こんなゲームを今シーズンはたくさん見させていただいてるけど、このゲームはその中でもひどい部類だ。
失点の内容は、今シーズンのフルコース。余すところなく披露してくれた。
DFラインの前で相手に自由を与えてスーパーなシュートを叩き込まれ、ミスが失点を招き、華麗なカウンターを見事に浴びてしまい、ゴール前での玉際の弱さを露呈した。
何だこれは。
チームというものは、日々進歩していかなければならないのだろうか。
進歩していると感じることができた人が、監督・選手・サポーターたちみんなの中で、誰か1人でもおられたのだろうか。
確かに、浦和に勝っていないというジンクスだけでなく、浦和の戦力と個人能力の高さを考えても、戦前に広島の勝利は正直考えづらかった。
そのイメージが沸いてこなかった。
ペトロヴィッチが今週の練習から我慢を選手たちに強調していたように、勝利するゲーム展開を予想するならば、0-0で出来るだけ長い時間ゲームを進め、2トップの力で1点を奪い逃げ切る、というものしか浮かばなかった。
そして、そのプランは、選手みんなが理解してこのゲームに臨んだと思う。
だが、12分に先制ゴールを奪われた。
いやそれ以前に、広島の守備が機能していなかった。だからこのゴールもそう遅かったわけではない。
どういった戦いがしたいのか、チーム全員が理解していたはずだ。同じ絵を描いていたはずだ。
なのに、身体が重くて動かなかったのか。それとも、その理解の仕方に相違があったのか。相手がどうしようもないほど強かったのか。
まあ、原因はすべて当てはまるんだろう。
チームとして戦えていない。みんなバラバラ。
もうこんなゲームを何度も見てきた。なぜこうなるのか。前節横浜FC戦は、寿人が走ったから勝てたのに・・・
悲しいが本音を言うと、浦和に勝つには運も絶対に必要だった。
ただ田中達也のゴールが決まった瞬間、その運が広島にはないことがわかった。
僕は12分で、このゲームの勝利は愚か、引き分けさえも諦めた。
まあ、もしウェズレイが決めるべきところを決めてくれていればと思う。
31分のCKからヘディングシュート。53分のサイドネットに突き刺さったシュート。
どちらも決めれば、ゲームの流れは大きく広島に傾いた可能性はある。
しかし、ウェズレイの決定力を責めるのか。目下得点王だぞ。
PKを外しもしたけど、ウェズレイにはここまで感謝しなければいけないはずだ。
ウェズレイがゴールを決めないと勝てないのか?それも1つじゃ足りないのか?
ウェズレイには気の毒だと思うが、答えはイエスと言うしかないのが、広島の現状だ。
あ~あ、広島サポーターにとっては、飽きたどころか苛立ちさえ沸いてくるだろう、ペトロヴィッチの「つまらない失点が多い。チャンスは多く作った」という敗戦の弁。
ここで少し思い出してほしい。
広島の好ゲームを見たのはいつだっただろう。
僕は、21節大分戦を思い出す。さらに振り返れば、ナビスコカップ決勝トーナメント第1戦の鹿島戦だ。
異論はないでしょ。
このゲームで、誰がピッチに立ったか思い出してほしい。
ハンジェがいて、一誠がいて、桑田がいたんだ。
何が言いたいかというと、走れる選手がピッチに立っていたとうこと。
走れる選手こそ、ペトロヴィッチのサッカーには貢献できるということを、このことが示しているんだ。
誤解しほしくないが、陽介や浩司やアオが走れない選手だと言っているわけではない。
ただ彼らは走れない状況だった。
ペトロヴィッチはこの日の陽介に対して、「疲れているのはわかっているが、決定的な仕事ができる選手」と言ったのは、わからないでもない。
僕もそう思う。一誠や桑田には出来ないことが陽介には出来ると思う。
ただ、チームに貢献できる選手は、結果が物語るとおり、走れる選手なんだ。
僕は、今日ピッチにたった11人が、広島に在籍する選手の中で一番上手い11人だと思う。
だが、適材適所ではないし、ピッチにたった選手が現状のベストだとは思わない。
カズのことはもう言うまい。
ストヤノフが左ストッパーで機能したか。永井に走り負けては、どういえばいい。
寿人と駒野はどんなにコンディションが悪くても、ピッチに立たせる資格はある。それだけの結果を彼らは残してるし、変わりの選手はいない。
ただ、陽介とアオのポジションには、結果を出してきているハンジェや一誠がいる。
ペトロヴィッチの頑固さは、確かに陽介やアオを成長させている。彼らにとってこの経験は今後の大きな糧になると思う。
ただ、ベンチに座っているハンジェや一誠は何を思うだろう。
今節の負けによって、広島の順位は14位になった。
22,675人と目標の3万人より下回ったが今シーズン最多の観客が集まった中で、選手たちは何を見せることができた?
順位や結果はある程度仕方がない。その過程を見せることができるのがサッカーなのに。
つくづく、悔しく情けないゲームをしてしまったと思う。
降格争いの中にいるの大宮と甲府とは、8ポイントの差。
そこまで危機を煽る状況ではないが、次節甲府戦に負ければ、そうも言ってられなくなる。
ペトロヴィッチは正念場を迎えた。
次節の準備に対しては、まったく言い訳の許さない状況であるから、このゲームでペトロヴィッチの真価が問われることになるだろう。
「つまらない失点」をどう減らすのか。もう無視して過ごすことは出来ない。
「いつもどおりというか・・・」という佐藤の言葉は心の底から沸いて出てきた言葉だ。
進歩し前進しなければ、チームとして今シーズンは何を目指して戦っていることになるのだろう。