと、あの団結とはなかなか出せるものではない。
それでも1点が遠かった。なぜか。
このゲームだけを神様が見ていたわけではないということだと思う。
広島は最後の第2戦で、素晴らしい戦いをした。それは間違いない。
だが、それでは遅かったのだと思うし、足りなかったのかもしれない。
クラブも、選手も、スタンドのサポーターも、みんなが本気になるのが遅すぎたのではないだろうか。


こうなった原因は、何もかも許していいものではない。2回目だ。
運が悪かったのではなくて、間違っていたのだ。足りなかったんだ。
どうして降格したのか、責任問題を問い詰め誰かが辞めればいいという問題ではなくて、なにが間違っており、なにが足りなかったのか。それを検証することは本当に大事なことだし、しなければいけないことだと思う。
僕は責任問題を問うて、誰かがやめるべきという話をするのは好きではない。
誰かがやめるという話より、誰が、これからどうする、という話しの方が好きだ。
過去の検証以上に将来の展望を抱くほうが大事だと思う。
しかし、将来の展望を抱く上で、過去の過ちは絶対に振り返らなければならない。


まずトップ、久保社長に多くの責任はあると思う。
人任せにしていた面は否めないだろうし、最高責任者としてなにをしたのか、という問題は大きい。
リーダー不在を本人も認めていたが、上からの厳しい要求がなかったことは、クラブ内に甘えが出た1つの原因だろう。
来期からは、上部組織から組織全体を見直していく必要がある。
新しいポストを作って外部から誰かを招くようだから、何が悪かったのか、これからどうするのか、しっかりと示してもらいたい。


甘えが出た原因は、他にもたくさんあると思う。
織田さんを含めた現場で戦った首脳陣は、監督も、今季の目標設定が曖昧だった。
うまくいけば上位。そんな緩すぎる目標とはいえない目標を立て、若手育成という数字に表れないものを大事にしようとした。
織田さんの計算は、決定的に甘かった。
若手育成が間違っているとは言わない。そしてこの点は、成果があったことも確かだと思う。
ただ、目標とは数字に出してなんぼのものだと僕は思う。
若手が育ったからといって、プロの世界では結果がすべてだ。
柏木は移籍するかもしれない。一体何のための若手育成なのか。
結果をきっちりと求めていかなければ、すべての根本が意味を成さなくなる。


話がそれるが、育成型クラブなんて見方を広島はしている。
これは下部組織からいい若手が育っているからでもあると思う。
ただ、お金がなく若手を起用しながら、という現実があるのも確かだ。
お金がないから下部組織を充実させて、選手を育てるという考え方は、間違ってはないと思う。
ただ、お金がないをよしとしてはダメだ。
お金がない理由を、クラブが真剣に考えているとは僕には思えないし、今の現状をよしとしている雰囲気さえも感じる。
お金がない理由は、スポンサーがつかず、お客さんが集まらないから。
スポンサーがつかず、お客さんが集まらない理由は、クラブに魅力がないから。
広島がもっと魅力のあるクラブになれば、お金は集まるのではないだろうか。
ただ、クラブはそんなことを考えず、今をよしとし、育成型クラブというレッテルに満足している。
これではいつまでたっても、お金は集まらないだろう。
スポンサー側の熱意の問題よりも、スポンサーに熱意を持たせるクラブ側に、問題があるのではないだろうか。


クラブの組織には問題がある。
活気のある野望を持った組織ではないと思う。
それでは上へいけない。組織改革は絶対にしなければならない。
今回の降格を、危機感を大きく抱くチャンスを与えてもらったと思い、このままではいけない、やらなければいけない、と思ってもらいたい。
久保社長は「一年でJ1に復帰し、3年で優勝争いをするチームを作る」と言った。
前回落ちた2002年と同じ言葉だ。
この5年間はなんだったのか。また振り出しに戻った。
考えが甘く、真剣に目指したとは言えない、ということだろう。
これからどうやってその目標に向かって進んでいくのか。
しっかりと示して、実行してほしい。


今回だけでなぜこうなったを振り返るのは終わりにしようと思ったが、あまりにも長くなったで、次回も書こうと思う。
次回は、「ピッチ上」のことについて。

2007年12月22日

なぜこうなったのか【後編】

今回は、ピッチ上での問題を書く。
こちらも、本当にたくさんの問題があった。
監督にも、選手にも、問題があったからこそ、こうなったのだ。
たくさんのことについて言いたいが、絞って書こうと思う。


