むらさき: 2007年10月 アーカイブ

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2007年10月 アーカイブ

2007年10月01日

J1 27節 vs鹿島
個人の奮闘を期す

選手たちがこのゲーム後に抱いた手ごたえを、僕も感じなかったわけではない。
「この試合はプラスに考えていい」(陽介)部分はたくさんあったと思うし、「悲観することはない」(寿人)と思う。
しかし、鹿島相手だったとはいえ、勝ち点が奪えなかった事実は、つらくのしかかってくる。
確かにゲーム内容は、嘆かわしいものではなかった。
ここ2ゲーム続けてホームで見せていた、広島の姿ではなかった。
だが、それでも勝ち点を奪えなかった。
チーム状態がよくなっても勝てなかったのだ。ここが痛い。
このゲームで得たものは、2次的なものだった。
直接的なものにつなげないと、今はいけない時期なんだ。


今節は、前節に続きアオと浩司のダブルボランチでスタートした。
ボランチを2人にした効果は大きい。
ボール捌きと前への厚みをもたせる役割を浩司が行うことで、役割が明確になりアオの負担が減った。
アオが守備に徹することで、マルキーニョス、本山、野沢らの流動的なポジションチェンジにもチームとして対応できるようになった。
戸田とカズとアオの相互理解はかなり深まってきて、穴を作ることがなくなってきている。
カバーリングが徹底され、最終ラインの連携は確実に進歩していることを感じさせてくれた。
ストヤノフが出場すると彼のところでぼやけてしまう部分があるが、この日の槙野が入った最終ラインは、簡単にはやられない安定感があった。


でもあえて言う。槙野を責めるつもりはさらさらない。
だが、あの場面で競り負けてしまえば、失点する。そして、チームが負ける。
これはもう、カズなり戸田なりが、今シーズンずっと味わってきたことで、ディフェンダーの宿命ともいえる。
誰もが最初から中澤ではなかった。中澤も苦い経験をたくさんしてきて、今の中澤になったんだ。
この経験は必ず槙野を大きくしてくれると思う。言い方は悪いが、いい経験になっただろう。
しかし、今の広島の現状は、槙野に経験を積ませている状況ではない。
苦しい。


ただ、このゲームはこの1失点を責めるより、ゴールを奪えなかったことを責めるべきだと思う。
攻撃が足を引っ張るとは、なんとも皮肉でやり場のないつらさがあるが。
前半に駒野が作り出した再三の決定機を決めていれば。
なぜ駒野ほどの選手があれを決められないのか。よけいに悔しさがつのる。
2トップもマンマークされて、手も足も出なかった。
今までウェズレイへ大きく依存し、ウェズレイに勝たしてもらったゲームが多々あったわけだが、そのツケが回ってきた感じがする。
ここにきてのウェズレイの不調は予想だにしなかったが、それを嘆くのはフェアではない。(もちろん嘆きたいが)
相手が2トップへ警戒を強めるのは当然。そして、彼らにも不調な時はある。(今かよ)
そういった時こそ、チームが助けてあげないといけない。それがチームというものだろう。


違った観点から見れば、連動性やコンビプレーが最終局面で出なくなっている。いい選択ができていないし、選択肢が少ない。
これは、守備というビックなコンセプトが足枷になっている。
岩政が「佐藤の怖さが生きてなかった」と話していたが、ディフェンスを意識するあまり、寿人が最終ラインと駆け引きをするポジション取りをとることができないでいる。
だが、この問題は根が深い。
寿人がディフェンスに必死に走ったからこそ、このゲームはディフェンス面で安定感が出たともいえる。
どうすればいいのだろうか。寿人も地団太を踏んでいるだろう。
解決策はすごそこに転がっているものではない。
今一度この2トップのポテンシャルに期待をかけるしかないのが実状だ。


