大宮戦を広島はどう戦うのか、僕が見て感じたことを書こうと思う。
大宮戦は、今シーズンの中では、ナビスコ最終節に匹敵するぐらいに非常に重要な一戦になると思う。
8日までオフだったトップチームは9日から始動した。
大宮戦までの時間をどのように過ごして、広島は決戦の地駒場へ挑むのか。
この時間はとても大事になる、と僕は思っている。
9日と11日の練習を見に行ってきた。
では、まず9日の練習のことを。
いつものウォーミングアップを終えると、ピッチを広く使って走りながらのシュート練習をパターンを変えながら行った。約1時間は行っただろう。シュート練習のみでこの日は終わった。
クロスへの入り方やクロスボールに対してペトロヴィッチから熱い指示が飛び、「練習でも決めないといけない」といった声も聞こえてきた。
「ゴールがほしい」という心の声が聞こえてくるかのようだった。
ペトロヴィッチの考える”ゴール欠乏症への対策”だという捉え方を、僕はしている。
この日は、雰囲気はとても和やかで、選手たちから切羽詰った雰囲気は感じなかった。
ただ、それは悪い意味でない。今から練習を切羽詰って緊張感を高めて行っても意味はないだろう。
上を向いて選手たちが取り組んでいる、というポジティブな印象を受けた。
あとは、久しぶりに練習中にウェズレイの笑顔をたくさん見たような気がする。
今までもシュート練習では、遊び心を出して楽しんでいるシーンがを多く目にしていたが、最近は少なかった。
ただ、この日は、河野目がけて至近距離から超絶シュートをお見舞いして笑い、「マナァ~」と叫びながら、パスを要求していた。
ウェズレイが元気になったという印象は、この日強く感じたポジティブな要素だった。
そして、陽介とアオがこの日の練習を最後にカタール戦を戦うためにチームを離れた。
「不安はない。チャンスなので結果を残してきたい」とアオは話し、「切り替えてやるしかない。チームに貢献したい」と陽介は話して、旅立っていった。
まあ、最初からわかっていたこととはいえ、陽介とアオがチームを離れるのは、ペトロヴィッチにとって頭の痛いところだろう。
陽介とアオは、試合前日19日にチームに合流する。時差や疲労を背負って帰ってくるだろうから、出場さえ不透明だ。
ただ、ペトロヴィッチはこの2人をケガでもして帰ってこない限りスタメンから外すことはないだろう。
願わくばカタールを破り、なおかつ、2人には大活躍をしてもらって帰ってきてもらいたい。
そうすれば、少しでも疲労度は違うだろう。いい流れをつかんで帰ってきてほしい。
それでは、11日のことを。
まず、カズが離脱した。たいした負傷ではないようで、来週からは合流できる見込みのようだが、表情は冴えなかった。少し不安要素が増えた。
そして、この日の練習メニューは、2/3コートを使っての11対11に費やされた。
タッチ数や選手のプレーエリアがペトロヴィッチによって制限され、この日もやはりクロスへの2トップの飛び込みと、ボールの種類についてペトロヴィッチからたくさんの要求があった。
そして、サテライト組は最終ラインに激しいプレッシャーをかけることを要求し、最終ラインは少ないタッチで打開していくように求めた。
まあ、いつもとやっていることに大きな違いはない。
違った点というのではないが、ストヤノフが磐田戦同様の攻撃的な中盤のポジションでプレーしている。
駒野は「攻撃のセンスはある」と認め、寿人も「技術が高いし視野が広い」と言っており、連携面もどんどん深まり、ストヤノフ自身のコンディションもかなり上がってきているので、ストヤノフはいいプレーを見せていた。
ただ、大宮戦でこの通りになるかは不明だ。
磐田戦で出場停止だった浩司も、いいスルーパスを通すなどいいデキだった。
ストヤノフが冗談で「陽介がいないからね」と今のポジションで練習していることを話してくれたが、それは本音が80%は含まれているはず。
ただ、この日カズが抜けた最終ラインには、代わりに盛田が入った。
ストヤノフの最終ラインでの起用はないと見て間違いないだろう。
まあ、今週末にはA代表の招集メンバーも発表される。寿人と駒野の招集は固い。
練習中にメンバーを固めて練習できないのが現状だ。
大宮戦のスタメンは、ペトロヴィッチ自身も試合当日まで明言することはできないはず。本人もわからないはずだ。
だから、今は広島のサッカーの質をより高める作業に費やしている。
その中で、ゴールへの道筋をペトロヴィッチが具体的に示している、といった印象だ。
大宮戦へ向けては、具体的な相手対策を施し奇襲をかけることはないだろう。
広島は広島のサッカーで、ペトロヴィッチがここまで積み上げてきたもので勝負を挑むことになる。
新しいものを加えるという発想はペトロヴィッチには元々ないだろうし、その時間もない。
では、最後に今週の練習で一番変わったことを。
それは、ペトロヴィッチの笑顔がピッチ上で少ないことだ。
ピリピリしているというのとは違うが、楽しんでいる、いった印象を受けることはなく、選手たちと冗談を交えて笑顔で話したり、ジョークを言ったり、という場面を見かけない。
「こうなった責任の一番は監督である私にあるが、みんなにも責任はある。それぞれが責任をもって取り組んでいこう」と話し9日の練習を始めた。
彼自身もここが正念場だということは百も承知だ。
真剣なまなざしで練習を見つめ、選手に送る指示も具体性を増している。
今までは、「考える」というテーマもあり、見ていた時間も多かったように思うが、極端に言えば「こうしてくれ」という指示が増えたように思う。
今までほとんど行わなかったシュート練習を行っていることが、その典型かもしれない。
当然ではあるが、今は目先の試合の勝ち負けに大きく反映するだろう練習を行い、指示を送っている。
ペトロヴィッチは、今の状況の中で、自分の引き出しの中から、大宮戦に勝つための練習をしている。
彼がすべてをかけているのは、伝わってきた。
また来週も練習の雰囲気を伝える予定。
次は、大宮を僕なりに分析してみようとも思ってる。