まず監督、ペトロヴィッチについて。
この人は非常に頑固だ。自分のやり方と哲学は絶対曲げない強さがある。
強さと書いたら良いように捉えられるが、今回は頑固さが逆に出た。
昨季のいい流れを続け、今季もスタートは悪くなかった。
自分たちの信じるサッカーで結果はある程度得ていた。
しかし、その信じるサッカーには欠陥があった。
これは、普通のこと。パーフェクトなサッカーなんてありえない。
ペトロヴィッチは魅力的な攻撃サッカーを志すため、欠陥が生まれるのは当たり前だともいえる。


しかし、この欠陥を立て直せなかった。いや、もしかしたら立て直さなかったのかも知れない。
誰の目にも明らかだった欠陥をほっといたのだから、立て直さなかった、その能力がなかったというべきだろう。
6月、チームがバラバラになった。攻と守。本当は紙一重の一体したものが、別々になった。
8月、そのため守備陣が決壊する。
6月に起きた問題に、真剣に取り組まなかったツケが回っていた。
その後、この問題を選手たちは必死に解決させようとした。
だが、その解決法をペトロヴィッチがうまく提示できなかった。
これは、能力不足だと思う。
頑なにおのれを貫いた、という見方もできるが、僕は貫くしか術がなかったのだと思っている。


選手起用も頑固一徹だった。
僕は、あそこまで選手を信頼できるペトロヴィッチは、すごいと思う。
自身の首もかかっている中で、最後の最後まで信頼が揺らぐことはなかった。
だが、今振り返ればという形で、選手起用に誤りがあったことをペトロヴィッチは認めているように、その信頼は、さまざまな面で失敗だった。
信頼された選手、陽介やアオ、浩司やカズは、今季のこの経験は今後の成長をほどこすだろう。学んだことはとても多いはずだ。
しかし、起用されなかった選手は、何のために自分がいるのかを見失っただろう。
サッカー選手は、ピッチに立ってはじめて評価される。そのチャンスは与えられなかった。
これでは腐ってしまうなと言う方が無理だ。
健全な競争は生まれず、チームに活気はなくなった。


ペトロヴィッチは、入れ替え戦も含めた終盤戦、完全に自分を見失っていた。
「名前は関係ない。ピッチでやることがすべて。走らなければならない」と語ったのは、就任当初のペトロヴィッチだった。
しかし、走れない選手がピッチに立ち、ペトロヴィッチは目指すサッカーはできなくなった。
なにに、なぜ、あそこまでこだわったのか、僕にはわからない。
ペトロヴィッチはさまざまなミスを犯した。
今回の降格のもっともな責任は、ペトロヴィッチにある。


だが、クラブは来季もペトロヴィッチ続投を決めた。
なにをどう評価したのか、僕にはわからないところが多いが、来季はそうなる。ペトロヴィッチが指揮をとる。
今回の降格の誤りをペトロヴィッチ自身がしっかりと見つめ直し、反省し、今後に反映させてほしい。
選手が成長するように、監督も成長していくはず。そうなってほしい。そうなってもらわないと困る。
選手が話すようにペトロヴィッチのサッカーは魅力的だ。
それは僕も認める。
だが、完璧ではない。柔軟で的確な対応は、絶対に必要だ。
まず、勝つことにこだわってほしい。


選手たちの問題は、なんだったのか。
よく言われるコミュニケーション不足が、やはりもっとも大きな問題だと思う。
その根源は、チームに絶対的なリーダーがいないことではないだろうか。
議論する文化がこのチームにはない。
今年リーダーを任された戸田は、とても頑張ってくれたと思う。
さまざまなチームでの経験を生かし、戸田はできることをしてくれていたと思う。
だが、戸田に言い返す選手はおらず、何度も行われたミーティングは、議論にはなっていなかったのだろうか。根っこの部分までの団結となっていたのか、疑問は大きい。
みんながキャプテン。という理想論をよく聞く。それは本当に理想だろう。
だが、選手にはそれぞれ個性があり、キャプテンタイプの選手もいれば、そうでない選手もいる。
だが、言いたいことと、言わなければいけないことは、どんな選手であれ言わないといけない。
サッカーはピッチ上でやるものだが、1人でやるものではない。11人でやるものだ。
みんなの想いが同じでなければ、何も表現できない。勝てない。
想いを同じにするために、言うことはとても必要だと思う。言わなければ伝わらないことはたくさんあるのだから。