チームは結束を強め、(そんなもんこの状況で強まらないほうがおかしい)3連敗しているとはいえ、このまま続けていくと話す。(もう変えるほうが危険なのも確か)
広島に在籍している選手たちは、落ちた経験もあれば、生き残った経験もある。
やらなければならないことがなんなのか、わかっていると信じたい。
求めたいものは、なにが何でも勝ち点を持ち帰るという姿勢。自分の力でチームを勝たせるという姿勢を個人がもっと強く出すことだろうか。
チーム戦術では解決できない、ゴールをこじ開ける力。ゴールさせない力。
結局は最後は個人の力になる。
そこで、意地を見せてほしい。気持ちを見せてほしい。足を伸ばしなりふり構わず身体を投げ出してほしい。
それが勝ち点を呼び込むと思う。


ここにきての戦術論は、あまり意味を持たないだろう。劇的に機能的になったり向上したりはしない。
チームがまとまってきた今、その力を結果に結びつける誰かが必要だ。
個人がなにを広島にもたらすことができるか。
そこに尽きると思う。
降格すればたくさんのものを失うことになる。
それを背負っているのが、ピッチに立つ11の選手たちだ。
監督もクラブも、サポーターも、結局は彼らを支えることしかできない。
サッカー選手としての責任と、彼らの能力を示してもらいたい。
ゴールという結果をもたらすことができる選手は、僕は寿人しかいないと思う。

2007年10月07日

J1 28節 vs磐田
つらいが、進まなくては

またもや、非常にやりきれない敗戦だ。
こう言っては失礼だが、無様な敗戦だと勝手に怒りは沸きあがり、矛先は定まるわけで、楽と言えば楽なんだ。
ただ今日の敗戦は、無様ではない。どちらかといえば素晴らしい敗戦の部類に入る。
だから、落胆だけが大きくのしかかってくる。
そして、確実に押し迫ってくる現実がより問題を大きくしやがる。
いいサッカーなのかどうか。そんなものは話すべきでもなくなってきた。
「我々は残留争いに食い込まれてしまった」(ペトロヴィッチ)。
これが広島が28ゲームを戦ってきた上での、純然たる結果だ。


ここにきてのウェズレイ不調。寿人の10戦ノーゴール。
昨シーズンの厳しい時でも彼らはコンスタントにゴールを奪ってくれていた。本当に頭が痛い。
僕は、点がとれないという問題がこのチームに襲い掛かってくるとは思ってもいなかった。
この日彼らに訪れたチャンスは、今まで簡単にゴールに沈めてくれていたもの。
ウェズレイはもっともっと難しいゴールを奪ってきた。僕らは何度もその力に歓喜してきた。
寿人が裏へ飛び出した場面は、今まであれを決めてきたから寿人はここまでの選手になった、という彼の必殺の形だった。
なぜ、決まらないんだろうか。天に問いたくなる。
調子を取り戻してくれ。
そう願うしか、僕にも、監督にも、できることはないのだろう。


「サッカーにはこういうことはよくある」
ペトロヴィッチはプロのキャリアの中で、たくさんのつらい現実を目にし経験してきただろう。
だが、この日の彼の表情は憔悴しきっていた。
「痛い敗戦」とも言った。
今まで強気で押し通してきた監督から、初めて弱音を聞いたような気分だ。この言葉は本当に重い。
「戦術はすべて上手くいった。ゴールだけだった」といった彼に、できることは何かあっただろうか。彼のつらい気持ちは本当によくわかる。
ここからは崖っぷちの勝負だ。一体どうやって立ち向かっていくのか。逃げることはできない。
つらいが、進まなくてはいけない。
ペトロヴィッチを信じようか、どうしようか、という次元は超えた。
ペトロヴィッチにすべてを託す。彼はやってくれる。ともに頑張りたい。


