ようやく、いやまたしてもだ。駒野が決めてくれた。
ロスタイムの決勝弾。今シーズンもじらされた勝利の歓喜がやっとビックアーチに沸きあがった。
昨シーズンも、ホーム初勝利は駒野の右足のサヨナラ弾がもたらしてくれたんだ。
雨の中の地をはうFK、よく憶えてる。忘れるはずがない。
このゲームも、また忘れられないゲームになったね。
駒野が決めてくれないと、広島はホームで初、は勝てないのか!
寿人とウェズレイがどれだけ積み重ねてもダメだったものを、この男はひと振りで決めてくれた。
やっと勝った、という実感がやっぱり強いよ。
昨シーズンは11節。ホーム6ゲーム目。それまでの勝ち点は7。
今シーズンは9節。ホーム5ゲーム目。勝ち点は9。
少しは成長してるな。予想以上に遅かったけれど、ホッとしたよ。
それにしても、今シーズンの駒野のパフォーマンスはとんでもないものがある。
別次元に到達している感さえあるよ。
ほぼ全ゲーム、右サイドは広島のものになってるんだ。
この日のゴールを見てもわかるように、最後まで落ちない運動量は相手を圧倒している。
そして、今シーズンに入って特に目立つのが仕掛ける姿勢。
これまでは、最終目標がクロスを上げることだったように思えた時期もあった。
だが、今シーズンはゴールしか頭にないようだ。
開幕戦の急所を突くロングフィード。
名古屋戦、この大宮戦のピンポイントクロス。
そして、中へ切れ込んでシュートをも放つ。
とても恐ろしい選手になった。相手にとって、脅威となる選手になったはずだ。
1対1で相手と対峙すれば、必ず仕掛ける。そして、抜き去る。ゴールへボールを届ける。
ゴールへの強い意志のこもったプレーを、ずっと続けてくれている。
さすがに代表選手だ。日本代表というフレーズは駒野にこそふさわしく、広島の宝物だ。
記者会見の席で、ロバート監督は終了間際の失点に、「選手間で解決しなければいけない問題」と苛立ちをあらわにした。
大宮にしてみれば、悪くても引き分け、というゲームを展開していたと思う。
中盤で数的優位を作り、ロングボールを多用しセカンドボールを拾ってペースを掴んでいた。
広島の速い展開のサッカーに持ち込ませないため、自らペースダウンし、ゆっくりとボールをつないで、ゲームのリズムは大宮がつくっていた。
なのに、あと数分でやられてしまった。
最後のCKの時に、リスクをかけたのは選手たちの判断だったようだ。
それが裏目に出てしまう。チーム状況の苦しさを物語っていたと思う。
広島は、やはり守備という意識が強かった。
重い体が言うことを聞かなかった面もあったのだろうが、運動量はどんどん落ちてまった。そして、選手間の距離が開いてしまい、ロングボールを蹴るしかない状況。当然走れていないからセカンドボールも拾えない。悪循環だった。
「内容は悪かった」「ボールが動かなかった」監督選手も口々にこうゲームを振り返る。
だが、最後で我慢できた、守備陣は一様の手ごたえを掴んだだろう。
まあ相手に助けられた部分も多分にあったが、危険なシーンは少なく、PA内では自由にはさせないよう体も張れていた。チーム全体の守備意識は高まっていたと思う。
何よりの薬はやっぱり勝利だから。
勝ちが自信に、自信がパフォーマンスの向上につながっていくはずだ。
サッカーとは不思議なもので、いいサッカーをしても勝てない。悪いサッカーでも勝った。そういうことが多々起こる。
相手もあることだから当たり前でもあるんだけど、こういうゲーム状況に応じた戦い方が出来て、最後は駒野という神様が降臨してくれたからではあるが、勝てた。
今、煮え切らない状況で、きっかけとなる何かをつかめたゲームになったと思う。
続く大分戦。コンディション的にはかなり厳しい面があると思う。
下位の相手ではあるが、相性的にはよくない相手でもある。
このゲームに勝利できれば大きい。順位もかなり上昇する。
今は、内容的に多くを求めるよりも、チームで状況に応じた勝つサッカーを統一し、結果を出す姿を見せてもらいたい。
このゲームは、よくないゲームではあったかもしれない、ビックアーチが歓喜に包まれたのもまた事実だ。
結果を出すために今必要なこと、出来ることを、チームみんなで戦って勝ち取っていけば、必ず内容と結果の伴ったみんなが幸せなゲームを見せることが出来るようになるはずだ。