これから広島は、議論する文化を作る必要があるだろう。
戸田を補強してリーダーを持ってきたなら、もう1人2人のそういった選手を補強し、議論する場を無理矢理にでも作るのもいい。
選手それぞれが、意見することの大事さを感じ、言い合えう環境を作らないといけない。
選手たちは、1つになっていなかった。
これが最後まで悪い流れを断ち切れなかった要因だと思う。
1つになる方向性を示すのが監督。
その方向に向かって、選手はそれぞれの想いをぶつけながら、統一させていかなければならない。
今回、誰もが勝ちたい想いは同じだったはずだ。
だが、そのためにどうやって勝とう、という議論がなかったのではないかと思う。


サッカーは、技術以上に戦術以上に、気持ちが大事だ。
これは僕の持論。気持ちの上に技術があり、その上に戦術がある。
気持ちがないと、その上にどんなにすばらしいものが積み上げられようと、意味はないと思う。
気持ちを奮い立たせるためには、周囲の厳しい要求が必要不可欠だと思う。
気持ちをつなげるには、言い合う環境が必要だと思う。
この2つが、広島には欠けていた。
そして、絶対にこれから必要だ。


広島は明日、天皇杯準々決勝FC東京戦を戦う。
いい練習はできているし、チームの雰囲気はいいと思う。
それぞれが来季の去就を考えながらの難しい状況ではあるが、ピッチ上の選手たちは、「勝とう。このメンバーで国立に行こう」というまとまりを感じる。
けが人が出たりと、コンディションはあまり整ってはいないと思うが、サブの選手たちを含めてチームになっており、いいチーム状態だ。
この状態を見ていて、なんでいまさら、とは言いたくなる。
だが、もう切り替えて来季への一歩を踏み出さないといけない。
監督も選手たちも、一歩ずつ歩きはじめているのかなと思う。
明日は、期待していい。

2007年12月27日

天皇杯 G大阪戦プレビュー
元旦国立へ行こう

天皇杯、広島はベスト4に名を連ねた。
29日にはエコパでG大阪と対戦する。
展望を書く前に、まず磐田戦とFC東京戦を振り返ってみようと思う。
素晴らしい勝利を目の当たりにし、なんとも皮肉だが、やっぱり勝利はうれしいものだ。
ここでは何が悪かったのかを振り返るのはやめて、いい事を書こうと思う。


磐田戦。
入れ替え戦第2戦を終え、失意のJ2降格が決まって1週間。
選手は契約更改に臨み、悔しさもあいまって「眠れない日々」(浩司)が続いていたと思う。来季の去就を考えないわけにはいかない。
その中でクラブはペトロヴィッチの続投を明言。
地に落ちても、また再スタートを切る道を選んだ。
自信を取り戻すため。自分たちの力を証明するため。
「あんなに悔しいゲームをしてそのまま今シーズンが終わらせるわけにはいかない。サポーターの前で8月以来勝利がないので、勝利を見せないといけない」
寿人は、無理矢理だろう。決意を新たにこの一戦に臨んだ。


ウェズレイがすでに退団したかわりに龍一が代役を務め、入れ替え戦第2戦と変わらないメンバー。
だが、1週間前とは違うチームがそこにはいた。
寿人は鬼気迫る気迫で90分間相手にプレスをかけ続けた。龍一も守備に力を惜しまず走った。
陽介も浩司もそれに連動すると、カズがセカンドボールを徹底的に拾い、完全な広島のペースでゲームは進んだ。
浩司が今季公式戦では1度もなかった直接FKから、2度もゴールを奪い取り、磐田のエース前田をシュート0本に抑えての完勝。
広島は、「すべてにおいて相手の方が上回っていた。シーズン中にこれをやっていれば、J1に残っているだろうというぐらい素晴らしかった」と川口に言わせるほど、完璧なゲームをやってのけて、FC東京戦へと駒を進めた。
ペトロヴィッチは、今さらながらの勝利に、この理不尽さに、感情を抑え切れずにタイムアップを待たずして、ロッカールームに引き上げた。
うれしい。だが、やりきれない。
広島みんなが、この勝利を悲しく祝った。