大宮と甲府が足踏みをしてくれたことには、本当に救われたが、次節の大宮戦は「決戦になってしまった」(戸田)。
僕たちは恐ろしい2週間を過ごさなくてはならない。とても冷たい時間だ。
ただそれより何より、「広島にとってとても重要な時間になる」(ウェズレイ)。
陽介とアオはカタールへ旅立つ。寿人と駒野も代表に招集されるだろう。
ただ、もうそんな言い訳が許されない。そんなことは関係ない。
これからの6ゲームは、生きるか死ぬかのゲーム。結果を出さなければならない。
そのためにどうするのかだ。
この2週間は吉田に頑張って足を運ぼうと思っている。
それを伝えることができればと思う。

2007年10月12日

大宮戦に向けて①
勝つために。ペトロヴィッチが動く

大宮戦を広島はどう戦うのか、僕が見て感じたことを書こうと思う。
大宮戦は、今シーズンの中では、ナビスコ最終節に匹敵するぐらいに非常に重要な一戦になると思う。
8日までオフだったトップチームは9日から始動した。
大宮戦までの時間をどのように過ごして、広島は決戦の地駒場へ挑むのか。
この時間はとても大事になる、と僕は思っている。


9日と11日の練習を見に行ってきた。
では、まず9日の練習のことを。
いつものウォーミングアップを終えると、ピッチを広く使って走りながらのシュート練習をパターンを変えながら行った。約1時間は行っただろう。シュート練習のみでこの日は終わった。
クロスへの入り方やクロスボールに対してペトロヴィッチから熱い指示が飛び、「練習でも決めないといけない」といった声も聞こえてきた。
「ゴールがほしい」という心の声が聞こえてくるかのようだった。
ペトロヴィッチの考える”ゴール欠乏症への対策”だという捉え方を、僕はしている。


この日は、雰囲気はとても和やかで、選手たちから切羽詰った雰囲気は感じなかった。
ただ、それは悪い意味でない。今から練習を切羽詰って緊張感を高めて行っても意味はないだろう。
上を向いて選手たちが取り組んでいる、というポジティブな印象を受けた。
あとは、久しぶりに練習中にウェズレイの笑顔をたくさん見たような気がする。
今までもシュート練習では、遊び心を出して楽しんでいるシーンがを多く目にしていたが、最近は少なかった。
ただ、この日は、河野目がけて至近距離から超絶シュートをお見舞いして笑い、「マナァ~」と叫びながら、パスを要求していた。
ウェズレイが元気になったという印象は、この日強く感じたポジティブな要素だった。


そして、陽介とアオがこの日の練習を最後にカタール戦を戦うためにチームを離れた。
「不安はない。チャンスなので結果を残してきたい」とアオは話し、「切り替えてやるしかない。チームに貢献したい」と陽介は話して、旅立っていった。
まあ、最初からわかっていたこととはいえ、陽介とアオがチームを離れるのは、ペトロヴィッチにとって頭の痛いところだろう。
陽介とアオは、試合前日19日にチームに合流する。時差や疲労を背負って帰ってくるだろうから、出場さえ不透明だ。
ただ、ペトロヴィッチはこの2人をケガでもして帰ってこない限りスタメンから外すことはないだろう。
願わくばカタールを破り、なおかつ、2人には大活躍をしてもらって帰ってきてもらいたい。
そうすれば、少しでも疲労度は違うだろう。いい流れをつかんで帰ってきてほしい。


それでは、11日のことを。
まず、カズが離脱した。たいした負傷ではないようで、来週からは合流できる見込みのようだが、表情は冴えなかった。少し不安要素が増えた。
そして、この日の練習メニューは、2/3コートを使っての11対11に費やされた。
タッチ数や選手のプレーエリアがペトロヴィッチによって制限され、この日もやはりクロスへの2トップの飛び込みと、ボールの種類についてペトロヴィッチからたくさんの要求があった。
そして、サテライト組は最終ラインに激しいプレッシャーをかけることを要求し、最終ラインは少ないタッチで打開していくように求めた。
まあ、いつもとやっていることに大きな違いはない。


