6月の4ゲームで勝ち点1に終わってしまった。
とても信じられない結果だが、こうなった理由はあると思う。
確かに運の存在も少なからず影響を及ぼしていると思うが、それ以上に広島には勝てない理由があったと僕は感じている。
振り返れば5月は素晴らしい月だった。
横浜FCにショッキングな星を落としてしまったが、この敗戦を糧にして6勝1分という成績を残した。なんと、ナビスコカップ決勝トーナメント進出というクラブ史上初の快挙まで成し遂げたんだ。
そして、5月最後のホーム清水戦での劇的逆転勝利。
チームは生まれ変わり、どこまでも上っていきそうな予感を抱いた人は多かったはずだ。
だが、水を差すように3週間の中断期間がやってきた。
もし、たら、れば、を言わせてもらえるならば、この中断期間さえなければと思う。
とくに他チームより1週間延びた浦和戦の延期は痛すぎた。
最初は、トゥーロンに参加する柏木たちが出場できないからラッキーだと思っていたが、彼らは予選敗退してすぐ戻ってきた。皮肉なものだ。
6月失速の原因の1つ目としてこの中断期間、そして過ごし方に問題があったと思う。
U-20組3人プラスA代表に佐藤と駒野を持っていかれ、俊介と上野が去った。
トップチームの向上に当てられなかったペトロヴィッチは、若手を集中して鍛える時期とし、まあ休みを入れながらだが、ハードな練習を行った。
そして、身体が重いままトレーニングマッチを組んだ。
こうやって、3週間を過ごした。
だが、この間行われた3つのトレーニングマッチは、福岡に負け、愛媛と岡山には勝ったが、どれも褒められる内容のゲームではなかった。
原因は、ハードトレーニングによる身体の重さだ。
その影響でウェズレイとカズは離脱してしまった。
僕の考えだが、このトレーニングマッチを真剣勝負の場にし、勝つことを何より最優先すべきだったと思う。
ペトロヴィッチの考えはよくわかる。
疲れた中で何ができるかを見たかったのだろうし、若手に鞭を打ちたかったのだろう。
だが、いいムードで中断を向かえたチームが、このトレーニングマッチのパフォーマンスで、これでいいのか?という疑心暗鬼を抱くことになってしまった。
ここは、勝つのはもちろんいいコンディションで臨んで相手をボコボコニやっつけ、さらにいいイメージを叩き込んでおくべきではなかっただろうか。
いいムードが壊れ、勝っていた流れを捨ててしまった。
で、迎えた鹿島戦だが、前半素晴らしいサッカーを見せた広島に、離脱していた選手たちの偉大さを僕は改めて感じさせられたが、元々持っていた、今までごまかしていたDF面での課題が噴出してしまう。
次の川崎戦では、相手に助けられた面もありドローに持ち込んだが、次節神戸戦では、DF面の課題がもう隠し切れないことを痛感させられた。
この3ゲーム、確かに運がよければ勝てた、もしくは引き分けに持ち込めたゲームだったと思う。
決定力不足に泣いたのは事実だ。
しかし、僕はこのチームに対して決定力不足を問うのは間違っていると思う。
内容がよく、たくさんのチャンスを作っていたが決めきれず、もったいない失点をして負けた。
ペトロヴィッチの哲学では、前者がより問題視されていた。
しかし、後者のもったいない失点をもっと真剣に問題視する必要があったはずだ。
「このポジションにいるのいでゼロに抑えたい」(カズ)DF陣は後者をチームとして真剣に取り組むことを求め、ゴールも奪えチャンスも作れている攻撃陣は、俺たちが決めれば、という意識にかられ、より攻撃に比重を置いた。
チーム間の意識にギャップが生まれてしまったんだ。
それが、新潟戦でもろにあらわれ、バラバラになったチームが登場してきた。
どうしてもゼロに抑えたいDF陣。ボールをもらいもっとフォローもあればゴールを奪える自信がある攻撃陣。
「ギクシャクしたサッカーになってしまった」(浩司)のは誰の目に見ても明らかだった。
こうなってしまった要因は、ペトロヴィッチの中途半端さにある。
きっちり決めてくれ。我慢して守れ。
どっちをチームとして優先するのか、曖昧すぎた。
今のサッカーでは、失点してしまうDF陣を責めることはできないだろう。
Jの中でも、珍しいほどうちの2トップには守備が免除されている。
だからラインを低く構えざるえないDF陣の気持ちはわかる。そうなると、中盤と前線の距離も当然遠くなる。
きっちりつないでいくスタイルはもう他チームに完全にばれた。
プレスをかけると前へ運ぶことさえできなくなる。
そして、ミスが起きる。これも必然に近い。
こうなってしまっては、2トップは当然相手に徹底的に狙われ、フォローも遅く孤立する。
完全に悪循環へと追い込まれてしまうんだ。
今のサッカーをかたくなに続けていくなら、3点以上とるしかない。先制点は必須だ。
まあ、それを現実する力が2トップにあるのか?と言われれば、NOではないと思う。
やってみる価値はある。だが、ギャンブルだ。
新潟の戦い方を他チームは模範してくると思う。
相手の手の内にはまってしまう確率のほうが高いだろう。
リーグ戦を戦う上で、魅力的ではあると思うが、現実的な戦い方でない。
やっぱり、守備を立て直さないといけない。
チーム全体として守備意識を高める。それは2トップもだ。
まずここから始めるしかないだろう。
スーパーなDFを補強するか、中盤でつぶせてつなげる選手を補強するか。
だが、補強という言葉はあまりに現実的でない。
まず全員で守る。90分間守っていてもいつかはチャンスが来るだろう。
2トップは最強だし駒野もいるんだ。
点はいつか入るんじゃないのか?
だから、まず守るんだ。
この結論、悲しいが現実的だと思う。
しかし、広島は現実的にならなければいけない順位にまできてしまっている。
ペトロヴィッチは、攻撃的哲学でチームを組み立ててきた。
ここまで階段を上ってきたと思う。踏み外すことなくかなり速いペースで上がってきた。
だが、今は次の一段に足をかけるどころか、転がり落ちようとしている。
もういい加減、無視できないディフェンスという課題に、真剣に取り組まなければならないだろう。
ペトロヴィッチの手腕の見せ所だ。監督としての修正能力が問われる。
この課題に対して、どのような処方箋を持っていて、どうやってほどこしくるのか。
劇薬はないと思うが、何らかの治療はしなければならない。
その効果のほどが、今後また階段を上れるかどうかの大きなポイントになるだろう。
これも皮肉だが、せっかくの決勝トーナメントの舞台に主力がいない。
よってナビスコカップは、ペトロヴィッチの治療法を見る絶好の機会になると思う。
そして、鹿島との戦いが終わった後の2週間の過ごし方だ。
時間はある。どう立て直してくるのか非常に興味深い。