FC東京戦。
チームは、『元旦国立へ』というムードに包まれ、それぞれの想いも、ピッチ上では勝利だけに集中したいい雰囲気が生まれ、チームはまとまっていた。
僕が自信を持っていた通り、陽介が躍動して広島が勝利を収める。
後半は一方的に押し込まれたが、全員の集中力が最後まで切れることはなく、控え選手も含めて全員の力で勝ち取った勝利だった。
ペトロヴィッチは、この勝利をこの上なく喜んでいた。
彼にとっても、選手のあそこまでの頑張りは予想していなかったのかもしれない。
ストヤノフは抜群の存在感を発揮し、槙野と盛田は身体を張って守り抜き、特に槙野は攻撃にも関与していく。
カズと浩司がしっかりチームを落ち着かせて、陽介が輝く。
駒野も寿人も、ゲーム終了後の表情は充実していた。


広島は、入れ替え戦から含めて3ゲーム連続で無失点に抑えている。これがここまで勝ち上がった一番の要因だろう。
Jで71失点を許したチームとは思えない安定感が備わってきている。
それは、前線からの全員守備と、「守る時間は守る」とチームで意思統一がはかれていることが大きい。
今さらながらであることは間違いないが、ようやくチームとしての守り方を見つけたのではないだろうか。
カズがボランチにいることで、かなり多くの問題が解決した。
「バランスを意識している」と話すカズは、DFラインの穴埋めもそつなくこなし、中盤で闘いボールを奪取する回数が目立つ。
攻撃面でもカズが難しいプレーをせず簡単にさばくことで、リズムが生まれ、落ち着きが出る。
カズの存在を改めて確認させられた。


高い位置でボールが奪えているので、攻撃もはまる。
カウンターから奪った2点目はまさに、はまったゴールだった。
ただ、1点目こそが広島の狙い通りの得点だった。いい時は本当にいろんなことがうまくいく。
後ろで何本もパスをつなぎながら相手の隙をうかがい、カズがくさびを入れるとスピードアップして、陽介が飛び出して決めた。
チームで奪った美しいゴールだった。
こういう得点を決めることができるからこそ、選手はペトロヴィッチのサッカーを信じてついていこうとするのだと思う。
このゴールは気持ちよかった。見ている方がそう感じるほどなのだから、プレーしている選手たちの方が、喜びは数倍だと思う。


29日G大阪戦。
広島は勢いを手にしてエコパに乗り込む。
ベスト4の相手はJトップ5が名を連ねたが、広島の勢いは一発勝負のカップでは無視できないはずだ。
僕は十分勝機があると思っている。
今の守備がどれだけ通用するのか。ペトロヴィッチのサッカーはいい時はJトップクラスを負かせるのか。
G大阪は、格好のものさしになる。
思い切ってぶつかってもらいたい。


ゲーム展開は、G大阪がボールを保持して広島は守る時間は多くなるだろう。
だがそんなことは覚悟の上。みんなで我慢して守り、カウンターをはめていけばいい。
まず我慢。これができなければ始まらないが、J最終節のようにカウンターははまるだろう。
陽介、龍一、洋次郎と好調な選手は多いし、ゴールを奪うことはできる。
とにかく「走ること」で絶対に負けないことだが、チームを引っ張る寿人が先頭に立って示してくれるはずだ。
そして、カズが憎き遠藤と二川をつぶしてくれるだろう。
天敵バレーは、今の最終ラインなら抑えきれる。
十分勝てる。というか、勝つと思う。


「ここで負けるのが一番嫌。シャレにならないです」と言う陽介の言葉通りだ。
せっかく29日にまでゲームをしておいて、ここで解散はない。
休みの無駄使いをしたのは、選手だけでなく、みんななんだ。
槙野はこう言う。
「決勝に行ってサポーターの方々に恩返しをしたいという気持ちはすごいあります」
そして、「ナビスコのガンバの喜ぶところとか、レッズの喜ぶところをたくさん見てきたので、僕もカカみたいにカップを掲げたいです」
広島は、本当に悔しく辛い想いをい続けてきた。広島にかかわる誰もが、この瞬間を待ちわびている。
それぐらいのご褒美はあってもいい。与えてもらってもいい。
まず、元旦国立に行こう。

About 2007年12月

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日程・結果

39節 vs湘南(H) 2-0


天皇杯 3回戦 10/12
 vs大阪体育大学(秋田)

41節 10/25 vs鳥栖(H)

天皇杯 4回戦 11/2
 vs東京V(西が丘)

42節 11/9 vs仙台(A)

43節 11/22 vs草津(H)