違った点というのではないが、ストヤノフが磐田戦同様の攻撃的な中盤のポジションでプレーしている。
駒野は「攻撃のセンスはある」と認め、寿人も「技術が高いし視野が広い」と言っており、連携面もどんどん深まり、ストヤノフ自身のコンディションもかなり上がってきているので、ストヤノフはいいプレーを見せていた。
ただ、大宮戦でこの通りになるかは不明だ。
磐田戦で出場停止だった浩司も、いいスルーパスを通すなどいいデキだった。
ストヤノフが冗談で「陽介がいないからね」と今のポジションで練習していることを話してくれたが、それは本音が80%は含まれているはず。
ただ、この日カズが抜けた最終ラインには、代わりに盛田が入った。
ストヤノフの最終ラインでの起用はないと見て間違いないだろう。


まあ、今週末にはA代表の招集メンバーも発表される。寿人と駒野の招集は固い。
練習中にメンバーを固めて練習できないのが現状だ。
大宮戦のスタメンは、ペトロヴィッチ自身も試合当日まで明言することはできないはず。本人もわからないはずだ。
だから、今は広島のサッカーの質をより高める作業に費やしている。
その中で、ゴールへの道筋をペトロヴィッチが具体的に示している、といった印象だ。
大宮戦へ向けては、具体的な相手対策を施し奇襲をかけることはないだろう。
広島は広島のサッカーで、ペトロヴィッチがここまで積み上げてきたもので勝負を挑むことになる。
新しいものを加えるという発想はペトロヴィッチには元々ないだろうし、その時間もない。


では、最後に今週の練習で一番変わったことを。
それは、ペトロヴィッチの笑顔がピッチ上で少ないことだ。
ピリピリしているというのとは違うが、楽しんでいる、いった印象を受けることはなく、選手たちと冗談を交えて笑顔で話したり、ジョークを言ったり、という場面を見かけない。
「こうなった責任の一番は監督である私にあるが、みんなにも責任はある。それぞれが責任をもって取り組んでいこう」と話し9日の練習を始めた。
彼自身もここが正念場だということは百も承知だ。
真剣なまなざしで練習を見つめ、選手に送る指示も具体性を増している。
今までは、「考える」というテーマもあり、見ていた時間も多かったように思うが、極端に言えば「こうしてくれ」という指示が増えたように思う。
今までほとんど行わなかったシュート練習を行っていることが、その典型かもしれない。
当然ではあるが、今は目先の試合の勝ち負けに大きく反映するだろう練習を行い、指示を送っている。
ペトロヴィッチは、今の状況の中で、自分の引き出しの中から、大宮戦に勝つための練習をしている。
彼がすべてをかけているのは、伝わってきた。


また来週も練習の雰囲気を伝える予定。
次は、大宮を僕なりに分析してみようとも思ってる。

2007年10月21日

J1 29節 vs大宮
最悪だ

いったいどこまで転がり落ちていくのだろう。どこまでもへこまされていく・・・
この敗戦は、本当に決定的な負けになった。
大宮戦、絶対負けてはならないゲームだったことは、誰もがわかりきっていたはずだ。
それなのに、選手の必死さが僕には伝わってこなかった。
そして、監督はあまりにも無能だった。
残留争いをするチームではないとか、いい選手が揃っているとか、美しいゴールを見ることができるとか、そんな言い訳をすることさえを許されはしない。
広島は、大宮に、完敗した。


完全に守備に徹し、リスクを最大限回避したサッカーを広島は徹底して行った。
それは相手の大宮も同じだったから、前半はスロー再生しているようなゲームだった。
石橋を叩いて渡るというより、渡る気もないという感じ。
ただ、別にそれをどうこう言うつもりはない。
あそこまで固かった選手たちには情けなさを感じるが、サッカーは相手もあることだから、前半は、まあ悪くなかった。
公太と寿人のコンビで突破し、寿人がGKの鼻先でシュートを打った。
浩司がドリブルで持ち上がり、ストヤノフのクロスをウェズレイがヘディングし、オフサイドだったがネットが揺れた。
チャンスを作れていたし、相手のチャンスはゼロに近かった。セットプレーを多く与えたのは気にかかったが、まったく問題のない前半だった。


