ビックアーチ
ビックアーチに向かって登る、あの坂道が僕は大好きです。
木々を見て季節感を感じつつ、期待や不安を胸に抱え、早足で登る坂道。また、笑顔がこぼれ、スキップしたくなるような気分で下る坂道。下ばかり見て、無言で下る坂道。
ゲームの、オープニングとエンディングであるこの坂道は、いつも違ったドラマを用意し、いつも違った顔をして、僕らを待っていてくれているような気がします。
この日登った坂道は、とても久しぶりに感じ、とても長く感じました。松葉杖で登ったせいもあったと思いますが、初めて見る顔だったような気がします。
僕と、この坂道の関係が、こうやって深くなっていければいいなぁ、と思います。
スタジアム
スタジアムに入ると、いつもと変わらないチャント・コールが聞こえてきて、紫のフラッグが舞っています。スタジアムに戻ってきたぞ、と1ヶ月半しか離れていないのに、妙な感動モードに入ってしまいました。
ほんとにこの雰囲気はいいもんですね。この臨場感と一体感は、スタジアム独特のものです。
行けない時につのった寂しさが、スタジアムの持つ魅力を再認識させ、よりその気持ちを増幅させてくれました。
大宮
この日、ビックアーチにやってきた大宮は、広島が今シーズン初勝利をあげた相手で、ここ4ゲームで、3敗1分と調子を崩していました。
ですが、三浦監督は、広島相手のプランをしっかり練って、このゲームに挑んできました。激しいチェックを前線から仕掛け、広島のつなぐサッカーを逆手にとり、そこを狙ってきました。
面食らった広島は、ボールが前へも進まない状況になり、悪いうしない方をして、2トップに裏をとられて決定機を作られるなど、リズムがまったく生まれず、ボールさばきの中心である青山にミスが多く、三浦監督のプラン通りの展開になってしまいました。
最終ライン
だが、最後のところで踏ん張れた。これがやはり大きかった。
相手のすばやい2トップに対して最初は手を焼きながらも、決定機では体を張ってしのいだ最終ラインは、日々成長していることを感じさせてくれている。今の3人で固定されてから7ゲームがたった。確実に連携は向上し、手ごたえを感じていると思う。
カズは、読みが生きるようになってきたし、ここ一歩の足が伸びるようになった。自信を付けてきていると思う。このポジションを楽しみ始めたところだろう。
まだ、ビルドアップでぎこちなさを見せたり、攻撃への効果的な関与はまだ見られないが、相手のパワープレーにもあわてることなく対処できるようになった。
サイドをいかに守るか、が今後の課題だろう。1対1にさらされてしまっている場面がまだ多い。それでいいのか、フォローにいくのか、誰がいくのか、をはっきりさせたほうがいい。
浩司
ペトロヴィッチが就任してから信頼を勝ちとり中盤を支えていた浩司は、今まで、いいプレー、気持ちの入ったプレーでチームに貢献していたが、それが数字に表れていなかった。
ゴール前に走りこむでもゴールにならず、守備にも奔走しなければならない。バランスに気を使うあまり、積極的なプレーが影を潜めつつあった。
浩司がゴールに絡み、結果を残せば、広島は一段階ステップをあがる。と僕はずっと思っていた。
どんな形でもいい。FKが壁に当たって入っても、ただ押し込むだけでも、何よりも浩司に結果がつくことが重要だと思っていた。
そのゴールが、ようやく来た。それも、どうしてもゴールがほしいj状況での、理想的な展開からの、得意の左足できっちりコースを狙った、素晴らしいゴールだった。
駆け寄ったチームメイトの喜びようを見て、みんなが浩司のゴールを待っていたことがわかる。チーム全体が、サポーターのみんなが、浩司自身が、待ちに待った待望のゴールが、このゲームを決めてくれた。
浩司に結果がでた。これで広島は、一段上へとステップアップできる。
柏木の可能性
このゲームで、広島の攻撃を創出していたのは間違いなく柏木だった。ゲームをこなすごとに新たな引き出しを開け、プレーの幅の広さを見せてくれている。
ただ、もっともっとできるんじゃないだろうか。厳しいところでボールを受けても、仕事ができるんじゃないだろうか。
だから、もっと挑戦してほしい。限界点を決めてしまわず挑戦し続けることで、可能性はもっともっと広がっていくと思う。
あのルーレットは目に焼きついた。あんなプレーにもっとトライして、今度はゴールに結び付けてほしい。
魅力的なチームへ
面白いゲームだったと思う。勝ったから、というのも当然あるが、内容も充実していた。
ゴールチャンスは数多く作れていたので、後はそれを決めて、歓喜を2度3度と届けてくれれば言うことなかった。
魅力的なサッカー、お客さんが見たいサッカー、というのは、みんなが共通している部分では、ゴール前の回数が多く、当然ゴールがたくさん生まれるサッカーだと思う。
今の広島の歩みは、間違いなくその方向に向かっていると思う。
決して止まることなく、進み続けていってほしい。前へ、上へと。