ただ後半は、信じられないほど大宮に押し込まれ一方的な展開にさらされた。
81分までよく耐えたと思う。公太のサイドは決壊し、主税の決定力のなさに何度も助けられた。
サイドで数的優位を作られて易々とクロスをあげられ、だからといって中央に人数を集めているわけでもなく相手に競り負ける。クリアしても相手の出足が早くセカンドボールを拾われ、大宮に二次三次と攻撃を食らった。
ボールを奪っても、パスがまったくつながらない。
2トップへの苦し紛れのロングボールが多くなり、この日もさっぱりだった2トップは、大宮のハードマークにつぶされた。
両サイド、とくに駒野にはボールが回ってくることさえ稀で、まったく広島の攻撃の形は作れなかった。


そんな中でだ。
失点場面を振り返れば、確かにカズが判断を誤ったし、戸田はファールしてでも止めるべきだった。中央でも粘って身体は張っていた中で、相手の前にこぼれた。
一瞬の隙を付かれ、個の力に屈し、運がなかった。
そんないつものパターンで失点したが、僕はディフェンス陣を責める気にはなれない。
ほんと、81分までよく絶えた。
僕が責めたいのは、この苦しい状況の中で戦っていた選手を、ただ見ていたヤツがいることだ。


まず、筆頭はペトロヴィッチ。
サッカーの監督としてプロのキャリアを積んできた彼なら、後半がどんなに苦しいゲームになったかは、わかっていたはずだ。
なのになぜ、打開策を講じない?
86分、失点してから5分後、公太とストヤノフをベンチに下げ、桑田とアオを入れた。
公太の記録を切った。僕は別にこの記録を続けて欲しいとも思っていないから、切れたことに対してはなんとも思わないが、なぜこのタイミングなんだ、ということには、怒りさえ感じる。
さっきも書いたように、後半は公太のサイドがやられていた。
だから、修正するために公太を変えるのなら、うまくいったかどうかは別にして、その采配は納得がいく。
ただ失点した後に、なぜ点を取りに行く時に、公太を変える。公太の左足は広島の武器だろ。
81分まで傍観し、打った手が公太の交代では、ペトロヴィッチの底が知れた。


そして、2トップだ。なぜキープできないんだ。
孤立していたし、大宮に狙われていたとは思う。
だが、あの程度の実力ではないはずだ。
そして、必死に全力で例えパスがずれようとも、気迫を見せてボールに食らいついていたか。
僕は、そういう姿を見ることはできなかった。
よく守備に走っていたとは思う。戦術を理解し我慢して、戦っていたと思う。
でも、気持ちは入っていなかった。寿人から闘志を感じなかった。
悲しかったし、このことが絶望感をつのらせる。
試合後に「このチームは落としてはいけない」と寿人は言ったが、どこまでそれが本当なのか、僕は疑いの目を向けたくなる。


この試合、結果良ければすべて良しだった。
ペトロヴィッチは今までそういうサッカーをしてこなかったが、今回はした。
結果で評価してくれということだろう。
だったら評させていただく。最悪だ。
内容を捨て結果に拘り負けたのだから、そう評されても仕方あるまい。
残り5試合をどう戦うのか、僕には見えてこない。
柏木が「気迫で負けていたところがあった」と振り返ったが、よく平気でそんなことを言えるもんだ。
内容は停滞どころか後退し、気迫でさえ勝てなかった。
広島は、どうやって勝利を奪うつもりなのだろう。


甲府がG大阪に大敗してくれて助かった。ただ、大分には逃げられた。
状況は本当に厳しくなった。
残り5試合、最低の2つの勝利はノルマだろうが、2つの勝利では足りないかもしれない。
3つは勝ちたい。
ただ、千葉、清水、神戸、川崎、G大阪と続く。厳しいと言わざるえない。
今後はどんどんプレッシャーも強くなっていく。
大宮戦の選手たちを見ていて、頼もしさは1つも見当たらない。
さあ、どうしよう。
広島には今、大きな大きな刺激が必要だ。閉塞感に覆われている。変化を施さなければならない。
ペトロヴィッチに何を期待できよう、嘆きたくもなるが、やってもらうしかない。
何かを変えなければ、シーズン後に変わっているのはリーグになってしまう。

2007年10月28日

J1  30節 vs千葉
前を見るしかない

ゲームは拮抗した展開だった。
広島の前線からの守備がよく、相手に多くの自由を与えなくて、大宮戦のようなドン引きサッカーにはならなかった。
その点は、僕が1つ杞憂していたことだったので、ホッとした。
寿人と陽介の守備での貢献度は高かった。
だが、公太のシュートがこの日もポストに当たる。
「ラッキーが必要」と前日にペトロヴィッチが言ったが、「またか」と嫌な想像を抱かされた。
だが、そのラッキーが広島に転がってきた。今もっともラッキーを必要としている男のもとに。
寿人の先制ゴール。広島にとってこれ以上ない男がゴールを奪ってくれた。


前半を1-0でしのげたのは大きかった。
2度も羽生が決定力不足を露呈してくれて、ラッキーではあったが、これで後半は得意のカウンターサッカーに持ち込める。
今の勝ちパターンは先行逃げ切りしかない。
後半の45分は恐ろしく長くはなると思ったが、ゲームプランは立てやすく、この日の千葉の攻撃、今の広島のディフェンス陣の充実度からいって、逃げ切れる可能性は少なくないという展望を僕は抱いていた。


後半、千葉が攻め、広島はカウンターを狙うという展開が当然のように起こる。
前半から交代を要求していた寿人が退き龍一が入ったため、千葉はカウンターの脅威を軽減できた。
寿人の負傷は、アンラッキーというしかないだろう。1ゴールとの代償だったのか。
ペトロヴィッチは、いまさらだがあんまりついていない男である。
だが、広島は絵に描いたようなカウンターをぶち込み追加点を奪った。
ウェズレイの技術と根性がのり移ったボールキープからのスルーパスを、カウンターの先陣を走った駒野が独走し決めた。
B6に喜びを体現しに行く駒野。広島が勝った。と思った。


先制点を奪い、カウンターから追加点を奪う。
広島は理想のゲームプランを現実ののものにした。
得点直後にありがちな集中力を欠く場面もなく、広島はほぼ勝利を手中にした。
この日のペトロヴィッチの采配は、悪くなかった。
まず、先発でアオを起用(前日はストヤノフが濃厚だった)したことは、大当たりだった。
この日のアオは、スーパーなアオで、玉際に強く、リードするまでは果敢に前線に飛び出し、ロングボールの配給も的確。中盤を制圧していた。
浩司も悪くない。スペースを見つけるとドリブルで持ち上がり、思いっきりよく仕掛けるプレーも目立つ。
あまりにも元気のない陽介に早々に見切りをつけ、ストヤノフを投入したことも、勝ちにこだわったペトロヴィッチの姿勢が出ていた。そしてストヤノフはいいプレーをした。


残り時間は刻々と減っていく。広島の勝利がどんどん近づいていく。
僕は、ペトロヴィッチがもっとはやく吉弘を投入して、守りのメッセージを伝えてもいいと思ったが、そうなるとウェズレイを代えるしかない。前線に龍一1人ではあまりにも相手に脅威を与えられないため、動けなかったのはわからないでもなかった。
寿人の負傷退場は、本当にいたるところで大きく響いた。
なんとか89分まできた。勝利を確信した。僕は、マン・オブ・ザ・マッチを駒野にするかアオにするか、迷っていた。
1点差に詰め寄られる。普通ではありえないことが頭によぎる。
だがまだ、1点取られたから駒野にしよう。とかなんとか考えていた。
僕の常識では考えられない。まだ勝利を確信していた。
が、まさかの同点劇。マン・オブ・ザ・マッチ、誰でもどうでもいい。
何でも起こりうるのがサッカーの醍醐味。そんなことはいまさら教えてもらうまでもない。なぜなんだと、考えるのがしんどかった。
「こういうことは普通では起きない。しかし、今は起きてしまう。1失点で抑えれば、0得点。2点取れば2点失う。残念ながらそういうリズムになっている」この日のペトロヴィッチの嘆き節だ。
不思議と腹も立たない。一緒に嘆きたくなった。


なぜ?の理由は1つだけではないが、僕が思う理由を1つ挙げてみようと思う。
龍一は頑張っていたと思う。
頑張ってキープし、彼なりにディフェンスも精一杯やっていた。
だがまだ若い。1つの集中を欠いたプレーが流れを変えたり、必死さを前面に押し出すことで、後ろがどれだけ勇気付けられるか、といった直接ボールに絡まないプレーの大事さと、今この状況でやらなければいけないプレーをわかっていなかった。
龍一は、ストヤノフのスペースへのパスを早々にあきらめ、ラインを割らせて相手ボールにした。
あそこでスライディングをする。届かなかったとしても、そういう姿勢を後ろのみんなが見ている。そして、サッカーの神様も見ているんだ。
龍一には、この引き分けをちゃんと考えて欲しい。
自分にできることはなかったか。
問い詰めて欲しい。おそらく誰も教えてくれない。自分で考えるしかないと思う。


まだまだいろんな理由があると思う。
ラインが低くなったのも良しとしよう。あそこまで攻め込まれ続けたのも、仕方がないとしよう。相手は人数をかけ勢いに乗って攻め込んできていたが、こっちも人数はいた。最後で跳ね返せばよかったんだ。
しかしそれができない。広島はそういったチームではない。
ならば、もっと前からディフェンスすればよかったんだろう。そして、ボールを奪ってからそのボールを大事にし、自分たちのボールにして多くの時間を過ごしたかった。
そうすることで相手の攻める時間を減らせる。そういう戦い方を選択すべきだったのでは、今思う。
あそこは吉弘ではなくハンジェを投入し、プレッシャーをかけさせるべきだったのかもしれない。
まあ、こんなことをいってもすべてが結果論だ。失った勝ち点2は、本当に大きかった。


大宮に抜かれ入れ替え戦圏内に入った。もう残りゲームを勝つしか残留の道はない。
次節は日本平。清水戦。広島にとって最大級のハードルだ。
だが、その前に天皇杯湘南戦がある。
この湘南戦をどういう風に捉え、どういった戦い方をするのかはまだわからない。
体力回復に費やすのか。1つの勝利を目指し全力でいくのか。
僕はどちらでもいいと思うが、どちらかに徹して欲しいと思う。
休ませるなら休ませる。勝ちにいくならいっさいの妥協なし。必ず勝利を手にする。
ただ、天皇杯はたいした意味を持たない。
天皇杯を取るより日本平での勝利を選べるなら、僕は後者を選択したい。


2週間ある。これはいいことだと思う。
チームのショックは相当だろう。もちろん僕もショックだし、多くの人が打ちひしがれたと思う。
ただ、下を向くわけには行かないし、切り替えて前を見なければいけない。
前を見なければ転んでしまう。後ろを向いても上を向いても、つまづいてしまう。
前だけをしっかりと見据え、残り4ゲームを戦っていくしかない。
次節に勝利すれば、順位は上がる。まだ自力で残留を勝ち取ることができる。

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日程・結果

39節 vs湘南(H) 2-0


天皇杯 3回戦 10/12
 vs大阪体育大学(秋田)

41節 10/25 vs鳥栖(H)

天皇杯 4回戦 11/2
 vs東京V(西が丘)

42節 11/9 vs仙台(A)

43節 11/22 vs草津(H)